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「印獣」@パルコのチケット

パルコ劇場のメールサービスで、ねずみ三銃士(古田新太さん、生瀬勝久さん、池田成志さん)の2回目のお芝居の先行発売の案内をもらいましたんで、申し込みをしました。劇場でもらう仮チラシの段階から、観たいなあと思ってました。だって私のお気に入りの3人がまとめて出演されるのだもの、っていう公演ですので、ぜひぜひ当たってほしいです。


日程 2009年10月13日(火)~11月8日(日)
作 宮藤官九郎
演出 河原雅彦

出演 三田佳子、生瀬勝久、池田成志、古田新太、岡田義徳、上地春奈
会場 パルコ劇場



今回は、どうしても観たいので、リスクヘッジのために、


イープラス(09/8/17(月)12:00~09/8/23(日)18:00 プレオーダー受付

http://eplus.jp/sys/T1U14P0010468P002030730P0050001


ぴあ(09/8/21(金) 11:00~09/8/27(木) 11:00 プレリザーブ受付)

http://ent.pia.jp/pia/event.do?eventCd=0931629&afid=605


あたりを併用して、なんとかチケットを手に入れたいと思ってます。



仮チラシのときに、主演・三田佳子さんって書かれていたけど価格の表示がなかったので、チケットの値段が5桁になってしまうのではとヒヤヒヤしてましたげど、発表されたら8,400円という予想外のロープライス。ラッキーって感じでした。


真っ赤な仮チラシが長かったけど、ようやく2つ折りのカッコいい本チラシができましたよね。


そいうえば、今週観に行く「斎藤幸子」@ル・テアトル銀座の演出も河原さんだなあ。

「柳家喬太郎独演会 on 『斎藤幸子』」@ル・テアトル銀座

ル・テアトル銀座で、現在上演中の「斉藤幸子」に出演してる落語家の柳家喬太郎さんが、芝居のセットの使って落語会を開かれるというので出かけてきました。


会場に入ってびっくり。ほんとうにセットの上に高座がつくられてました。そこに牛の着ぐるみに紋付きという姿で喬太郎さんが登場です。


まずは、喬太郎さんの「お菊の皿」

まくらは、落語家になる前に8丁目の福家書店で働いていた。3丁目の「げんない」でバイトをしてたとき、週末に店内で落語会があり時給750円をもらいながら志ん朝師匠以外の大名跡の話を聞けた。銀座とその周辺の京橋、築地、新橋、有楽町の町の違いをネタにけっこうたっぷり。

番長更屋敷の幽霊が、主人を呪い殺してからもまだ出るらしいと見に行くとほんとにいて、その噂が広まって胴元パルコが興行にしてしまうと、幽霊のお菊さんも俗っぽくなって……というお話。最後のお皿の数え方は、ちょっとやり過ぎかも。でも広いホールだとあのくらいの過剰さが必要なんでしょうね。


そのあと瀧川鯉橋さんの「だくだく」


喬太郎さんの「ほんとのこというと」

用意された高座を使わず、舞台のセットをフル活用して熱演されました。彼氏の家に初めて行った彼女が、実は弟が……、実は妹が……などと、打ち明けると彼氏はそれを含めて君だよと受け入れていくが……というお話。

不思議な舞台、いや高座でした。碧いウサギから白いウサギに改名した方のネタをちりばめての熱演を楽しめました。


中入りで15分休憩


三増紋之助さんの「江戸曲独楽」

寄席でもよく見る独楽の芸だけど、今日のお客は初心者が多いと踏んだのか、独楽の説明やら小ネタを連発し、最後は棒の先に独楽を乗せて会場を一周。とっても盛り上がってました。


そして最後は、喬太郎さんの「心眼」

夢オチですが、まるで小説のようにプロットがしっかりしたストーリー性のあるお噺なので、何回聞いても嬉しいです。


喬太郎さん、その他ご出演の方々、お疲れさまでした。芝居のセットで独演会と聞いて、軽く流されてしまうといやだなあと思っていたのですが、演劇系のお客を落語好きにさせるぞっていうくらいバリエーション豊富で気合いが入ってました。800人を前にすれば噺家の血が騒ぎますよね。



そういえば、最初に喬太郎さんの落語を聞いたのも銀座でしたけど、今日の1丁目とは反対側の銀座8丁目。と言っても、博品館ではなく東京銀座資生堂ビルで行われてた「ワードフライデイ」に喜多八師匠と出演されたときでした。5年くらい前かなあ……。対照的はお二人が楽しくて、以来独演会にも寄席にも行ってしまったのでした。


お芝居の「斉藤幸子」は、今週見てきます。そうそう、今日の独演会とお芝居の両方を見る人には、特製『斎藤幸子』もんじゃ焼きセットが会場でプレゼントされました。ごちそうさま。


sati37のブログ-特製『斎藤幸子』もんじゃ焼きセット

「来来来来来」@本多劇場

劇団、本谷有希子の「来来来来来」が掛かっている本多劇場へ私の勤務地から向かうには、渋谷や銀座や三軒茶屋に比べて少し遠いので、19時開演だとちょっとキビシイから、お休みの日の昼公演のチケットをとって観に行きました。


今回は、先行販売のタイミングをすっかり忘れてしまい、一般発売でのチケット購入でしたので、前のほうというわけにはいかずJ列での観劇。でも本多劇場は前方ブロックのA~D列は、最前列以外だと傾斜がほとんどないので、劇団先行でB・C・D列だとけっこうがっかりする。なので、E列とかF列で観たい劇場です。今回のJ列だと、役者さんの顔とかがびみょうに小さいから、やっぱりちょっと遠いなあって感じます。


プログラムは、1,500円。席は満席で、補助椅子がD列の後ろにびっしり出てましたけど、本多劇場名物の座布団階段席はなかったです。お客さんは、定刻の14時にはほぼ入って着席してたけど5分遅れスタート。空調がかなり効いてたので、ジャケットを羽織っての観劇です。


舞台には、網が張られた巨大な小屋のセット。鳥小屋みたいだと思ったらほんとに鳥の飼育場だった。主人公は、りょうさんが演じる自衛隊の隊員だったがお見合結婚で嫁いだ蓉子。木野花さんが義母、長男の嫁を松永玲子さんと、とっても濃い出演者たち。あと、シルエットしか出てこない長男という4人家族。蓉子の夫である次男は、結婚1ヵ月で失踪(というか、嫁を身代わりに逃亡)したらしい。普通なら、とっとと離婚して出て行くだろうと思うんだけど、そこにとどまることで、ずぶずぶと深みにはまっていき……。


一家といえども、血のつながっていない3人の女。


義母は、失踪した夫が戻るのをこの家で待ち続けている、鳥小屋とともに。蓉子のせいで息子が出て行ったと責め続ける義母は、ひたすら尽くす蓉子を決して受け入れようとはしない。

兄嫁は、母親に虐げられて育った夫(長男)の暴力に合いながらも、それに耐えるというより夫を愛している。そして、この家に自分の居場所を確実につくっている。そして、食事当番、鳥小屋の世話、麩工場の仕事、鳥の始末(なぜが義母は鳥小屋の鳥を自分の手で殺し、以降の作業は嫁にやらせる)……を自分の役割をどんどん蓉子に振るわがままさ。


結婚1ヵ月で夫に逃亡された新妻(次男の嫁)蓉子。夫はいつか帰ってくる、逃げずにすべてを受け入れて待とうと心に決めている蓉子は、夫と一度だけ見た鳥小屋のつがいのクジャクが羽根を広げるところを、もう一度みたいと思い続けることで心の平衡を保っている。


そこに絡む3人の女。


近所に住む女子高生は、精神的に不安定だが、表面的には蓉子と気持ちが通じ合っているようにみえる。

従業員の1人は、夫が何年も単身赴任中で義父と二人暮らし。その義父に抱かれたいと迫るが、きまじめな義父

応じない。

もう一人の従業員は、やさしいあそこを持っていて、他人を決して悪く言わず、誰とでも関係してしまうというらしい。



この6人は、それぞれが何かを抱えている。そして、とにかく生きることに関して不器用だ。


ぎりぎりのところでこの6人を乗せた船はバランスをとっているが、それも長くは続かない。そもそものきっかけは、蓉子の夫の逃亡(その理由は、蓉子を除く5人の女たちが、それぞれの立場で語るものの真相はわからない)なのだろうけど、そんななか兄嫁が反乱を起こし、本谷さんらしいイタイ世界が展開される。


麩工場でのエピソードがきっかけとなり、崩壊していくこのスモールワールド。


鳥小屋で起こる、おぞましい倒錯。


そのあと、エンディングへと向かうなかでの、蓉子の決断と行動。


そして、最後におとずれるゆがんだ結末。


そうきたか、っていう、、救うとか、救われるとか、救われたいとか、とはかけ離れた世界。女だけ6人の芝居だから描けたのかもしれない。誰かにすがっている女は弱く見える。誰かに頼っている女も弱く見える。前向きにがんばっている女は強く見える。でも、ほんとうにそうなのか? そうじゃないよ。がんばっている女は、がんばることに依存して弱さ(空虚)を隠してるだけだ。本谷さんは、女を取り上げ、女の心を取り上げ、女の心の闇を鋭くえぐるなかで、男を表面に見せず、男の存在を感じさせることで、今回の物語を成立させたところが、これまでの作品との大きな違いだった。


最後は好みが分かれると思うけど、蓉子の過去が芝居を最後まで観ても、あまりに明らかにならない(あえて、明かしてないのは、蓉子の空虚さを維持するためだろうけど)ことへの、ひとつの答えなんだろうなあと自分に言い聞かせました。


全般的には、りょうさん以外の役者が、過剰な演技をしたのは本谷さんの演出なんだろうけど、ちょっとやりすぎではないかしらと。でも、それぞれが抱えている、あの執着な感じをつくりだすには、あのくらいの過剰さが必要なのかもしれないと、さっきまで思ってたんだけど……、そう感じさせたのは、きっと渡邊琢磨さん(COMBOPIANOでもあり、sighboatのメンバー(まだやってるのかな?))がつくりあげた、あのすごすぎる音楽のせいだ。今わかった。

渋谷のバー

私の本拠地と言いますか、勤務先に一番近い繁華街は銀座なので、いちばん通っているバーは銀座になりますが、芝居のあとに食事をして、最後にカクテルを1杯飲みたいなあっていうときに渋谷だとレパートリーが少なくてたいへんです。お店がないのではなく、私が知らないだけなんですけど。


私がお世話になっているのは、この3軒。


さくっと行くなら、大泉さんのご健在を拝見しに「コレオス」に伺えばいいんでしょうけど、最近はお見かけしないことも多いし……。お店の雰囲気もとっても素敵なんですが、なんか落ち着けない私。「コレヒオ」時代に比べて、店内が明るいからかなあ? なので、このごろ足が遠のいてしまってます。


シャキッと飲むなら、「バー・ロオジエ」にいらした樋口さんの「ル・ザンク」という手があるけど、ちょっと遠いのと、気合いを入れていかないと酩酊してしまう……。あと、なぜか私がアポなしというか、電話をしないで行くと長期休業中にあたってしまうんです(苦笑)。もっとコクーンに近い、材木屋さんのショールームの一角で営業されてたころが懐かしいなあ。


私が知ってる中で、Bunkamuraというかコクーンにいちばん近い店は、松濤倶楽部。もともとは、銀座の「バー・ムサシ」などのオーナーの武蔵さんがいらっしゃったお店です。今は児玉さんがやられている。たしか、児玉さんは、国立の「ヒース」の大川さんのお弟子さん筋だったはず。そういえば、ここにいらした菊地さんは、東京駅の八重洲口にお店を出されただった。伺ってないなあ(汗)。



バーは雰囲気というか気配に慣れるまで、時間がかかるから、教えていただいてもなかなか通えるお店が増えないんですよね。駅の近くにいいお店がないかなあ……。




「兄おとうと」@紀伊國屋サザンシアター

井上ひさしさんの芝居は何回目だろう。もう何年もずっと観てるけど、純粋なこまつ座ってことだと、よく考えたら今年は初めてだと気がついた。だって、去年の暮れの『太鼓たたいて笛ふいて』以来だもの。


5月の『きらめく星座』は、共催とはいえホリプロ主導な感じがありありだった。木場さんはすばらしかったし、元宝塚の方もあとから聞くと大変な状況だったらしいけど、天王洲劇場ってところがそもそもこまつ座っぽくなかった。


『ムサシ』に至っては、こまつ座っていう気配はまるでなかった。萬長さんは沢庵和尚役でシブく出演されてたけど、これは完全に蜷川さんのお芝居だった。最後のオチまでは、とっても楽しく観れたし。


「兄おとうと」は、初めての観劇です。とっても期待して行きました。久々のこまつ座公演のお客さまは、いつものように年齢層高めのご夫婦多し。『兄おとうと』は、これまでに何回も上演されているこまつ座の定番だから、安心して観にいらしているのだろうなあと思うと、こちらの期待も高まります。席は満席です。わくわく。


話は萬長さん演じる吉野作造(戦前に民主主義をとなえた東大教授のえらい学者さん)が主人公。そしてその弟(高級官吏で2回大臣になった)が対となるもうひとつの軸になって、井上さんお得意の音楽劇が繰り広げられます。


まずは、兄31歳、弟21歳のある日。作造はすでに結婚してて、奥さんとお手伝いさんの3人暮らしだが、その日は、東大生の弟が泊まりに来てて、奥さんの妹が上京してて、そのうえ作造の昔からの友人も来ているのであった。作造が翌年から留学する際のパトロンを、友人の父にお願いしに行った際に、友人は奥さんの妹の写真を見て一目惚れ。今日は上京した妹に会いに来たのだ。しかし、その義妹は弟くんと相思相愛だけど、兄も姉もそれに気づいていなかったのだが、それがついに明らかになっていく過程がコミカルに描かれる。


そしてそのあと、弟と妹はめでたく結婚し、弟は高級官吏に。しかしそもそも、この兄弟、10歳の年の差があるから、一緒に寝たことがまるでなく、話したことだってもほとんどない。そんなわけで、この1幕1場のシーンが二人で初めて枕を並べた瞬間なのでした。


次に二人が枕を並べるのは、11年後。そこでは、民主主義を唱える兄夫婦と、高級官吏の弟夫婦が、宿屋に一泊するものの、泥棒に入られて、恩賜(それぞれが東大を首席で卒業した記念)の時計と財布を盗まれる。犯人が自首してきたため、警官が二人のところに盗んだ時計と財布とともに犯人を連れてくると、その境遇(もちろん貧乏で仕方なく泥棒をっていう状況)を聞き、兄はそういうことをしなくてはならない状況をつくる国に落ち度があるって言い切ってしまう。しかし、高級官吏の弟はしたことはしたことだから、罪を償えと言う。ふたりはまるでかみ合わない。そこに妹が切り札を出すことで……。


その3年後、関東大震災のあとに二人が会ったときも、同じようにかみ合わない。ともに日本をよくしようとしているのだが、やりかたがまるで違うから。


2幕のアタマに、新潮社から出てる『兄いもうと』にはないエピソードが追加されてました。きっと再演時に追加されたものでしょう。作造の家が何者かに放火され、弟宅に一時的に居候することになったある日。作造は、原稿を書くため別の場所に泊まっている(っていうか、家族はやっかいになっても、不仲の弟と一緒にいたくない)。その弟宅に説教強盗が押し入ってくる。そこに、兄が忘れ物をとりに訪れ……。


またまた何年かが過ぎ、場所は箱根の温泉宿。いまや次官になった弟が、書類に印鑑を押している。妹(妻)は、せっかく温泉にきたのだから入ろうというが、その気配はまるでない。そこに、兄夫婦が登場。姉妹の企みなのであった。しかし二人の兄弟は完全な平行線=仲違いの議論・議論。他の泊まり客(男)からクレームが付く。いったんは静かになるも、また口論。すると、こんどは別の客(女)からクレームが。そしてそこに、最初にクレームをいいに来た客も現れるが、実はその2人、生き別れ状態だった兄妹で……。ここで、兄弟が少しだけ氷解するエピソードがある。


そして最後はエピローグというか後日譚。兄は亡くなり、弟は大臣に……、箱根で再会した兄妹は戦争の中で死んだと。



ひとつひとつのお話しは、とってもよく書けていて、くすくすって笑えたり、見方の違い(見方のいろいろ)を考えさせられるのだけど、二人の兄弟と二人の姉妹の機微というか、時間とともに醸されてくる年輪みたいなものが伝わってこないような気がしました。決して悪くはないんですけど、なんかエピソードのひとつひとつがつながってなくてぶつ切れだし、主役の萬長さんもいつものようなのびのび・ほのぼのした感じが出てないし……。ちょっと期待しすぎたのかもしれません。時間があったらもう一回観て、どう感じるか確かめたいと思います。


こういうときって、書かないほうがいいのかなあ……。


劇場でもらったチラシから(09年7月22日@SPT)

22日に、内野聖陽さんと伊藤歩さんの二人劇「BLACKBIRD ブラックバード」を観に行ったときに配られたチラシのなかに、いくつか気になる公演がありました。



「国盗人」@世田谷パブリックシアター

「リチャード三世」を河合祥一郎さんが翻案し、萬斎さんが演出・主演した「国盗人」が再演されるようです。時期は、09年12月の上演ですが、日にちは仮日程となっていたので記載しません。

しっかり練り直して、さらなる進化を期待していますので、お二人よろしくお願いします。


「海をゆく者」@パルコ

パルコのウェブには告知が出ていましたが、チラシを初めてみました。アイルランドの劇作家コナー・マクファーソンによる、2006年の作品のようです。

「BLACKBIRD」と同じく、翻訳は小田島恒志さん。演出は栗山民也さん。

男優による5人劇で、出演は、小日向文世さん、吉田鋼太郎さん、浅野和之さん、大谷亮介さん、平田満さん。

09年11月16日~12月8日の上演で、発売は9月中旬とのこと。

パルコでのアイルランドものは、マーティン・マクドナーの脚本を、長塚圭史さんが演出し、白石加代子さんと大竹しのぶさんが火花を散らした「ビューティ クイーン オブ リナーン」以来かしら?


「ガス人間 第1号」@シアタークリエ

自分で書いて、自分で演出にこだわっていた、パイパーの後藤ひろひとさんが、映画の舞台化に初めて挑む。

原作となる「ガス人間 第1号」は、どうやら1960年の東宝特撮映画のようです。しかし、シアタークリエっていうか東宝の舞台を後藤さんが手がけるとはびっくり。

09年10月3日~31日の上演で、8月22日前売り開始とのこと。

出演は、高橋一生さん、中村中さん、中山エミリさん、伊原剛志さん他。

って、うーん観に行くかは微妙だなあ……、気になるけど。



「BLACKBIRD ブラックバード」@世田谷パブリックシアター

22日の夜公演に行ってきました。


席は下手がお得です。


チラシの写真のイメージで行ったので、暗転後に現れたセットにびっくり。


どうみても、工場か倉庫の社員用ロッカールームみたいな場所。天井には裸の蛍光灯が吊ってあって、背景はすりガラスの窓越しに廊下の電気が点いている様子。それと、ショボいノブの付いたドア1枚。部屋の中はというと、センターに置かれている長テーブルの上も、床もゴミだらけ。舞台右手にロッカーが、左手にはソファが置いてある。


そこに2人の男女(もちろん内野聖陽さんと伊藤歩さん)。どうやら女が男を訪ねてきたらしいのだが、男はとっても困惑するとともに拒絶しようとする。男は15年前、当時12歳の少女だったこの女と行き過ぎた関係になり、家から連れ出していたのだ。男は逮捕され、陪審員による裁判で6年の実刑となった。 そして今は、名前を変えて生きている。女は、雑誌に出ていた男の写真を見つけ、それを手がかりに訪ねてきたらしい。


女の目的はなにか?


裁判の記録として残っている事件のあらましは、少女を男がたぶらかし、だまして車で連れ出して、港町のホテルで性行為を強引に行い、そのあと怖くなって逃走したが、最後は自首したというもの。しかしそれは、結果をつなぎ合わせて周囲が作り上げたストーリーにすぎないことが、二人が事件、そして、二人の関係を言葉で振り返るなかでわかってくる。しかし真実までは届かない。なぜならその言葉がほんとうかはわからないのだから。


事件が起こるまで。


少女は男に恋をした。男はガールフレンドがいたけれど少女の気持ちに応えたが、それが純粋な意味での愛だったのかはわからない。少女が家出したとき=男が少女を連れ出したとき、少女は駆け落ち的な感情をもっていたが、男がどうだったのかはわからない(しかし、それが犯罪であることはわかっていたうえで連れ出している)。昼すぎに港町に着いた二人だったが、乗る船の出航は24時。そこで二人はホテルに入る。そしてそこで性交する。そのあと男はタバコを買ってくる、すぐに戻るから部屋で待っていろと言って出かけてしまう。

これが15年前の二人が最後に一緒だったところだ。以降二人は今日まで顔を合わせていない。


離ればなれになってからの顛末。


少女は眠りに落ちて、目覚めたあとにも男は部屋に戻っていなかった。少女は男を探しに町に出る。しかし見つけることができず、ホテルに戻ると車はすでになく、途方に暮れて住人に助けを求め警察に保護される。そして、一緒にいただけでなにも(性交は≒虐待は)されていないというが、薬(精神安定剤? 睡眠薬?)を打たれて検査され、精液が検出される。

男は町に出てタバコを買った後、パブで飲んで現実に戻ったのか不安になり、なかなか部屋に戻れなくなるが、意を決して部屋に戻ったものの、すでに少女はいなかった。彼女を探すために町に出るが、いくつかのトラブルがおこって、車に乗って逃走することになり、翌朝、公衆電話から警察に電話をかけ逮捕された。


15年を経て。


話すなかで、そこには、それぞれが思っていたのとは違う、相手の考え・振る舞い・告白が浮かび上がってくる。どこまでがほんとうで、どこからがまやかしなのか? それはわからない。


そして結末をむかえる。




真実とはなんなのか? いや、はたして真実というものは存在するのか? 台詞の中に、きらびやかな装飾や比喩はまったくないというより、そぎ落とされたソリッドな言葉が行き交う舞台に釘付けになりながら思わずにはいられませんでした。


上演時間は2時間休憩なし。5分遅れで開演して、終演後カーテンコールが2回あって、1階席をほぼ最後に出て、混んでるエスカレータで地上階まで降りて時計を見たら21時ちょっとすぎだったから、正味は1時間45分くらいのはず。


席は1階はほぼ満席。2階3階は空席が目立ちました。そういう状況だからでしょうか、予約特典でプログラムプレゼントっていうのをやってましたが、どこでチケットを買うともらえたんでしょう? それと、リピーター割引っていうチケットを会場で販売していました。こちらはたしか1,000円引き。


プログラムは1,500円、その他にクリアフォルダー(全面印刷だからぜんぜんクリアじゃないですけど)、Tシャツ2種などもありました。


これって、ホリプロの主催公演だったんですね。チラシをよく見てなかったんで行くまで気付きませんでした。


「奇っ怪」@シアタートラム

イキウメの前川知大さんが脚本を手がけた「奇っ怪」を見てきました。

この作品は、小泉八雲の集めた怪談の中から5作品をつかって、話が構成されています。


もともとお寺だったという温泉宿に仲村トオル扮する作家の先生(黒澤)が逗留していて、そこに池田成志(田神)と小松和重(宮地)が湯治客としてやってくる。そして、話し込むうちに、その土地にまつわる言い伝えを互いに語りはじめます。


今回特筆すべきは、その際、語り部と聞き手が次々に入れ替わっていくということ。

ちなみに「奇っ怪」で語られるのは次の作品です。


常識 修行僧の前に夜な夜な普賢菩薩が現れるというが……
破られた約束 病死した妻と再婚しないと約束したけど……
茶碗の中 茶碗に茶を注ぐと自分の姿が映る。意を決して飲んでしまうと……
お貞の話 旅の途中の宿で、死んだ妻にそっくりな女が現れ……
宿世の恋 身分が違いすぎて結婚が叶わず、女は焦がれ死に、夜な夜な男の家を訪れ……


前半の2作品が前振りというか、3人の素性をひもといていく過程になり、そして、後半の3作品間が微妙に絡み合い、また現世の事件と結びつき、小泉八雲に乗っかった前川ワールドが展開されます。


とにかく、すばらしくよかったです。役者陣は、池田さんと小松さんはもとより、イキウメのメンバーもいつもの味を出して生き生きと演じてたし、話の流れが、とっても舞台を意識した構成になっていて、前川さん、作家として一皮むけたなって感じました。それが、小泉八雲からインスパイアされてたまたまのことなのか、ご自身の中で戯曲を書く手応えがあったのかは、8月にパルコで上演される「狭き門より入れ」を見てのお楽しみです。


今回改めて感じたのは、小泉八雲は日本の怪談を収集して、それを自身で書として認めたときに、結末を洋風に転化させているなあということです。「常識」では偉いお坊さんが夜な夜な見ていた普賢菩薩は実は狐だということを、たまたま泊まりにきた猟師が気付いたり、、、「破られた約束」では裏切った夫ではなく、後妻に入った人を呪ったり。


それと蛇足ですが、「宿世の恋」は、8月にコクーンで上演される円朝の名作「牡丹燈籠」とほぼ同じストーリーなので、いのうえひでのり演出の「牡丹燈籠」はどういうふうに展開されるのだろう、なんて思いながら見てました。


とってもリッチな2時間でした。終演後、前川さんが入口のところに立たれていて、気付いたお客さんと話されていたのも好感がもてました。



「アルレッキーノ ~二人の主人を一度に持つと」@世田谷パブリックシアター

前回来日したときの公演を観た方に、おすすめだから観た方がいいよと言われ出かけました。「アルレッキーノ」は、中世イタリアの即興仮面喜劇を復活させたお芝居です。今回は、主役のアルレッキーノを演じる役者が2人来ていて、3日と5日は、アルレッキーノ役者を50年演じているという方が、そして4日は、スピーディでエネルギッシュな演技が持ち味の方が演じられるとのことでしたので、喜劇だから円熟よりスピード重視ということで4日にしました。


入りがぎりぎりになってしまい、チケットをバッグから取り出して入口に向かうと、入って右側のところに野村萬斎さんがいらしてびっくり。そういえば、萬斎さんは、ここSPTの芸術監督だし、今回の公演と先月の「狂言劇場」はシンクロしてるのだから、いらしても不思議はないですよね。ストライプの入ったホワイトスーツ、大きめの襟のシャツを着てました。


席に向かう途中にタイムスケジュールが貼ってあり、終演16時40分とあった。1時間半くらいだろうと思ってたら、休憩込みの2時間40分(汗)。


会場に入ると、舞台の上にもうひとつ簡単なセットの舞台がつくられていて、後ろにはカーテンに背景が描いてあるっていうシンプルなステージが目に入った。シンプルな舞台ほど、役者の技量がストレートに出るものだけど、今日はどうなるんだろう、なんて考えながら席に。入口でもらったチラシをよく見ると、けっこう立派なプログラムが付いている。4500円でプログラム付きなんて、ちょっとラッキーなんて思いながらパラパラめくってると、暗転して始まった。今日は字幕。


役者の一人が、舞台の一番前に置いてあるロウソクに明かりを灯していく。何かをしゃべりながら……。海外の劇団の公演を観るたびに(それは、劇場だけでなく映画でもなんだけど)、あぁあぁ、どうしてもうちょっときちんと外国語っていうやつに、まじめに取り組まなかったんだろうって思う。今さらなんですがね(苦笑)。


お話しは、婚約の場面からスタート。お嫁さんは、親が決めた婚約者がいたのだけど亡くなられ、自分が愛する人との結婚を認められるというところに、私の主人がこの家を訪問したいと言っているという、アルレッキーノが現れる。その主人というのは、名前を聞くと死んだはずの親が決めた婚約者っていうわけで、騒動がはじまります。ほんとうは婚約者の妹がなりすましているわけですが。


一方、アルレッキーノは主人がいるのに、もう一人の主人の召使いになってしまいます。ここで二人の主人という環境ができあがりますが、新しいほうの主人は、先ほどの婚約者の恋人なわけです。こうして、2つの恋の物語が、アルレッキーノの行き当たりばったりないいかげんな行動で、ぐしゃぐしゃに入り乱れていき……。


という感じで前半終了。後半は一気に結末へと向かい大円団(喜劇ですからもちろんハッピーエンドです)。



今回は役者のクオリティの高さにびっくりしました。オーラはとくに誰からも感じなかったけど、……いぶし銀的なうまさをみんながもっているから、芝居がまとまっていました。このチームで、いつも「アルレッキーノ」を演じてるにしてもすごいです。息があってるっていうチームプレイ的なよさ以上に、一人ひとりの役者のメソッドがしっかりしてるというか、役へのこだわりを感じました。あんまりいい言い方じゃありませんけど、劇団系の華はないけど上手くて個性のある役者が総動員されているみたいな感じ。


字幕の位置が高すぎて、首が痛くなってしまいましたので、もう少し低いとこに出してほしかったです。それと、劇中の唄も訳してくれたらなおよかったなあと思いました。


今回は、狂言との関連っていうか、共通点みたいなものをクローズアップしたかったみたいだけど、アルレッキーノは道化そのもののおかしさなので、太郎冠者とはズルさの質が違うかなって。

観てて、あっそうか、ヨーロッパのルネッサンス以降の大衆劇って、シェイクスピアだけじゃなく、ああいう祝祭的な要素があるんだなあって、「間違いの喜劇」と重ねながら観てました。


今回も観れてよかったです。


「潤菜どうしん」@新富町

6月下旬に演舞場で「NINAGAWA十二夜」を観たあとに、新富町の「潤菜どうしん」に行ったのを書き忘れてました。ここは、お野菜にこだわったコース料理がいただける小さな(3卓で10人くらいしか入れないお店)ですので、ゆったりと落ち着いて食事ができると思います。


その日(6月)のメニュー


・ナスのカシューナッツ醤油
・石川芋のみたらし(マスタードで)
・ハマグリのジュレ(地産品のなんとかキュウリと)
・季節の盛り合わせ(10品くらいを少し筒ずつ)
・トマトとセロリの入った飛竜頭のお吸い物
・ボイルした新タマネギを醤醢で(色味にオクラとケシの実)
・タチウオの焼き物
・揚げた丸ナスの湯葉餡かけ(色味に四角豆?)
・土鍋で炊いたショウガごはんと桜エビの味噌汁
・赤パプリカのプリン
・紫イモの羊羹


コースは月替わりなので、このお料理はもう食べれないですけど、おだしと野菜がコラボレートした季節味あふれるコースがきっと味わえます。あわせるお酒として、日本酒、焼酎、梅酒、ビールなどがメニューに載っていましたので、日本酒を冷やでいただきました。私は、勝駒と甚の純米、浅間山の純吟をいただきました。


お料理に関しては個人的な感想になってしまいますけど、揚げた芋に甘いみたらし餡とマスタードのバランスが絶妙だった石川芋のみたらしがおいしかったです。赤パプリカのプリンは、香りを嗅いだ瞬間にコートドールの斉須さんがお作りになられる「赤ピーマンのムース」を想像しましたが、口どけの感じが違いました。お味は、さっぱりとした甘さのなかにパプリカの風味がほのかにしててなかなかでした。


全般的にお醤油の気配を感じることが多かったので、お野菜はお醤油であわせると素材の味が立ってきますけど、それよりもきっとお醤油味が好きな料理人の方なんだなあ、と思いました。


今回は種類が違うとはいえナスが3回(盛り合わせの小ナス含めて)出てきたのはちょっと残念でしたけど、次は野菜が香り立つ真夏に行きたいです。