女川 史上最大の復興 -2ページ目

三陸道石巻女川ICが開通 地域振興の起爆剤に

 国交省仙台河川国道事務所と県が三陸自動車道に新設した石巻女川インターチェンジ(IC)と接続道の県道石巻女川インター線が4日午後3時に開通した。これにより、隣接する石巻赤十字病院へのアクセス向上や市街地の交通渋滞の解消、さらには都市圏との交流人口の増加による経済振興が大いに期待される。三陸道で開通済みの区間にICが新設されるのは今回が初めて。
        
 開通に先立ち、午前11時から行われた式典には国や県、市町などの関係者ら約100人が出席した。三浦秀一副知事は「震災復興の大きな弾みであり、地域振興のシンボル」と評し、亀山紘石巻市長も「災害に強い道路ネットワークがまた一歩前進した」と強調した。
       
 また、同ICの名称は当初「石巻北IC」となる計画だったが、地域の要望を踏まえて最終的に「石巻女川IC」に決定。須田善明女川町長はこのことにも触れ、「女川町と石巻東部圏域にとって重要な位置を締める道路。人と経済の交流促進へ、明るい未来のスタートとなる1日だ」と歓迎した。
       
 一方で患者増が見込まれる石巻赤十字病院の金田巖院長は「医療圏の拡大による患者の急増に対し、どのように供給を追いつかせるかは課題だが、期待を裏切らない覚悟で臨みたい」と語った。
        
 式典では近隣の蛇田中学校吹奏楽部の演奏のほか、女川若獅子会による演舞も花を添えた。正午には関係者によるテープカットなどを実施。その後、同ICを利用する地元企業・団体や関係者らがパトカーを先頭にパレードし、沿道では地域住民から拍手が送られた。
        
 石巻女川ICは石巻河南―河北IC間(6・7キロ)の石巻赤十字病院の北側に新設。24年9月に着工し、総事業費は約20億円となった。開通により、同院への緊急輸送やアクセスが向上するほか、企業誘致などを含む産業振興の要にもなる。将来的には1日あたり1万5500台の交通量を見込む。
       
 さらに接続道の県道石巻女川インター線は、延長343メートルの4車線で幅員は26メートル。国道45号、同398号(石巻バイパス)と交わる。
        
 石巻市と女川町を結ぶ石巻バイパス(延長10・8キロ)の整備では、南境工区(2・7キロ)ですでに供用済み。稲井小学校付近までの大瓜工区は(3・4キロ)は29年度末までの完成を予定している。
        
 残る真野工区については、現在女川町の仮設住宅団地があり、事業化を待っている状況。女川町までの4・7キロが整備されれば、同町から三陸道までの所要時間が従来の40分から24分に短縮し、圏域全体の経済交流が一層加速しそうだ。
        

ゆぽっぽ早くも3万人 節目は長野市の保坂さん

 JR女川駅に併設する温泉温浴施設「女川温泉ゆぽっぽ」(吉田支配人)の有料入場者数が29日で3万人となった。オープンから約半年での達成。記念すべき節目は、長野市から訪れた美容師の保坂さんで、須田善明町長から来館証明書と花束が贈られた。
        
 保坂さんの勤務先の美容室では震災後、募金箱を設置。売上金の一部と合わせて直接、自治体へ支援金を届けている。保坂さんは女川町役場へ支援金を届けた後に同施設へ立ち寄った。勤務先の後輩と初めて女川町を訪れたという保坂さんは「魚を食べて、温かい人たちに出会えた。復興が進んでおり、すてきな町になってほしい」と語った。
        
 「ゆぽっぽ」は震災前も女川駅に併設し営業していたが東日本大震災で被災。今年3月に新女川駅とともに再出発し、5月6日には来場者数が1万人を達成。現在は朝から入浴に訪れる町内の常連客や、観光客にも利用される施設となっている。
       
 平日の利用者は約50人だが、今月19―27日のシルバーウイークには最大で約400人が訪れた。また、女川魚市場などの水産関係者も町の施設としてPRに力を入れ、入港した漁船の船員に入浴券をプレゼント。好評を得ており、5万人としている年間目標を上回るペースとなっている。
       
 吉田支配人は「町内外から多くの入場者が来てくれている。12月には駅前に商店街も完成する。玄関口として、しっかりやっていきたい」と語った。
       
 ゆぽっぽの営業時間は午前9時―午後9時(最終入館時間は午後8時半)。第3水曜休み。

サンマ祭りにカツオ登場 鮮度抜群の漁師めし人気

 女川漁港に入港した遠洋カツオ一本釣り船「第八永盛丸」(静岡県戸田船籍)が20日、「おながわサンマ収獲祭2015」の会場となった女川魚市場でカツオのたたき約700食分を無料で振る舞った。
       
 同祭が賑わいをみせるように、現在は「サンマのまち」の印象が強い女川町だが、かつては「カツオのまち」として活気を誇っていた。そのため、カツオ船の大漁旗を懐かしむ地元の人の姿も見られた。
        
 同船は水産庁などによる漁業復興支援事業を活用し、女川には3年連続で入港している。カツオのタタキを求めて列に並んだ人たちは船上で調理された「漁師めし」の新鮮な味に大喜び。このほかカツオやイカの塩辛も提供され好評だった。
        
 同船漁労長の友利さんは「鮮度のよい一本釣りのカツオは、なかなか消費者の口に入らない状況。正真正銘のカツオの味を知ってほしい」と話していた。

引き分けで自力V消滅 コバルトーレ女川

 東北社会人サッカーリーグ1部第16節が20日にあり、前節で初黒星を喫したコバルトーレ女川は、福島県の鳥見山公園陸上競技場で4位のFCプリメーロと対戦した。先制点を許した女川は土壇場に追いつくが、痛恨の引き分け。残り2節で自力優勝が消滅し、リーグ制覇への道は険しくなった。

 女川は終始ボールを支配して有利に進めたが、流れをつかみ切れなかった。試合開始直後にMF黒田のCKがポストを直撃。前後半で5回もポストとバーに阻まれた。前半20分には、相手に唯一許したシュートがゴールに吸い込まれた。

 負ければ優勝がなくなる女川。後半20分ごろ、FW平野を投入し攻勢を強めた。40分にはロングパスに抜け出した黒田が倒されてPKを獲得。これを吉田が決め、1―1の振り出しに戻した。

 女川は終了間際に決定機を迎えるが、得点には結びつかず試合終了。優勝の可能性は残したが、リーグ2節を残して自力優勝は消滅した。

 女川の優勝は、27日のFCガンジュ岩手(1位)対ラインメール青森FC(2位)戦で岩手が引き分け以上となり、女川が残り2試合を連勝することが条件。最終節は岩手との直接対決となる。

 次節は27日午後1時半から、8位のバンディッツいわきといわき明星大学グランドで対戦する。

女川魚市場・新荷さばき場など着工へ

 東日本大震災で被災した女川町の女川魚市場で今月下旬、新施設の建設工事が始まる。2017年3月末にかけ、高度衛生管理に対応する閉鎖型の荷さばき場2棟などを整備。町の水産業の中核施設を再建する。


 新たに建設するのは中央、西の両荷さばき場と管理棟。鉄骨4階で延べ床面積約1万2000平方メートル。既存の中央荷さばき場は解体し、新たに荷さばき場と管理棟を建てる。西荷さばき場は魚市場仮設事務所付近に設ける。総事業費は約60億円を見込む。
 両荷さばき場は鳥獣などが入らないよう壁やシャッターで囲み、衛生管理を徹底。中央は自然換気システムで維持管理費を抑える。


 完成後、中央では養殖ギンザケを軸に取り扱い、西では大型の定置網船を受け入れサバなどを水揚げする。先行して6月に出来上がった東荷さばき場は屋根付きの開放型で、サンマや海外巻き網船の冷凍カツオなどが水揚げされている。
 工事の安全祈願祭は16日、現地であり、町や水産業の関係者ら約50人が出席した。須田善明町長は「町の水産業の復興は道半ば。安全かつスムーズに施工してほしい。高度衛生管理で魚の価値を上げ、好循環をつくりたい」と述べた。
 魚市場の加藤専務は「町の復興に貢献するため、できるだけ多くの漁船を呼び込みたい」と意気込む。

コバルトーレ女川 リーグ初黒星で首位陥落

 東北社会人サッカーリーグ1部の第15節が13日に行われた。首位のコバルトーレ女川は新青森県総合運動公園球技場で、3位のラインメール青森FC=青森市=と無敗同士の上位対決に臨んだ。女川は0―1でリーグ初黒星を喫し、開幕からの無敗は14で途切れた。

 雨の中の試合は前半、女川が青森に押し込まれる展開。それでも35分ごろ、スルーパスからDF木戸優次が相手GKと1対1となるなど決定機も作った。40分ごろには相手にPKを与え、ピンチを迎えたが、GK泉田がファインセーブ。互いに無得点で折り返した。

 均衡が破られたのは後半1分。女川は守備の乱れからボールを奪われると相手FWに先制点を許した。その後は女川が試合を支配する時間が続いたものの崩し切れず。終了間際には長身のDF中津川を前線に送り、パワープレーを仕掛けたが、0―1で涙をのんだ。

 女川は今季リーグ初黒星。開幕からの無敗は14で途絶え、FCガンジュ岩手に首位を明け渡した。残りは3節で最終節には岩手との直接対決も控える。

 阿部裕二監督は「優勝には勝ち続けなくてはいけないということがはっきりした。やるしかない」と前を向いた。

 次節は20日午後2時から、4位のFCプリメーロ=福島県郡山市=とアウェーの鳥見山公園陸上競技場=同県鏡石町=で対戦する。

最下位秋田に10発圧勝 コバルトーレ女川

 東北社会人サッカーリーグ1部の第14節が6日に行われた。無敗の首位を走るコバルトーレ女川は、秋田市八橋運動公園第2球技場で最下位の秋田FCカンビアーレと対戦。FW千葉のハットトリックなどで大量得点を挙げ、クラブの同リーグ最多得点記録となる10―0で圧勝した。

 けがで主将のFW成田を欠いた女川だったが、この日は代わりにピッチに立ったFW千葉が大活躍。前半12分にMF池田の先制点をアシストすると、27分には自らも得点を挙げ、チームを牽引した。

 3―0で折り返して迎えた後半も女川の勢いは止まらず、千葉は6分と39分にも得点。今季チーム初のハットトリックを記録した。さらにFW吉田、MF佐藤がそれぞれ2得点。これに相手のオウンゴールも加え、10―0で完勝した。

 千葉選手(23)は「ハットトリックは素直にうれしい。次節に勝てば優勝が近づくので、勝ち点3にこだわって戦いたい」と見据えた。

 女川は残り4節を残し、13勝1分無敗の単独首位。次節は無敗で3位につけるラインメール青森=青森市=と対戦する。試合は13日午後1時から新青森県総合運動公園球技場でキックオフ。

秋の味覚 お目見え 女川港にサンマ初水揚げ

 全国有数のサンマの水揚げを誇る女川町の女川魚市場で1日、今季初の水揚げがあった。45トンのサンマを積んだ船が着岸すると多くの買受人が港に集まり、トラックなどが何度も往復。女川の港が最も活気づく秋漁シーズンが始まった。初水揚げは昨年より2日早い。

 この日入港したのは北海道根室船籍の棒受網船第2丸中丸(199トン)で、午前5時半から水揚げを始めた。道東沖で漁獲したサンマは、シーズン初めでまだ小ぶりだが、脂の乗りは良い。入札では1キロ当たり450―410円とまずまずの価格で取引され、主に女川町や石巻市の水産加工工場に運ばれた。

 丸中丸の竹内漁労長は「女川では毎年、何度も水揚げをしている。今年は魚群が薄く漁をするのが大変。今後の展開は読めないが、精一杯頑張りたい」と語っていた。

 女川魚市場は平成19年まで金額で8年連続、数量では5年連続で本州1位を記録した屈指のサンマ水揚げ拠点。東日本大震災では壊滅的な被害を受けたが、地盤沈下した岸壁の復旧工事などを進めてきた。その結果、昨年は初めてサンマの水揚げ量が震災前の平成22年を上回った。

 同市場の加藤代表取締役専務は「今は道東沖の漁が中心であり、女川への集中的な水揚げはまだ先。来月にかけてサンマが少しでも早く南下し、長期間にわたり三陸沖で漁場が形成されることを願いたい」と話していた。

コバルトーレ女川 首位独走へ4発快勝 開幕から13試合無敗

 東北社会人サッカーリーグ1部はカップ戦との調整で一部繰り越しとなっていた第10―11節を30日に実施した。単独首位を走るコバルトーレ女川は、アウェーのクレハ総合グラウンド=福島県いわき市=で9位のいわき古河F・Cに4―0で快勝。開幕からの無敗を13に伸ばした。

 試合は守備を固めるいわきに対し、女川がボールを支配する展開。均衡が破られたのは前半22分、スルーパスに抜け出したDF成田が先制。その後、MF池田が2点を追加し、3―0で折り返した。

 後半7分には、コーナーキックのこぼれ球からDF木内瑛が押し込み4点目。その後もセットプレーなどから何度も好機を生んだが、ネットを揺らすことはできず終了。決定力に課題を残しつつも4―0で勝利した。

 攻守で貢献した木内選手(25)は「個人的にはようやく得点できてうれしい。今後もまずは無失点を目標に、チャンスでは得点を狙う」と語っていた。

 次節の第14節は9月6日に実施。女川はアウェーの八橋運動公園第2球技場=秋田市=で午後1時から、最下位の秋田FCカンビアーレと対戦する。

終戦70年 途切れぬ友情 女川町でグレー大尉追悼式

 第2次世界大戦の末期、女川湾海戦で戦死したカナダ海軍のロバート・ハンプトン・グレー大尉の追悼式が25日、女川町地域医療センター敷地内に建つ記念碑の前で行われた。駐日カナダ国防軍武官や駐日カナダ大使をはじめ、町内の関係者らが参列し、哀悼の意を捧げた。

 グレー大尉は、第2次大戦でカナダ人として最後に戦死した海軍将校。戦後、女川町民は大尉を顕彰する活動を行っており、平成元年には町とカナダの友好の証も込めて崎山展望公園内に記念碑を建立。同公園が震災で被災したため、24年に現在地に移設された。

 追悼式では、1分間の黙とう後にマッケンジー・クラグストン大使が「先の大戦から70年の節目。戦争という暴力から町を守ろうとした住民らの気持ちを考えずにはいられない。戦争を経て日本とカナダは世界で最も平和を愛する国となった」とあいさつ。クリス・ディキンソン海軍大佐は「皆さんの強さは復興の力になる」と激励した。

 須田善明町長は「あの苛烈な戦争は自国民のみならず、他国も傷付けた。平和を希求し、皆さんの友情を灯に復興へと歩んでいく」と述べた。その後、代表者らが碑に花束を添えて、静かに手を合わせた。