こんにちは。札幌出身・アメリカ在住の皮膚科専門医/美容皮膚科医の日景聡子です。

 

我が家の給湯は日本のものと全然違い、

お湯をタンクに溜めておく?システムのようで、

長時間お湯を出しておくと枯渇して、冷水になってしまいます。

 

そのため、普段はシャワーばっかりなのですが、

久しぶりに少しだけお湯を溜め、次女がお風呂遊びを楽しみました。

 

お風呂あがりに、「ママ、見て~。手がブニブニしてる~!

と言いながら差し出した手が…

 

 

あらま。

随分楽しかったようですね。

 

手のひらにまでシワが入っています爆  笑

 

顔がここまでシワシワになることってまずないですが(笑)、

今日はこれに関連したお話を。

 

 

フェイススチーマーやローションパックは、やりっぱなしNG

 

皮膚に長時間水分がくっついていると、角質細胞がふやけます。

水を含んで膨張するんですね。

 

そうすると、角質細胞同士の接着が弱くなり、皮膚のバリアがもろくなります。

 

結合が弱くなると、その隙間から肌の内部の水分が蒸発していきやすくなります。

そして、肌表面の水分が蒸発する時に、周りの水分も奪っていくのです。

 

濡れた新聞紙が乾いたら、バリバリになりますよね。

あれと同じことが起こってしまうのです。

 

なので、フェイススチーマーやローションパックをした方が、

「あ~十分に成分がしみ込んだわ~ルンルン」とそのまま寝てしまうと、

次の日の朝が悲惨なことになります。

 

しみ込んだ、と言っても、角質層の部分だけですし、

(パンフレットをよーく読んだらわかります)

 

その角質層が吸い込んだ水分は、周りの水分を道連れにして蒸発していきます。

 

肌が長時間水分にさらされるというのは、本来負担になるのです。

 

飛行機の中で、乾燥対策のためにミスト状化粧水を吹きかけるのも、

残念ながら逆効果です。

 

 

 

もう1つの落とし穴、気化熱

 

次女のお風呂あがり、30分くらいしてから、

手のシワが戻ったかなと思って手を触ると、

ものすごく冷たかったんですよね。

 

そう、水分が蒸発する時、周りから熱を奪っていくんですね(気化熱)。

 

血行を良くしようと、いくら温かい蒸気を顔に当てても、

その水分が蒸発する時に、顔の熱がどんどん奪われていきます。

 

試しに、沸騰しているお湯や加湿器の蒸気に

手の甲を数分間かざしてみるといいです。

 

そのまま水分を拭かないでいると、手が冷たくなってきますよね。

 

「お風呂あがりや汗をかいた後は、すぐに水分を拭きましょう」というのは、

気化熱によって体温が下がらないようにするためです。

 

テレビで美容法の特集をしている時、

タイマー機能のついたフェイススチーマーを枕元にセットして、

顔に温かい蒸気を当てたまま「寝ながらスキンケア」をしている方がいらっしゃいました。

 

しかし、そのまま寝てしまうため、水分は蒸発し、皮膚の温度は下がり…

何のために温かい蒸気を当てたのかわからなくなっていました。。。

 

クリームで保湿して、部屋に加湿器を置いた方が理にかなっています。

 

寝ている間に皮膚の新陳代謝(生まれ変わり)が活発になるので、
それを邪魔しないように気を付けたいですね。

 

いつも最後までお読みいただき、ありがとうございます。
 
Instagram