昨日、化粧品と保湿のお話を書きました。
乾燥肌対策のポイントは、洗いすぎないことというのは、
以前もお話ししましたよね。
特に強いクレンジング(メイク落とし)は、皮膚本来の保湿成分を奪ってしまうのです。
今日は、その構造について見て行きます。
昨日の復習も兼ねて、別なイラストを載せてみます。
次に、角質層をアップにした模式図を載せてみます。
(良いイラストがなかったので、頑張って自作しました)
角質層は、たくさんの角質細胞が並んでできています。
そして、角質細胞の中には、天然保湿因子があります。
角質細胞の間には、角質細胞間脂質があり、角質細胞間を埋めています。
皮膚の細胞は、基底層から生まれて角質細胞になる時に、
アポトーシス(プログラムされた細胞死)を起こしますが、
実際には、皮膚が正常に剥がれるための酵素反応などは起こっています。
ここでは、話をわかりやすくするために、「死ぬ」という言葉を使って表現していきます。
角質細胞がレンガで、
角質細胞間脂質がレンガをくっつけるセメントに例えられることがよくあります。
この模式図は、化粧品のパンフレットなどでも見たことありますよね。
(もっと仕上がりがキレイですが)
図に書いてある通り、皮膚の保湿成分は
②天然保湿因子(NMF)
③角質細胞間脂質
です。
これが、皮膚に水分を保持し、皮膚から必要以上に水分が蒸発するのを防ぎます。
また、外界からの異物をブロックしています。
天然保湿因子には、紫外線吸収能もあります。
ここでポイントになるのは、
皮脂膜は皮脂腺(毛穴にあります)から随時分泌される一方、
天然保湿因子と角質細胞間脂質はすぐには生成されない
ということです。
上の2枚の図をもう一度見てくださいね。
角質層の下には、顆粒層がありますが、
天然保湿因子と角質細胞間脂質は、主にこの顆粒層の成分でできているのです。
顆粒層という名前の由来は、細胞の中に顆粒をたくさん持っているからです。
そして、顆粒層の細胞は、ターンオーバー(皮膚の生まれ変わり)が進むにつれて、
角質細胞に変化していきます(死んでいきます)。
顆粒層の細胞内には2種類の顆粒があるのですが、
天然保湿因子と角質細胞間脂質は、主にこれらが由来です。
1種類は、細胞が死ぬとき(角質細胞になるとき)に、
細胞の外に放出されて、角質細胞間脂質になります。
もう1種類は、そのまま角質細胞内に残り、分解されて天然保湿因子になります。
つまり、皮膚の保湿成分3つのうち2つは、
顆粒層の細胞が角質細胞に変化する時の産物なんですね。
ということは、ターンオーバーの速度に依存していることになります。
さて、ターンオーバーは、いったいどのようになっているのでしょう?
長くなるので、続きはまた明日
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