<女川原発>規制委の指摘を東北電補足説明
説明したのは津波以外の自然災害による事故要因の検討や人的ミスへの具体的な対応策など11項目。竜巻や落雷などが原因で電源喪失などの事故が起きても、これまでに示した処理方法で対応できるとした。人的ミス防止策は弁などを操作する際に作業員を2人にする具体策を挙げた。
<女川原発>電源喪失時の対策など説明
補足項目は、黄砂による換気空調設備への影響や格納容器破損防止策、外部電源と直流電源が同時に喪失した場合の対策など。東北電は、電源喪失時の対策について、移動可能な蓄電池を手動で取り付け、事故発生から25分後には直流電源を復旧させ、重大事故に対応できると説明した。
<女川原発>事故時30キロ圏7市町高線量か
7市町の役場所在地で事故直後、1時間当たりの空間放射線量が最も高くなる東寄り、南寄りの風向を条件に試算。数値は高い順に女川町156マイクロシーベルト、石巻市65マイクロシーベルト、東松島市48マイクロシーベルト、南三陸町25マイクロシーベルト、涌谷町22マイクロシーベルト、登米市13マイクロシーベルト、美里町5.2マイクロシーベルトと推計した。
青山氏によると、福島第1原発事故直後、福島県内の30キロ圏の飯舘村と浪江町では毎時約50マイクロシーベルトが観測された。原子力規制委員会の基準では、500マイクロシーベルトは即時避難、20マイクロシーベルトは1週間程度以内に避難することが求められる。
青山氏は「事故直後にいかに被ばくを避けるかが重要。美里町の数値は低いが安全ではない。シミュレーションの結果を踏まえて一人一人が対応を考え、行政は有効な避難計画を策定してほしい」と語った。
研究所は同様に30キロ圏の住民の主な避難先についても試算。塩釜市8.8マイクロシーベルト、栗原市8.4マイクロシーベルト、大崎市3.3マイクロシーベルトなどとした。
講演会には県内外の約170人が参加した。美里町の70代女性は「町は放射性物質の広がり方に関する基本的な情報を知った上で避難計画を作ってほしい」と訴えた。仙台市の50代女性は「自分たちの頭で事故対策を考え、身を守らなければいけない」と話した。
<女川原発>「安全避難可能か」住民懸念
東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)の事故への対応をめぐっては、30キロ圏の7市町が策定を進める広域避難計画で、地形や風などの影響を盛り込むかどうかは不透明だ。住民の間には「こうした状況で安全に避難できるのか」と不安が渦巻いている。
原発が立地する女川町はほぼ全ての行政区が10キロ圏に入り、主な避難ルートは国道398号に絞られる。高齢男性は「どこにどう逃げればよいのか分からない」と訴える。20代女性は「福島第1原発事故のようになったら、女川には帰れない」と口にする。
宮城県がまとめた広域避難のガイドラインでは地形や風向には触れていないが、女川町の担当者は「計画策定に当たり、地形などを考慮した方がいいのではないかとの考えはある。計画に盛り込むかどうかも含めて検討している」と話す。
ガイドラインによると、石巻市の約15万人は原発事故時、27市町村に分散して避難する。だが、市は避難所の運営方法などで受け入れ先との調整が難航。牡鹿半島の5キロ圏と周辺地域について先行して避難計画を策定する方針を決めた。
市幹部は「地形や風向きで先に避難させた方がいい地域が出てくる可能性もある。地形などを踏まえた避難計画の策定を検討している」と説明する。
また、ガイドラインでは人口約100万の仙台市は原発周辺から避難する約6万人を受け入れる予定。仮に民間シンクタンクの環境総合研究所(東京)のシミュレーションのように、仙台市民も避難が必要になれば、大きく混乱する恐れがある。
研究所は「原発からの半径のみで定める区域設定は福島の事故の実態からみて疑問がある。自治体がマニュアル的に計画を作っているだけでは、住民の不安は消えない」と指摘する。
女川など沸騰水型4原発 優先審査へ絞り込み
原子力規制委員会は1日の定例会合で、新規制基準適合性審査(安全審査)中の沸騰水型の原発について、東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)など4原発の中から優先的に議論するプラントを絞り込み、設備・運用分野の審査を進める方針を決めた。
地震・津波分野に関しては、4原発ともに課題が多く、同時並行の審査を継続する。審査が遅れている東北電の東通原発(青森県東通村)などは優先審査候補の対象に入っていない。
沸騰水型炉は東京電力福島第1原発と同型で、九州電力川内原発(鹿児島県)など加圧水型炉に比べ審査が遅れている。規制委は優先プラントを選んで審査を効率化したい考えだ。
優先審査の候補は女川2号機のほか、東電柏崎刈羽6、7号機(新潟県)中国電力島根2号機(島根県)中部電力浜岡4号機(静岡県)。いずれも審査中の沸騰水型炉(全8原発)の中では議論が先行していた。
田中俊一委員長は「(4原発のうち)準備の整ったところから審査を進める。どこが早いか、今の段階では分からない」と 話した。
規制委は会合で、沸騰水型炉の地震・津波分野の審査状況も議論した。石渡明委員は女川2号機について「海洋プレート間地震、プレート内地震に関わる地震動評価と、それに伴う津波評価が大きな論点となる」と指摘。その上で「どの原発も議論が収束しない課題がある。見通しを述べる状態にない」と語った。
女川町商業エリア…自立再建店第1号開店
オープンを祝い、店舗前の特設テントでは、獅子舞団体の相喜会が開店を祝う演舞を披露。その後、再開を待ち望んだ地元住民が店内を眺めながら、お目当ての商品を購入していた。購入者第1号となった女川町荒立の佐藤さん(61)は「昔のようにラジカセを購入できた。どんどん商店が再開してくれれば便利になり、懐かしさも感じられる」と笑顔を見せていた。
店主の鈴木さん(50)は「震災で町は劇的に変わってしまったが、多くの助けで今日の日を迎えられた。女川町を離れた人も“戻ってきたい”と思えるように頑張っていきたい」と喜びと期待を述べていた。
女川駅前の商業エリアには、木造平屋建ての複合施設6棟で構成するテナント型商店街と自立再建店舗が整備される。テナント型は6月2日から工事が始まり、12月中旬の完成を見込む。一方の自立再建事業者も6月から順次着工している。
自立再建事業者たちは、皆で考案した景観ガイドラインに基づき、店舗外観を暖色で統一したり、シンボルツリー設置や緑化も検討。その後、町の公共施設建設アドバイザーやまちづくり合同会社社員らで組織する町駅前商業エリア景観形成協議会の移行組織と事前協議を行い、工事着工や開店準備を進めている。
今月20日には、第2号店として飲食店のオープンが予定されている。
民間の力生かし女川再生を討論
東日本大震災からの復興が進む女川町で6月14日、民間の力を生かしたまちづくりをテーマにパネル討論会があった。町内で復興を支援する企業の幹部らが体験を基に意見を交換した。
「女川フューチャーセンター・カマス」であった討論会には町民ら約70人が参加。キリンの林田昌也執行役員、TOTOの平野氏貞上席執行役員人財本部長、小泉進次郎復興政務官、町民でつくる「復幸まちづくり女川合同会社」の阿部喜英代表社員がパネリストを務めた。
6月にオープンした水産業交流館「あがいんステーション」の開設を支えたキリンの林田氏は「水産加工品のブランド化といった水産業の振興には学ぶ点が多い」と強調。社員が町に常駐するTOTOの平野氏は「人材の多様性が企業には不可欠。復興現場での経験が次の仕事に生かされ、企業も強くなる」と語った。
小泉政務官は「『被災地だから』という言葉を抜きにしても語れる魅力をつくることが女川発展の鍵だ」と訴え、阿部代表社員は「投資してくれた企業の恩に応えたい」と将来のまちづ くりへの決意を語った。
女川再生灯ともす 初の自立再建店あす開店
東日本大震災で壊滅的な被害を受けた女川町の中心部に家電販売店「女川電化センター」が7月1日にオープンする。再生される商業エリアで被災事業者の自立再建は初めて。コンテナの仮店舗で4年間営業し、念願の再出発を迎える。
木造平屋の新店舗は、12月完成のテナント型商店街を含む商業エリアの北西にあり、広さ20坪ほど。テレビや洗濯機、エアコンなど最新式の電化製品が運び込まれ、店主の鈴木さんと妻)は開店準備に余念がない。
先代が1965年に女川港近くで開業した店舗は津波で被災。2011年7月1日、仮設商店街「おながわコンテナ村商店街」で営業を再開した。
販売に加え、修理や工事なども請け負う地域に密着したサービスが、先代から受け継ぐモットー。支え合う人たちが住む町で、懸命に再建を目指してきた。
「生まれ変わる女川のトップバッターとして明るい町づくりに協力したい」。震災を乗り越えた創業50年の節目に、鈴木さんは思いを新たにする。
コバルトーレ女川…勝利で首位保持 無敗継続も2失点
女川は今季新加入した5人を先発に起用。それに応えるように前半19分、DF中津山翔太、MF佐藤明生とつなぎ、ゴール前に抜け出したFW千葉真史が先制弾。25分には主将のFW成田星矢、38分にもMF池田幸樹が得点を挙げ、完璧な試合運びで折り返した。
しかし、後半になると集中力の途切れから12分、ボールを奪われ失点。それでも25分、MF黒田涼太がドリブルからDFを抜き去り追加点を挙げたが、その2分後にも相手に2点目を許した。試合は4―2で勝利したものの、女川は今季8失点目となり上位3チームで最多。残り7試合を残して、すでに昨季の合計失点数に並んだ。
1ゴール1アシストで勝利に貢献した黒田選手は「試合 の終わらせ方が課題。次節は今季ホーム最終戦なので結果はもちろん、魅せるサッカーをしたい」と語った。
女川は次節、7月5日午後1時から、ホームの女川町民第二多目的運動場で、4位の盛岡ゼブラ=盛岡市=と対戦する。
7年越しの荷捌場完成…女川魚市場 主要3種で水揚げ増期待
施設は鉄骨造の開放式で、延べ床面積は約7700平方メートル。中央棟の2・7倍の広さで、入札室や計量室、冷海水施設があるほか、屋上は約140台を停められる駐車場となっている。工事費約16億円などの一部は国の水産流通基盤整備事業を活用した。
竣工式には、町や市場関係者ら約30人が出席。祝い事の際に用いられる魚市場の水色タオルを首に巻いて臨んだ。須田善明町長は「東荷捌場は震災前から計画していたもの。衛生管理など時代の要請に対応していくものであり、水揚げにつながるもの」と期待を寄せた。魚市場の木村稔社長は「本当に立派な施設が完成した。今後新たな荷捌場を活用し、カツオやサンマ、銀ザケの主要3種に力を入れ、水揚げ高100億円を目指したい」と抱負を述べた。