佐藤美樹(さとうみき)のサトミキ☆ブログ -107ページ目

認知症の方および家族の支援について

去年末から、旦那さんが認知症という方からのご相談を受けてきました。
私も何度かあったことがありますが、いたって普通に受け答えはできます。

認知症だとはとても思えないのですが、トイレの場所がわからなくなってしまったり、夜中家を出ていこうとしてしまったりするので、「たえず見ていないといけない」と。
介護認定は受けており(要介護Ⅱ)、ケアマネの契約も去年したそうですが
「相談しやすいケアマネ」に変えたいという要望をもっていらっしゃいました。

普段、子どもに関する相談(保育園入園など子育て支援系はじめ、イジメ問題等々)はよくうけていますが、認知症の方のご家族からのご相談を受けることはこれまでほとんどなかったので
今回いろいろ調べてみました。 

一般的に、こうした認知症の相談については、区ではあんしんすこやかセンターでうけています。
あんしんすこやかセンターには認知症の専門相談員もいるので、この方についても最寄りのあんしんすこやかセンターを紹介し、そこで「ケアマネを変えたい」件含め現状を相談してみてください、と伝えました。
※介護保険のいろはがわかるガイドブック:http://www.city.setagaya.lg.jp/kurashi/105/145/603/608/d00032191.html
 
※あんしんすこやかセンター:
http://www.city.setagaya.lg.jp/kurashi/105/143/567/d00031837.html

・・・が、この方の場合「この事業者だといいケアマネージャーさんを紹介してもらえる」というような事業者の特定を期待していたわけですが、事業者の特定はあんすこでもできないので(近くにあるケアマネを抱える事業者のいくつかを示すことはできる)、「ケアマネ探し」については再びボールが返ってきてしまいました(なので、私が再び、友人をツテに探してみることに・・)。

ケアマネさんを決めて→週1なり認知症対応型のデイサービスなどを利用することを勧められたそうですが、ケアマネが決まらないと前に進まないので、この辺についてもあんすこでやってもらえないんだろうか?!と思うところです。

また、ケアマネや利用するデイサービスが決まっても、この方の場合のように、「夜中、1日でもいいから誰かいてくれて見張ってくれてたら眠れるのだけど・・」というような悩みについて、現行のサービスだと対応するものがない現状(いわゆる「見守り」といわれる部分)。

「見守り」支援について、さまざま区でも検討がされてきているようですが、認知症の家族支援としてもう1歩さらに仕組みがほしいところです。

世田谷区の「一時預かり」のいろいろ

娘が4月から預かり保育のある幼稚園に通うことになり(3月末までの認可保育園は2歳までの園だったため転園しなければならず)、幼稚園の預かり保育だけでは時間的に足りないため、「組み合わせ」で利用できる保育施設を探してきました。

 こういう保育ニーズの場合、いわゆる「一時預かり」という形態になるわけですが、区内にかなりいろいろなサービス・施設があるので、この間得た情報についてまとめてみました。

■区の事業として行っているもの
ほっとステイ--子育てステーション内などで展開しているサービス。事前登録の頻度や、利用できる日時、予約方法が各ほっとステイによってちょっとづつ異なります(委託している法人の運営によるものなので差異がある)。月に8回までしか予約できない。お昼はお弁当を持参。おやつも自前で用意
 ※ほっとステイ:http://goo.gl/AKGdJV

私立認可保育園での一時保育--私立認可保育園に入園する園児たちとまた別枠で定員枠を設けている制度。上記ほっとステイよりは、月単位の利用制限がないため、就労目的での定期的な利用(週3の9-17時とか)も可能。お昼・おやつは通常の園児のこと同じ内容が提供(ただ場所は一時保育の子専用の部屋でとる)。登録制で登録や予約方法が園によって若干異なる。
 ※私立認可保育園の一時保育:http://goo.gl/iOkVDO

③おでかけひろばでの一時預かり(今年度からの新規事業)
今年度から、民間事業者(NPOなど)のおでかけひろばについて、区の補助事業として追加し、一時預かり機能も追加(5月から開始予定)しています。追加になった3つのひろばはこちら↓
 ・きぬたま遊び村http://goo.gl/kJCPK7
 ・キッズスペースぶりっじ@ロカhttp://blog.livedoor.jp/bridgeroka/
 ・北沢おせっかいクラブhttp://osekkai.jimdo.com/


■認証保育所など認可外施設の一時保育:
たいがいの認証保育所など認可外施設でも一時預かり枠を設けているところが多く、区のほっとステイや認可保育所内の一時預かりよりは予約の取りやすいものも。事前登録の有無や予約の取り方、料金はそれぞれ異なります。
友人などから「急きょ手配が必要で」かけこみ寺的に利用できたとして名前が挙がっていたものとして:
 ・マムクラブhttp://maamclub.net/access/index.html
 ・都市型保育園ポポラーhttp://goo.gl/zvCjJE

一時預かりについては、来年4月からの子ども子育て支援新制度でも1つの事業として予算措置がとられており、区も、今後は新設の認可保育園に「5%」程度の一時預かり枠を確保し拡充していく方向です。
でも、先日の子ども子育て支援新制度にむけてのニー
ズ調査では、現状の区の一時預かり事業の実績に対して、ニーズが5倍くらいとギャップがあることがわかっています(ニーズが約58万人/日に対し、25年度実績が約9.5万人/日)。実際ほっとステイや私立認可の一時保育などの利用においては「なかなか予約が取れない」という声もよく聞きます(自分も苦労しています)。この受給ギャップを埋められるのに「5%枠」だけでは到底たりないので、まだまだ他にも何か手を打つ必要がありそうです。
 ※ニーズ調査結果:http://goo.gl/TRg1s4

「准保育士」資格導入に異議あり!

 国の産業競争力会議において、待機児解消の要である「保育士不足」という課題に対して、「准保育士」資格の導入が検討されているとのこと。

「准保育士」資格自体、まだどのような制度にするか詳細未定なようですが、ともあれ民間資格で育児経験がある主婦を対象とし研修などで認定を出すとの方向性。

この動きに対し、「保育園を考える親の会」から昨日、関係所管にむけ反対を唱える意見書が提出され、さまざま記事になっています。
※保育園を考える親の会からの意見書提出について(東京新聞記事):http://goo.gl/XiFZN3

 私も、3歳児の子を認可外保育施設(去年までは認可保育施設)に預ける立場として、
また叔母が松本市の市立認可で40年間保育士を務めてきたこともあり、この「准保育士」資格については大いに疑問を感じ、保育園を考える親の会の意見書の内容には賛同しています。

准保育士資格導入に異議あり!ということで論点をまとめてみました。

■そもそも「保育」と「子守り」は違う
 前述の叔母ともよく話す点なのですが、そもそも「保育」を「子守り」と同じようなものとある種の軽視するような通念が、このような資格導入の前提にあるように思います。
  子どもにとって家庭の次に長くいる場所になるわけですから、「家庭の代わり」の要素は求められど、子ども達に「集団」での行動を通じて、一定の教育を施していくわけですから、相応の専門知識や経験が保育士には求められます。
 国家資格であることを考えれば当然ですが、「保育士」は1つのプロフェッショナルなのであり、それは「子育て経験の延長」とは似て非なるものだという前提をまず持つべきだと思います。

■保育士不足の解決につながらない
 今回この准保育士が検討された背景は、「保育士不足」とのことですが、それならば解決策は准保育士導入ではなくて、これまで子ども子育て支援新制度で議論されてきたように現行の保育士さんたちの「待遇改善」が講じられるべきだと思います。
 それが、財源の関係で実現しないところにもってきて、保育士よりさらに低い給与設定のマンパワーが投入されたら、当然経営しやすくなって保育所は増えるかもしれませんが、保育士さんたちが待遇悪さ故に流出していしまっている現状の解決になりません。
むしろ准保育士に任されない仕事を負うことにより、ますます保育士さんの負荷・責任が増し、その割に待遇はこのままであればより流出につながりかねず、そうなると本末転倒といわざるおえません。

■「女性」の活用→「育児経験を活かす」なのか?
 今回の准保育士資格導入の背景には、保育士不足の課題ともう1つ「女性の活用」の論点もあるとのこと。
 ・・しかし、育児経験のあることを活かすのであれば、女性に限る必要はなく、男性だっていいはず。男性の准保育士は想定していないことにも疑問です。

■新制度での「幼保一体化」「認定こども園の拡充」の方向性にも矛盾では?
 「全てのこどもに等しく教育・保育の場を」というのが、幼保一体のコンセプトでありそれを実現すべく認定こども園制度が議論されてきたはずです。
 冒頭に、「保育も幼児教育の一環である」と書きましたが、その前提でなく保育を「子育て」「子守」の延長と混同させてしまうことは、幼保一体化の方向とも逆行すると思います。

…等々、この資格導入については大いに疑問・異論をもちます。
現行の「保育士」さんがなぜ不足してしまうのか、有資格であり子どもたちに関わることへの情熱や誇りを持ちながらも職業として選択しない・離れる人がなぜ増えているのか、今一度その原点を解決するような方策がほしいと思います。