「9月文楽公演」@国立劇場小劇場のタイムテーブル
今日から東京で文楽公演が始まります。今回は、先月大阪で掛かった新作「天変斯止嵐后晴(てんぺすとあらしのちはれ)」が国立劇場でもお披露目になりますから楽しみです。
第一部は、咲大夫がものすごい気合いでがんばるはず。なので、ちょっとコワいです(苦笑)。
第二部は、チケット完売。だって、沼津の段、竹本住大夫と竹本綱大夫ですもの。
第三部は、「天変斯止嵐后晴」は、シェイクスピアの「テンペスト」を翻案劇。
実は92年に初演された作品ですが、前回公演時はタイムアップで完成までには至らずでしたので、今回、台本、節付けなどを見直したとのこと。
今回は、あの始まりの嵐の部分を、清治さんが新たに作曲した曲で、しかもそれを
舞台正面で六挺の三味線と一面の琴 による迫力ある演奏で奏でられるというのです。
というわけで、 私としては、二部・三部は必見、一部は知り合いに誘われたら行くことにいたします。
公演期間:2009年9月5日(土)~2009年9月23日(水)
会場:国立劇場小劇場
<第一部>
「鬼一法眼三略巻(きいちほうげん・さん・りゃくのまき)」
11:00~12:03 播州書写山の段
[休憩25分]
12:28~12:54 清盛館兵法の段
12:57~14:04 菊畑の段
14:09~14:29 五條橋の段
<第二部>
「伊賀越道中双六(いがごえ・どうちゅうすごろく)」
15:00~16:23 沼津の段
[休憩25分]
「艶容女舞衣(はですがた・おんなまいぎぬ)」
16:38~18:00 酒屋の段
<第三部>
「天変斯止嵐后晴(てんぺすとあらしのちはれ)」
シェイクスピア=作「テンペスト(あらし)」より
山田庄一=脚本・演出、鶴澤清治=作曲
18:30~20:27 天変斯止嵐后晴
2010年1月のコクーンは、「血は立ったまま眠っている」を上演
コクーンの今年の年末年始(12月15日~年1月10日)は、ケラさんの新作「東京月光魔曲」(ただしナイロンではない)で、大晦日にはカウントダウンを行う、スペシャルバージョンを上演するそうですが、年明けの作品が発表になりました。
タイトル:「血は立ったまま眠っている」
作:寺山修司
※この戯曲は、角川から出てる文庫がまだ絶版になってないはず
演出:蜷川幸雄
出演:森田剛(V6)
その他キャストは近日発表
蜷川さんとジャニーズ系の組み合わせは、昨年上演した東山紀之主演の「覇王別姫」以来かしら。
蜷川さん、2月はさいたまで「ヘンリー六世」を大竹しのぶさん主演でやるそうだから、来年も大忙しですね。
ここにきて、寺山さんの作品がたくさん掛かってる。ちょうど今月(9月12日~10月4日)、コクーンのおとなりパルコでは、「中国の不思議な役人」を白井晃さんの演出で上演されるし。
http://www.parco-play.com/web/page/information/fushigi/
でも、この「中国の不思議な役人」でいちばんの驚きは、主演が平幹二朗さんだってこと。
時代は変わったんですね。
「菊地成孔コンサート2009」@オーチャードホールのチケット
おととし、去年に引き続き、今年も12月に菊地成孔さんが、ほとんどクラッシックとかバレエのコンサートしかやらないオーチャードホールではじけるみたいなので、今年もちょっと背筋を伸ばして行こうと思ってます。今年は、2日とも行くなら、Bunkamuraチケットセンターで電話予約すると、ちょっとお得なチケットが出るみたい。前のほうで観たいなあ……。
2009年12月4日(金) 19:00開演
「菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール」
出演:菊地成孔(ts,as)、早川純(ba)、林正樹(pf)、鳥越啓介(b)、堀米綾(harp)、大儀見元(perc)、田中倫明(perc)、吉田翔平(vl.1)、楢村海香(vl.2)、菊地幹代(vla)、徳澤青弦(vc)
2009年12月5日(土) 18:00開演
「菊地成孔DUB SEXTET(ダブ・セクステット)」http://www.ewe.co.jp/dub6/
出演:菊地成孔(ts)、坪口昌恭(pf, Kaoss Pad, "M" operation)、パードン木村(Digital Effects, Kaoss Pad, Handmade Analogue Synthesizer)、類家心平(Trumpet)、鈴木正人(bass)、本田珠也(drums)
スペシャルゲスト:UA
会場:Bunkamuraオーチャードホール
料金:全席指定 ¥6,500 (税込)
2夜連続券 ¥12,000 (税込)
※2夜連続券は限定枚数にてBunkamuraチケットセンター電話予約のみの取扱い。
主催:Bunkamura
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/shosai_09_kikuchi.html
企画制作:EWE
http://www.ewe.co.jp/archives/artist_info/n/naruyoshi_kikuchi/
チケットは、9月12日発売開始。
「狭き門より入れ」@パルコ劇場
うっ、なんかイキウメの前川知大さんのお芝居なのに、どうしてこんなにうら若き女の子が多いの? と会場に入ってびっくりしてしまいました。そうですよね、佐々木蔵之介さんが出演されるのですもの。佐々木さんに見込まれて前川さんがイキウメを離れて作・演出される。楽しみです。
日程:2009年8月17日(月)~9月6日(日)
会場:PARCO劇場
作・演出:前川知大
出演:佐々木蔵之介、市川亀治郎、中尾明慶、有川マコト、手塚とおる、浅野和之
企画:Team 申
企画・製作:株式会社パルコ
舞台には、コンビニというよりも、工場とかにある購買コーナーみたいなチープな売店のセットが全面に置かれている。暗転すると、踏切で電車が通過するときに聞こえるカンカン……という響きと、電車のゴーっていう大きな音が聞こえてくる。照明が灯ると幕が降りていて、後方のコンビニのセットは見えない。ステージには2人の男。どうやら天野(佐々木蔵之介さん)が、ホームでぼーっとしてて、通過する電車に吸い込まれそうになったところを葉刈(亀治郎さん)に助けられたようだ。礼を迫る葉刈だったが、天野の横柄な態度にあきれて、カバンを持って立ち去ろうとするが、それは天野のカバンなのであった。怒る天野とひょうひょうとした葉刈の構図がおもしろい。そして1枚のチラシを渡される天野。そこには「世界の終わりと新たなはじまり。更新の日は近い」と書かれていた。亀治郎さんは、他の役者さんとは違うオーラが出てて濃い感じなので、とにかくやたら怪しい。そこに葉刈の仲間の岸(手塚とおるさん)がさらに妖しく現れて近い将来の予言をするが、天野はどこの新興宗教だとバカにしてまるで信じない。
天野は、会社に与えられたリストラという仕事を淡々進めたものの、周囲との軋轢が生じ自らも会社を辞して、コンビニを経営する実家へ戻る途中だった。情を重んじる父親とは、理詰めで物事を解決しようとする天野は長年仲違いが続いていたが、父が病気で倒れたと聞いて戻る決意をしたようだ。しかし、コンビニは父に似て人情味あふれる弟の雄二(有川マコト)が実務をこなしている。戻ってきた兄を家族愛から受け入れる弟。しかし兄はあいかわらず斜に構えたままだ。
このまま話が進むと単なるホームコメディだけど、これは前川さんの作品だもの、SF的展開がたっっぷり詰まっているのでした。今、この(芝居の)世界では、原因不明のウィルスが地球上を伝播し、すでに3分の1くらいの人々が感染しているらしく、それらの人は眠り続けている、と。
ウィルスの蔓延と葉刈&岸の言う「世界の更新」はどう関係しているのか? 前川流の飛躍が見え始めてきた。今回、前川さんは、どのくらい強引に世界を引き裂くのでしょう。わくわく。
天野が戻った実家のコンビニには雄二の他に2人の男がいた。少年・魚住(中尾明慶さん)と老人・時枝(浅野和之さん)。魚住は店で万引きをしたが、雄二に見つかり二度としないようにと諭されている。時枝は、いつもこの店にたむろしているらしいのだが、天野との因縁もなにかあるようだ。
天野は会社を辞めて、退職金の3000万円をカバンに詰めて戻ってきたことを弟の雄二に告げる。雄二は戸惑いながらもそれを受け入れる。父親と兄の関係が修復されればいいと思ったのかもしれない。兄に店番を任せて子どもを迎えに弟が出かけてしまうと、店にいた2人が動き出す。なんと時枝が魚住にコンビニ強盗をそそのかすのだ。あっさりそれに乗る魚住は、カッターやらエコバックやらをレジ番をしている天野の渡すときに、カッターをかざして「金をエコバックに入れろ」と迫る。バカにして相手にしない天野にキレた魚住は、カッターを握りしめ自傷する。魚住は、驚く天野をレジ台から追い出すと、鍵束からキーを選んでレジに差し込む。すると時空がすべり、あたりは真っ暗となり……。コンビニと、そこに居合わせた3人だけが、今までいた世界とは別の空間に転送されてしまったようだ。そんななか、「俺の目的はレジの金なんかじゃない」と、魚住は天野の退職金が入ったカバンを持って外に逃げていく。
そこに現れたのは葉刈と岸。2人は、2つの空間を行き来できるようだ。どうやら、コンビニは時空をつなぐ出入り口の役割をもっているらしい。曰く、昔は人の集まるところは神社だったから、そこに出入り口があったが今はその役目をコンビニが担っていると言う。そして、天野の父親は、そのゲートの番人をしていたらしい。
そして、このスイッチが入ったほうが、更新された世界だと気づく3人。それは、葉刈と岸の想定より2日ほど早かった。しかし、更新された世界に選ばれる者の選択基準はいまだわからない。しかしそれは利己主義とは遠く離れたところにあるようだ。考える天野と脳天気な2人。その差は結果としてなにを生むのか? 謎が謎を呼ぶ。
そして迎えた終末。天野はどういう行動をとるのか。その行動に対して、弟は兄をどう思うのか。軋んだ関係にある天野と時枝の関係は修復されるのか。更新された世界とはどういう世界なのか。誰が選ばれるのか……。
オチで語りすぎてしまうのは、前川さんの唯一の欠点だといつも思うのですが、その説明こそがSF的な世界を救済してるのかもしれないなあって。
今回もとってもよかったです。プログラムはちょっと高級な1,500円でした。
NODA・MAP、2010年の新作。
先日観劇した「ザ・ダイバー」のプログラムをぱらぱらめくっていたら、最終ページに来年の公演の予告がでていました。
来年の二本はどうなる?
ってことで、
2010年夏、野田秀樹新作 NODA・MAP 第15回公演(於:東京芸術劇場 中ホール)
2010年秋、野田秀樹新作 NODA・MAP 番外公演(於:東京芸術劇場 小ホール1)
が予定されてるみたいなので、今から楽しみです。
その他にも来年は、「農業少女」が2~3月に再演される。
ただし今回の演出は、2000年の初演時に出演した松尾スズキさんで、
出演は、多部未華子さん、吹越満さん、山崎一さん、江本純子さん。
来年は野田作品がたくさん観れそうです。
村上開新堂のクッキー@麹町
「ザ・ダイバー(日本語バージョン)」@東京芸術劇場
昨年、英国公演の後、世田谷パブリックシアターのシアタートラムで英語バージョンで上演された「ザ・ダイバー」を、日本語で、日本の役者で上演するというので行ってきました。
日程:2009年8月20日(木)~9月20日(日) 全38回
会場:東京芸術劇場 小ホール1
作・演出:野田秀樹
出演:大竹しのぶ、渡辺いっけい、北村有起哉、野田秀樹
企画・製作:NODA MAP
制作協力:世田谷パブリックシアター
主催:東京芸術劇場
ロンドンで野田さんが作り上げた作品を、世田谷パブリックシアターが英語のまま輸入して、シアタートラムで上演した「ザ・ダイバー」を、今回、野田さんが芸術監督に就任した東京芸術劇場で日本語で、という流れがスタッフィングからも伝わってきます。
池袋にある東京芸術劇場には、これまで何度か行ったことがありましたが、小ホールというのは初めてです。ガラス張りというかほぼオープンスペースになっている地上階のエントランス空間から、エスカレータを上にではなく地下に降りていくと会場はあります。
小ホール1で上演されるということは、英語バージョン同様、日本語バージョンも、小さな空間で上演するというスタイルが踏襲されているということです。英語バージョンで、キャサリン・ハンターらがつくり出した気配、今回はどう展開されるのでしょうか。とっても楽しみです。
日本バージョンの「ザ・ダイバー」の上演時間は80分。あっという間でした。
「ザ・ダイバー」は、ある陰惨な事件を題材としている。
その事件とは。
愛し合う男と女。しかし、男には妻子があった。男の妻が2人目の子どもを妊娠したとき、女は2度目の中絶をする。そんな二人の関係を知った妻は、夫と関係をもった女へ執拗な精神的攻撃を行う。
男の妻が二人目の子どもを出産し、しばらく時間が経ったある日。女は、子ども二人を残して、夫婦がほんの少し家を離れている間に入り込み、灯油を撒いて火を放つ。子ども二人は、この火事で焼死する。
というもの。
その事件を起こしたあと女(大竹しのぶさん)は、精神の混濁を起こし、いくつもの人格が表出する。拘置所の中では、逮捕された女、警部(渡辺いっけいさん)、検察官(北村有起哉さん)、そして鑑定を依頼された精神科医(野田秀樹さん)で話が進められていく。状況証拠はそろっているが、女は自分が誰かがわからない(そぶりだけかもしれない)状態なので精神科医がアサインされている。
精神科医が女の話を聞いていると、そこに現れるのは、お能「海人」の房前大臣(藤原房前)が幼少のころに亡くした母だったり、「源氏物語」の夕顔や葵の上(と、葵の上に取り憑いた六条の御息所)だったり。女が語る場面では、北村さんが源氏に扮したり、渡辺さんが夕顔の夫の頭中将に扮したりしながら進められる。
そんな、千年も前の人たちが、女の中に現れては消える=追い込まれた現代の女の中に取り憑いている人物と、精神科医が丹念に対話を積みあげ、そして、それを媒介に事件の隠された側面を掘り起こしながら、今となっては科学的ではない=霊があたりまえに身近にいた時代と、あまりにデジタル化された現在をも結びつける。
その中で、野田さんが演じる妻は、人に霊が取り憑いて気持ちを語る、ということの現代版なのでしょうか。そして、「海人」と女が最後に重なる。
とにかくとっても重層的な作りなのです。
私は、前回の英語バージョンを頭におきながら観てしまいましたけど、すごく完成度の高い舞台に仕上がっている公演だなと思いました。ちょっとくらい、大竹しのぶさんの世界に芝居が巻き込まれてしまってたにしても。英語バージョンのキャサリン・ハンターさんの論理的メソッドと、大竹しのぶさんの直感的ともいえる神がかった演技の、どちらが高度に演じられた芸なのかは、私にはわからないですけど、どちらもすごかったです。
「海をゆく者」@パルコのチケット
パルコ劇場やル・テアトル銀座のお芝居のチケットは、私にように伝手のない一般人は、PARCOのチケット会員に登録してしまうのが一番楽にとることができます。というわけで、「印獣」に引き続き「海をゆく者」のチケット予約を本日いたしました。
http://w1.onlineticket.jp/parco/web/index.html
抽選で、いい席が当たるといいなあ。
「海をゆく者」は、ひいきにしてる吉田鋼太郎さんが出演するので観に行くのですが、パルコがセレクトするアイルランドの現代劇は、外れがないので安心です。心配なことといえば、大きく構える舞台をお作りになることの多い演出家さんが、パルコでどういう芝居を観せてくれるのだろうということでしょうか。杞憂に終わるに決まってますが。
公演情報は下記の通りです。
http://www.parco-play.com/web/page/information/seafarer/
公演日程 2009年11月16日(月)~12月8日(火) (11月14日(土)・15日(日)プレビュー公演)
作 コナー・マクファーソン
翻訳 小田島恒志
演出 栗山民也
出演 小日向文世 吉田鋼太郎 浅野和之 大谷亮介 平田満
料金 7,500円(全席指定・税込) プレビュー公演6,500円
学生券4,000円(当日指定席引換・チケットぴあのみ取扱)
※プレビュー公演の学生券取扱はございません。
一般発売日 2009年9月12日(土)
上演時間 約2時間15分(休憩15分含む)予定
アイルランド演劇界をリードする気鋭の劇作家コナー・マクファーソンが、2006年に自らの演出により、ロンドン<ナショナル・シアター>デビューを飾った出世作で、ローレンス・オリヴィエ賞“BEST PLAY”他にノミネートされた傑作ストレートプレイ、『海をゆく者--The Seafarer』。
2007年のブロードウェイ公演もスマッシュヒット!トニー賞”BEST PLAY”他3部門にノミネートされた話題作を、11月、パルコ劇場にて日本初演!!どうぞご期待下さい!
「斎藤幸子」@ル・テアトル銀座
月に2回もル・テアトル銀座に来たのは初めてです。とはいえお芝居のリピートではなく前回は、「柳家喬太郎独演会 on 『斎藤幸子』」にお伺いしたのですけど。
エレベータを降りて、エスカレータに乗って1つ上のフロアに上がって会場に入ると、舞台の上には、上手にホームコメディって書いてあるようなベタなお茶の間+階段+トイレがあり、下手の少し奥まったところにはもんじゃ屋さん「富ちゃん」と「さいとう」が2軒並んでいるセットがドドーンと置かれてます。そうそう今回の舞台は月島なのでした。
この芝居は、斎藤幸子という女性の長い長い回り道の物語で、そのきっかけは高校時代のとある1日にまでさかのぼります。
【転校生と毒蛙】
タイトルロールの斎藤幸子を演じる斉藤由貴さんと父親(きたろうさん)が自宅の茶の間で、他愛もないやりとりをしてるところに、転校生の坂本君(中山祐一朗さん)が訪ねて来ます。彼は山の手から下町に引っ越してきたばかりで、情の厚い隣人含めてのアットホームなこの町の雰囲気にとまどっている様子ですが、幸子に好意を抱いており自宅にまで押しかけているわけです。坂本君は、幸子のお姉さん(弘中麻紀さん)や幸子の人生の師匠であるソープ嬢の美奈子さん(明星真由美さん)、お隣のもんじゃ屋さんの親子(松村武さんと小林健一さん)らにオモチャにされながら馴染んでいきます。このシャイだけど積極的というイジられやすそうな坂本君のキャラを、いつもの独特な舌っ足らずな喋り方で中山さんが熱演します。
そこに幸子が飼っている珍しい蛙を見たいともう一人の同級生・首振り君(鬼頭真也さん)が現れます。彼もまた幸子に好意をもっている様子。しかし、蛙はすでに瓶に開けた大きな穴から逃げ出していて、しかもその蛙が毒蛙だということがわかって大騒動&大捜索が始まります。やがて蛙は見つかりますが、幸子が毒にあたって入院する羽目に。
【真実の愛を求めて】
入院中に人生について考えすぎてしまった幸子は、学校に行かず「人生とは? 幸せとは?」と家に籠もって考える日々が続きます。姉との会話の中で、首振り君と初体験をすませたものの後悔していることや、連日ナンパされてみるものの満たされないという心の揺れを吐露されます。そして、幸子が心配で様子を見に来た坂本君に、姉はニヤニヤしながらそんな近ごろの幸子の行動を耳打ちするします。坂本君はもちろん大ショック(合掌)。
そんなちょっとスサんだ幸子のもとに、産休に入った担任の後任となった澤渡という音楽教師(粟根まことさん)が家庭訪問に現れます。このちょっとキザったらしい教師を粟根さんはちょっとクサめにあざとく演じててはまりすぎです。
で、あろうことか澤渡は幸子に一目惚れし積極的なアプローチをし、幸子もこれこそ真実の愛だと受け入れて大騒動となるけれど、二人は大阪に駆け落ちしてしまうのでした。
【7年後】
何年か振りに帰ってきた幸子だが、澤渡はあとから来ると言いどうも妙な気配だけど、きたろうさん扮する父親は、駆け落ちから7年経ってようやく2人を祝福できる気持ちになったようでプレゼントを用意している様子。しかし、そこに現れたのは澤渡ではなく、大阪で知り合ったという山崎(喬太郎師匠)で、騒動の第二幕が始まるのでした。
澤渡と幸子は大阪に駆け落ちたあと、半年ほどでうまくいかなくなり別居し、幸子はホステスとなり生活してて、山崎とはそこで知り合ったらしく、今回を期に東京に戻って二人で会社を立ち上げると宣言。
そして1年後。最後の騒動が起こり大団円となり、4組のカップルが新たに生まれ、この円環が閉じられるのでした。めでたしめでたし。
昔からぽっちゃり系のアイドルだったけど、久しぶりに拝見した斎藤由貴さんは貫録たっぷりだったんでびっくりしました。それでも女子高生を演じられるかわいさはさすがです。
喬太郎師匠は、初舞台を楽しむというより、めちゃめちゃ緊張しているご様子でした。噺家さんでも、あんなカチンカチンになっちゃうんですね。でもその緊張してる感じが、キザなんだけど悪い人ではないという風情を醸したのかもしれません。
脇を固める役者さんたちが、あて書き? っていうくらいぴったりとはまって舞台を盛り上げてました。河原雅彦さん(もうハイレグじゃないのかしら)の演出の勝利だと思います。先週の日曜日に「柳家喬太郎独演会 on 『斎藤幸子』」を聞きに行ったときに、うわっ、このベタなホームコメディのようなセットで芝居するの? って思いましたけど、今シーズン最良のホームコメディだったかも。
3時間を超える熱演だったので、会場を出たのは10時15分を過ぎてました。終わったあとにお食事をと考えてる方は、銀座で上品にっていうよりも、タクシーか有楽町線に乗って月島へGOのほうをお勧めします。
そうそう、プログラムは確か1,200円。その他のオリジナル物は「斎藤幸子」シールが貼られた「月島もんじゃ」800円がありました。それと「斎藤幸子」と同姓同名の来場者にはプレゼントがあるようで、ロビーには3人の斎藤幸子さんの写真が貼ってありました。
「牡丹燈籠」@コクーン
12日の昼公演で「牡丹燈籠」を観てきました。コクーンというか渋谷に平日の昼間に行くなんて久しぶりでした。ほんと、夏休みだからこそです。とっても暑い日でしたので、東急本店のほうから入らせていただいて、Bunkamuraのほうへデパートの中を歩いていきました。さすがにこの時間のデパートはすいてましたが、Bunkamuraのほうに抜けると一転、人がわさわさとたくさんいて、映画の開演時間とぶつかったのかなと思ったら「奇想の王国 だまし絵展」を観にいらした方たちでした。コクーンに入るところとザ・ミュージアムに降りるエスカレータがクロスするあたりは大混雑で、「だまし絵」展の入場までの待ち時間は25分と出てました。混んでるんだなぁ。
会場に入って、まずはプログラムを購入。シス・カンパニーサイズで、1,000円でした。上演時間をチェックすると、2時間50分で、一部が85分、2部が70分(休憩15分)でした。今回は知り合いにチケットを取っていただいたら、座席はなんとK列センターブロック。座って周りを見回すと、若い女性がとっても多くてびっくり。暎太さんのファンなんでしょう。
コクーンにしては珍しく、ほぼ定刻にはじまると、舞台には一艘の舟が現れる。舟には、寝そべって釣り糸を垂らすもののウキなんてまるで見ていない暎太さん演じる萩原新三郎と、せっかく舟を出したのにとブツブツ言いながら舟を漕ぐ段田安則さん演じる伴蔵が乗っている。
新三郎は浪人だが、親からの遺産の長屋を所有していて金銭的な不自由はしていない。伴蔵は、その長屋に住む店子だが、妻のお峰(伊藤蘭さん)と新三郎の世話をすることで家賃を免除されている。
そして日暮れ。新三郎は急に起き上がると、舟を着けろと言いだす。そこは、旗本・飯島平左衛門の別邸で、娘のお絹(柴本幸さん)と乳母のお米(梅沢昌代さん)が暮らしている。こっそり屋敷に新三郎が上がりこむと、そこにお絹が現れ、再会を喜び合う。そんな逢瀬の最中に、お絹の父親が現れ、家の恥と二人をバッサリと斬り捨てられ……、ってところで、新三郎はこの悪夢から目覚める。夢に見るほど、新三郎はお絹が恋しいのだ。切ない……。
新三郎は、飯島平左衛門の屋敷に出入りする知人に連れられて、初めて飯島家に行ったときにお絹に一目惚れ。そして、お絹も新三郎に一目惚れするのだが、あまりに身分の違う2人は会うことすらできず、お絹は焦がれ死にしてしまっているのだけど、新三郎はそのことをまだ知らない。
後日それを知った新三郎は、以降日々読経をしてお絹の供養をしようとする。そこに、お絹とお米が現れる。2人は死人だが、新三郎はそれに気づかず夜な夜な受け入れる。それをこっそり盗み見た伴蔵が、和尚さんに相談に行くと、このままでは新三郎は取り憑かれて殺されてしまうと言われ、2人が新三郎の家に入ってこれないようにお札とともに純金の仏像を借り受ける。
ここまでは、伴蔵は新三郎のことを想う善人なのだけど、お米に相談を持ちかけられる。お札を剥がしてほしい。そして、新三郎が肌身離さず持ち歩いている仏像をすり替えてほしいと。その話を妻のお峰にすると、死人に恨まれたらこちらが殺されてしまうから、言われたことの対価として百両貰えと言う。
ここから道を外れていく二人。
お絹とお米から百両貰った伴蔵とお峰は、いままで世話になっていた新三郎を裏切り、二人が入れるようにお札を剥がし仏像をすり替える。
そして、お絹が新三郎のもとへ……。
新三郎は非業の死を遂げる。
一方、飯島平左衛門の家でも騒動が起こる。平左衛門はすでに妻を亡くしており、奉公人のお国(秋山菜津子さん)を半ば後妻に据えている。しかし、そのお国は隣に住む次男坊・宮野辺源次郎(千葉哲也さん)と懇ろな関係でもあった。ある日、お国と源次郎が睦んでいるところに平左衛門が帰ってきて鉢合わせ。するとお国は、源次郎に平左衛門を殺してしまえとそそのかす。平左衛門は殺されるが、源次郎も足に深手を負う。そして、お国と源次郎は逃亡する。
ここまでが前半。
そして後半は、伴蔵とお峰、お国と源次郎という2組の男女の、一瞬の成功ときらめき。そして、おとずれる報いが描かれる。
「牡丹燈籠」は、岩波から出てる円朝師の元本も読んだことがあったし、白石加世子さんの百物語でも聞いたし、歌舞伎でも観ているので、いのうえひでのりさんならどう料理するのだろうと楽しみに伺いました。当日は早めに着いたんでプログラムを買って読んだら、何十年も前に書かれた大西信行さんの原脚本どおりにやると書かれていましたんで、???、どうなるのかなあと。
この原作を舞台にかけるためには、場面を減らさないといけないわけだけど、うまーく円朝さんを狂言回しのように出すことで解決してて、さすがだなあと思いました。特に、冒頭の回り舞台を使った釣り舟のシーンから、2人が再会するものの……、のあたりの流れはとってもよかったです。
この話は、ひょんなことから悪に染まるっていうか、踏み外して業を背負ってしまい、因果があるっていう、、、(悪事をはたらいた)生きてる者が結末に向かってどんどん追い込まれていくわけだけど、そういうひしひし感はあんまり迫ってきませんでした。そういうライトテイストな脚本だから、それを生かして演出をされたんでしょうね。
役者さんで予想外だったのは暎太さん。きっと、彼って、これから経験を積んでいくと、どんどん立ち姿が美しくなっていくだろうなって感じました。見てる人は見てるんですね。キャスティングする人たちってすごい。今回実は、そこがいちばん不安だっただけにびっくりしました。よくって。ただ一方で、いのうえさんとのバトルを期待していた段田さんや秋山さんが、あまりに地のままだったのがちょっと残念でした。演出、つけてないのかしらって。
流れがすばらしくよくって、芝居が始まったら、あっという間に3時間が経ってしまいました。


