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中華街の地下トンネル

生島治郎に「傷痕の街」という作品がある。

片脚の主人公が、横浜港を舞台に活躍するハードボイルド小説だ。


大分以前に読んだので記憶が曖昧になっているが、印象に残っている箇所が一つある。

主人公が中華街の黒幕的な人物と対談するのだが、その黒幕がこんなセリフを吐くのだ。


「この中華街の地下に縦横に地下道が走っていると言っても誰も信じないだろう?」


この箇所を読んだ時、これは作者の創作だろうと思った。

物語をおもしろくするために、黒幕にこういうセリフを吐かせたのだろうと考えたのである。

なぜかというと、自分は生まれも育ちも横浜なのであるが、こんな噂話・都市伝説の類いを一度も聞いたことがなかったからである。


だが数年前、「中華街」「地下トンネル」をキーワードに検索をかけたところ、予想に反して関係する記事が引っかかってきた。


記事は複数存在し、「2ちゃんねる」などの匿名掲示板がほとんどであるが、そのもととなるのは2008年1月の産経新聞の報道であるらしい。(下記のサイト参照)

http://unkar.org/r/news/1199522717


産経の記事によると、カリフォルニア州の地方都市フレズノで、寂れたチャイナタウンの地下から塞がれた出入り口や謎の空洞が発見されたのだという。

(地図を見ると、フレズノはロサンゼルスとサンフランシスコの中間辺りに存在している。)

そして、記者は次のように書いている。


「「チャイナタウンの地下世界」は各地のチャイナタウンには必ずといっていいほどありながら、 中国系移民に対する偏見から生まれた都市伝説に過ぎないという見方が支配的だったものが実在したのかどうか、 関心は高まる一方だ。(フレズノ 松尾理也) 」



これを読むと、横浜中華街の地下トンネルの話も生島氏の創作ではなくて、都市伝説のひとつとして密かに流布していた可能性がある。


問題は、地下トンネルが横浜の中華街にも実在するかどうかだが、カリフォルニアでの発見によって、その確率は高くなったと言えるだろう。

だが、たとえ存在したとしても、それを見る方法は現状では皆無に等しい。


結局、「怪奇なロマン」として語り継がれていくのを、なすすべもなく耳にしているほかないのかもしれない。




傷痕の街 (角川文庫)/生島 治郎
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ちょっと変わったお店かしら?

自分が子供の頃、「ちょっと変わったお店かしら?」という名前の居酒屋が近所にあった。


一体、どこがどんな風に変わっているのか気になったが、小学生が居酒屋で一杯やる訳にもいかず、謎は解けなかった。

”大人になったら飲みに行って、どう変わっているか確かめてやる!”

などと思っていたが、大人になる前に無くなってしまった。


もし謎が解けたら、続きを書こうと思う。



太平洋戦争を予言した男

戦前に、太平洋戦争を予言した占い師がいた。

実際にその通りになったので、戦後になってある人が根拠を聞きに行った。


その占い師いわく、

「戦争が始まる前に街を歩いていると、後家相の女性がやけに目に付いた。

天変地異であれば男女の別なく死相が表れていただろう。

未亡人が大勢生まれる、つまり男性だけが大勢死ぬと言うのは、戦争しか考えられない。」



この話は大正生まれの親から聞いた話で、雑誌か何かで読んだらしい。

詳細は不明だが、妙に印象に残っているので書き記して見た。