来春開校の女川高等学園に3コース
県教委は13日の定例教育委員会で、女川町に2016年4月の開校を予定している「支援学校女川高等学園(仮称)」の学科概要を発表した。
産業技術科1学科に食品製造、福祉、サービスの3コースを設ける。既存の小牛田(美里町)、岩沼(岩沼市)の両高等学園の卒業生が多く就職している分野を学べるようにした。食品製造、福祉両コースは高等学園では初めて。
いずれのコースも、講義と企業実習を組み合わせた職業教育を行う。立地する女川町の特性を生かし、水産加工業や地域の特別養護老人ホームなどとの連携を想定している。3年間の全寮制も支援学校初で、地域社会で自立した生活ができるよう支援。寄宿舎のほかに生活訓練棟も完備する。
女川高等学園は軽度の知的障害者が対象となる。現在、生徒数減少に伴い閉校された旧女川高跡地に校舎を建設中で、1学年定員は1学級8人の3クラス計24人。
女川中心部集団移転地…造成加速へ発破導入
硬い岩盤が見つかったのは、堀切山北側、JR女川駅から南西約150メートル地点の造成地。岩盤は中硬岩で8万立方メートルにもおよび、大型重機での掘削作業では工事に遅れが出ることから、初めて発破作業を取り入れた。
12日は正午すぎに1回目の試験発破を実施。岩盤の35カ所に縦3メートルの穴を開け、火薬128キロを投入。上部に飛散防止シートをかぶせ、土のうで固定した。10分前、5分前、1分前にサイレンで周囲に注意を促し、カウントダウンして発破。土のうがやや飛び上がり、一帯は煙に包まれた。
同日は女川小学校内など現場周辺の10カ所に騒音測定器を設置し、作業で生じる爆発音の広がりや影響も調べた。その結果を踏まえ、問題がなければ来週から平日午前11時半―午後0時半、午後4時半―5時半の2回に分けて実施していく。
コバルトーレ女川…ホーム5連戦 快勝発進
東北社会人サッカーリーグ1部の第5節が10日に行われ、現在2位のコバルトーレ女川は、ホームの女川町運動公園第二多目的グラウンドで9位の秋田FCカンビアーレ=秋田市=と対戦。1部昇格後、最多得点タイの9―0で圧勝し、開幕からの連勝数を5に伸ばした。
試合は前半から女川が攻勢を仕掛け、前半開始9分にMF池田がドリブルで相手守備をかわすと、パスを受けたMF黒田がゴール右隅にグラウンダーのシュートを突き刺し先制。18分にはMF嶺岸が今季2点目、30分以降にはMF池田が2ゴール、FW成田主将も追加点を挙げ5―0と突き放した。
後半もコバルトーレが主導権を握り、MF木戸優次、MF吉田圭が追加点。後半から投入された新加入のMF大賀、DF前田も1ゴールずつを奪い、9―0で快勝した。
先制点を挙げた黒田選手は「9点を奪えたが、シュート本数の3分の1しか得点に結びつかなかった。セットプレーなど決定力という面で課題が見えた試合だった」と振り返った。
次戦は17日午後1時から石巻市フットボール場で3位のラインメール青森=青森市=と対戦する。
<女川原発>再稼働反対署名を市民団体が提出
東日本大震災後運転を停止している東北電力女川原発(女川町、石巻市)について、東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センター(仙台市)など九つの住民団体は8日、再稼働反対と原発政策からの撤退を求める1万2253人分の署名を県に提出した。
約30人が県議会棟で提出。センターの綱島不二雄代表世話人が「一番の安全対策は再稼働しないこと」と強調した。受け取った阿部勝彦県原子力安全対策課長は「既に原発が存在する中で住民の安全を守ることが重要。市や町の避難計画策定を支援し、安全確保につなげたい」と述べた。
署名提出は6度目。今回を含めて署名は12万684人分に上る。
ゆぽっぽ、利用1万人突破 女川温泉
東日本大震災の津波で全壊し、女川町のJR女川駅に併設して移転オープンした町営「女川温泉ゆぽっぽ」の利用客が6日、1万人を突破した。3月22日の営業再開以来、営業日45日目で大台に乗った。
1万人目となったのは、岩手県一戸町の会社員中嶌さん(41)家族。くす玉を割って祝い、須田善明町長から証明書、吉田雅ゆぽっぽ支配人から入浴券などが贈られた。
妻と2人の娘と共に宮城県内を旅行中にゆぽっぽに立ち寄ったという。中嶌さんは「1万人目と聞いて驚いた。浴室の白いタイルが美しく、肌がすべすべになる温泉だった」と喜んだ。
須田町長は「町外からも利用客が来ていることがうれしい。今後も多くの人が訪れ、復興まちづくりが進む過程を見てもらいたい」と語った。
ゆぽっぽは移転再開以来、1日平均約150人が利用。大型連休で利用客数が伸び、当初見込みの5月10日以降より早く1万人を達成した。
<女川安全協定>宮城県と5市町、揺らぐ信頼
<苦労が水の泡>
「立地自治体の判断で十分だと思う」。村井嘉浩知事は4月27日の定例記者会見で、こう考えを示した。
協定は同20日に締結された。5市町は同時に県と覚書を交わし、再稼働につながる原発の設備変更時には県を通じて東北電に意見を述べられるようにした。
発言はそのわずか1週間後。周辺市町の首長会議で幹事を務めた布施孝尚登米市長は取材に「だまくらかしだ。苦労して協定を作り上げたのに…」と不快感をあらわにした。
周辺5市町は2013年7月、首長会議を設立。同11月の第2回会合では美里、涌谷両町が再稼働の議論に確実に加われるよう、立地自治体並みの権限を担保する「設備変更時の事前了解」を盛り込むことを主張し、議論は紛糾しかけた。
オブザーバー参加の県は独自集計の資料を示し「全国の原発周辺自治体が結ぶ安全協定に事前了解の権限は入っていない」と沈静化を図った。だが状況は大きく変わらず、首長会議は1年近く開催できずにいた。
<「出発点」強調>
事態が動いたのが14年秋。県によると「登米市が協定とともに覚書も結ぶことを提案してきた」という。
再稼働の議論を切り離す苦肉の策だが、5市町は住民の避難計画を作らなければならず、策定作業に不可欠な東北電からの情報提供に重点を置く協定の締結に傾いていった。
「これがスタート地点」。協定締結式後の記者会見で、首長たちは口をそろえた。今後の再稼働の議論に加わる余地はあるとの意思表示だった。
村井知事の発言はこうした議論を軽視するように受け取れた。仮に持論の展開であったとしても、いかにもタイミングが悪かった。
<実効性不透明>
実は再稼働をめぐる首長側の足並みもそろっているわけではない。「われわれには原発や放射能の専門的な知識がない」(佐藤仁南三陸町長)「知見や賠償能力のあるところが判断すべきだ」(阿部秀保東松島市長)などの意見がある。
東北電が16年4月以降を目指す女川原発の再稼働。周辺市町が関わる余地はどれだけあるのか。
美里町の相沢清一町長は「知事1人が県としての判断を下すわけではない。30キロ圏の同意も求めていく形になると信じている」と強調。登米市の布施市長は「協定締結時、東北電力社長が(再稼働の際)5市町に配慮する発言をした」と指摘する。
ただ、頼みの綱となる覚書の実効性は知事発言で一層不透明になった。
<女川原発30キロ圏の安全協定>東北電力が原発の異常発生時に直ちに情報提供することや原発被害への賠償、市町の防災対策に協力することなどを盛り込んだ全13条。宮城県、立地市町が別の安全協定で持つ、原発の再稼働時などの設備変更に了解の有無を与える権限は入っていない。
女川原発の安全協定 「おかしな話だ」栗原市長
佐藤市長は「30キロも50キロも関係ない。実際に東京電力福島第1原発事故では百数十キロ離れた栗原も被害を受けた」と指摘。緊急時には、30キロ圏外の自治体にも連絡や通報をすべきだとの考えを示した。
佐藤市長は原発の必要性を認識しつつも、女川原発の再稼働については「安全だと確認されない限り、再稼働は難しいと思う。住民の理解を得ずして勝手にやることはあり得ない」と安全対策と県民の理解が不可欠との認識を示した。
七十七銀女川支店の遺族 GWに語り部活動
行員だった長男=当時(25)=を亡くした大崎市の田村さん(52)は同日、仙台市青葉区で記者会見し「諦めずに声を上げ続けたいと考えた。企業が従業員の命を守る責任を果たし、同じ犠牲が二度と出ないような最高裁判決を望む」と訴えた。
代理人弁護士は、銀行は従業員を高台に避難させる安全配慮義務を怠ったと主張した上で「高裁の判断は、他人の生命や身体を預かる者は科学的知見に基づき万全を期すべきだ、とした過去の最高裁判断に反している」と述べた。
七十七銀行は「上告されたことは残念だが、これまで同様、最高裁にも主張を理解してもらえると考えている」との談話を出した。
七十七銀行女川支店(宮城県女川町)の犠牲者家族が大型連休中も、語り部として命の大切さを伝えている。女川町へ通い、現地を訪れる人と交流。「何が起きたのか知ってほしい」。在りし日の思い出を胸に企業防災の向上を訴える。
大型連休最初の祝日となった4月29日、2家族の4人が支店跡地を見下ろす高台に集まった。県内や関東、関西などから来た人々に語り掛けた。
「支店から走れば1分でここに来られた。息子は会社を信頼し犠牲になった。自分の身に置き換えてほしい」。長男さん=当時(25)=を亡くした大崎市の田村さん(54)と妻(52)が震災前後の支店周辺の写真を示し、被災状況を説明した。
初めて女川町に足を運んだ仙台市青葉区の男子医学生(21)は話に聞き入り「命の尊さや津波の怖さを学び、貴重な経験になった」。
田村さん夫妻は震災から2年がたった2013年3月ごろ、現地で語り部を始めた。多くの企業幹部や学校教員らに悲劇を伝え、並行して銀行を相手に訴訟に臨んだ。一、二審は敗訴したが、企業防災の指針となる司法判断を求め、引き続き最高裁で争う。
田村さんはこの日、5月5日の「こどもの日」を前に高台にロープを張り、こいのぼりを掲げた。健太さんの形見だ。約25年ぶりに自宅から外に出した。孫が誕生したら飾るという願いはかなわなかった。「諦めずに活動を続けていくから見ていてくれと、息子に誓った」
姉=当時(54)=を失った仙台市の丹野さん(57)と石巻市の女性(55)姉妹も語り部を続ける。「姉妹3人で世界遺産を見て回り、おいしいものを食べ歩きたい」と定年後を楽しみにしていた。
丹野さんは「姉は高台に避難すれば助かった。悔しい」と言う。恵子さんは「何が起きたのかを多くの人に知ってほしい」と望む。
丹野さんの話に耳を傾けた松山市の会社員男性(53)も初めての女川町訪問。四国では南海トラフ巨大地震の被害が想定される。「見聞きした教訓を家族や知人、地元の人たちに伝えたい」と誓った。
<女川30キロ圏協定>東北電社長、知事発言に理解
東北電力の海輪誠社長は30日の定例記者会見で、女川原発(女川町、石巻市)の半径30キロ圏の5市町と結んだ原子力安全協定に絡み、村井嘉浩知事が27日に「(再稼働に必要な地元同意は)立地自治体の判断で十分」と述べたことに「協定内容を再確認した発言と思う」と理解を示した。
協定は再稼働の前提となる設備変更時の事前了解の権限は盛り込まず、県を通じた意見表明にとどめた。海輪社長は「再稼働には立地自治体や30キロ圏、その周辺も含め広く理解を得なければならない。関係自治体と相談して進めたい」と話した。
<女川再稼働>知事「立地自治体の判断で十分」
原発から30キロ圏は東京電力福島第1原発事故後、重大事故に備える防災重点区域「緊急防護措置区域(UPZ)」に含まれた。
地元同意の範囲について村井知事は「線引きにUPZ圏も含めると、外側に際限なく広がっていく。原発に一番近い立地自治体は最も危機感を持つ。その意見を聞けば周囲の考えも十分反映できる」と説明した。
女川原発の再稼働の是非については「まったくの白紙」と強調。「まずは国が再稼働させる原発に女川を位置付けるかどうか。地元で同意するかどうかは、有識者検討会の結果を見ながら石巻市や女川町と調整して判断するが、その段階に至っていない」と語った。