こんにちは。 札幌出身の皮膚科専門医/美容皮膚科女医のSatokoです。

 

寒くなってきて、暖房が手放せなくなってきました。
この時期の一番の悩みは、乾燥ですよね。
 
■洗いすぎない(顔の場合、洗浄力の強いメイク落としを使わない)
■ぬるま湯で洗う
■しっかり保湿する
 
が基本です。
 
プラスアルファを言えば、角質ケアをしすぎない、
皮膚の保湿成分の原料であるたんぱく質をきちんと食べる、でしょうか。
(その話は、また改めて。)
 
しかしながら、洗いすぎない、という基本を守るのが難しい場所があります。
手ですよね。
 
家事手袋をするとはいえ、外から帰ったら手洗いをしますし、
調理するときは素手の方も多いと思います。
お肉や卵をいじったら手を洗い…結構手洗いの数って多いと思います。
(私は、手が小さすぎて、市販の手袋が難しいです…ショボーン
食器洗う時に何度お茶碗落としたことか)
 
 
手が乾燥してひび割れしてくると、当然痛くて辛いのですが、
手荒れを放置しておくことは、体のためにも良くありません。
 
よく、「エビの殻をむくときに、手が痒くなる」ということ、ありませんか?
手荒れを放っておくと、皮膚のバリアが破壊した場所から魚介類のたんぱく質が入り込み、
アレルギー体質を獲得してしまうことがあります。
 
つまり、今まで大丈夫だったのに、ある日食べたら体が痒くなる、などの症状が出て、
その食べ物が食べられなくなってしまう可能性もあるのです。
食べ物のアレルギーが時に命に関わるのは、ご存じですよね。
 
魚介類に限ったことではないのですが、
皮膚のバリアをきちんと保つことは、アレルギーを予防する上でも大切です。
 
赤ちゃんの食物アレルギーに関しても、食べたことによるアレルギーではなく、
口回りの皮膚炎の部分から食べ物の成分が体内に入っていて、
そこからアレルギーになることがわかってきました。
 
つまり、腸ではなく、皮膚からアレルギーが起こるのではないか、ということです。
 
少し前になりますが、「茶のしずく石鹸」の話、ありましたね。
石鹸に含まれていた小麦に関連する成分が、
洗顔の時に皮膚から入り込んでアレルギーを起こし、
顔が腫れたりかぶれたりするばかりでなく、小麦アレルギーを引き起こした問題です。
 
小麦製品を食べると蕁麻疹、呼吸困難などが出てしまうため、
パスタ、パンなどを食べられなくなってしまった方もいます。
(症状の種類や重症度は個人差がありましたが)
 
手は、いろいろな食材や物に触れる部分なので、
バリアをきちんと整えることがとても大切です。
 
冬は特に、寒いからと熱いお湯で手を洗いがちなので、
保湿をしっかりして乗り切りたいですね。
 
手と一緒に気をかけていただきたい場所があるので、
それはまた次回お話ししますねニコニコ
 
いつも最後までお読みいただき、ありがとうございます。 
 
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