悟りとは その110 『涙』 | 岐鑑の悟りブログ

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悟りとは その110 『涙』


皿の上にあるレタスが異様な色で光っており

その葉っぱが

ゆら~り、ゆら~りと

形を変えながらうねっている


壁にある絵葉書の滝が音もなく落ちていて

滝の水がうねっている


窓のカーテンが、

ゆら~り、ゆら~りと

うねっていて

カーテンの模様もうねっている


天井のランプは妖しげに

柔らかい光を照らしていて

何故か暖かい


どこからかの影が天井に写っており

光と影が

ゆら~り、ゆら~りと

天井でうねっている


気が付くと部屋全体が

覆いかかるように、

ゆら~り、ゆら~りと

うねっている


この世界は何だろう


天井で輝いている光が

星のようにキラキラと

私の頭の上に落ちて来ている


私の目から

一粒の涙が

こぼれ落ち

その一滴が宙に浮いている


その粒をよく見てみると

涙の水の模様が

ゆら~り、ゆら~りと

うねりながら

不思議な世界を描いている


さらによく見てみると

その粒の絵の中の深くには

光の渦が

うねりながら

輝いている


またその光の渦の中の深くには

空間と時間が

お互いに混じり合って

うねっている


その中のさらに奥には

私がいて

私を見詰めている

不思議な世界が

うねり

ゆら~り、ゆら~りと

収縮しては拡張している


私の涙が誘ってくれた

この世界

今私はその優しさに包まれて

死んだ母と父と

この世界を分かち合っている


『よく来ましたね』

『はい、こう言う事ですか』

『そうよ、こう言う事なの』


『よく分かりました』

『貴方達は私の母でも父でもないですね』

『そうです』

『貴方も貴方ではないのです』

『私達は貴方の流した一粒の涙です』

『この涙は無分別の世界で

時間も空間もありません』


『もうお前も分かっているだろ』

『この世界は永遠だ』

『さぁ、皆が待っているぞ』


私が私の人生の中で

一番欲しく求めていたもの

今私はその中にいる


私はすでに私ではなく

この永遠の世界でうねり

涙を流しては貴方を誘っている


そうです

貴方の涙は私の涙

どのような辛い事があっても

私はこの世界で待っています

月が地球を愛しているように

私はこの永遠の中で貴方を見詰め

貴方に涙が流れた時、私は貴方を包み込み

このうねりの世界に誘い込むでしょう


私の涙と

貴方の涙

永遠です


後書き

無門関第30則と33則

どのような精神的指導者、例えば牧師、お坊さん、グル、ダライラマ、哲学者などが必ず聞かれる質問があります。 それは、人は『何故悲惨な病死とか、殺されたり、戦争が起こりまた地震や津波で何万人の人達が死んでいくのか』と言う質問です。 これは指導者が何と答えようと、貴方様の心の中に『永遠と言う安心(あんじん*)』を置かないと解決出来ない事です。 ここら辺が、私としては、世界的に見ても禅の優れたところだと確信します。 

(*:  安心(あんしん)の上、『安心(あんじん)』です。)