さて、次はスクリーンの清掃です。


困ったことに、中古屋が保管の時につけたのか、過去に移動させた時なのかは分かりませんが、部品かケーブルを養生テープでスクリーンに止めていたらしく、養生テープの糊がガッチリとスクリーンに付いていました。

(その時の写真を撮り忘れました)

出品者の写真から切り出しました。




このスクリーンは単なる曇りガラスではなく、超微粒子スリガラスと称したスクリーンですので、スクレーパーなどは絶対に使えません。

様子を見るために、シール剥がし剤を塗布し少し置いてから糊を広げない様にキムワイプにも剥がし剤を染み込ませて拭き取り、その後アルコールで剥がし剤を除去、乾燥。




このセットを5センチほどの範囲だけを除去すること繰り返し20数回。


何とか綺麗に糊が除去できました。




除去前の写真撮り忘れが残念。本当にものの見事に養生テープの編み目のような糊跡がくっきりと付着してたんです。


いやー、ほっとしました。


次は、全く動かない対物レンズのターレット部の修理です。

ターレットの位置決めバネを外してプラハンマーで軽く叩いてもびくともしません。おそらく油脂が固まってしまっているのでしょう。


下方から覗き込んだカット。


ターレット中央のネジを外し軽く叩いたらパリッといって外れました。摺動面が油脂でベタベタです。


こちらは対物レンズのマウント面。


あ、あれ⁈

ニコンのFマウントだ‼︎


清掃して摺動面に薄く油を引いて組み立て、無事に回る様になりました。


対物レンズ上方の直角ミラーを覗き込んで撮影。

あ、ちょっと曇りが有りますね。



今回は以上。


次は、デジタルマイクロメーターヘッド(光電式)のカウンター表示器のホルダーの修理です。



では。


続いて電気部分の分解と確認に入ります。


ヒューズは遅延型のガラスヒューズ。断線はしていませんでした。


電源部パネルを開けます。

内側もドロドロですが、本体とパネルとの隙間全てに油が染み込んでいますので全てアルコールで拭います。


電圧変更スイッチのインジケーターと電圧表示位置が合わなかったのですが、このスイッチの下方の黒ポッチはインジケーターの意味をなしておらず、電圧表示は左側の丸コネクタ方向に向けて設定する様です。(間違えるよね。これ220Vや240Vの電源に間違えてセットして繋いだら吹っ飛びます)



内部には巨大な変圧トランスがいました。これだけでも数キログラムはあるでしょう。

トランスの手前はハロゲンランプのランプホルダーです。こちらのランプは下方からの透過光用の光源です。


こちらは落射側(反射側)の光源です。

ハロゲンランプの仕様は

24V 150W G6.35口金


ランプ冷却ファン

落射側のランプはこの左側にいますが、透過光用ランプは遥か下方です。排気により本体下方から空気を吸い込み冷却するようですが、まだ風向は確かめてはいません。


透過光用下方レンズ


アルコールで軽く拭い、ランプホルダー側から仮のLED光を入れてみました。レンズクリーナーで拭けばそこそこ綺麗になりそうです。

90度反射のミラーに破損や腐食は無さそうです。思ったより光学系は大丈夫そうです。

対物レンズが結構汚れていて、中にはハーフミラーが入っているのでそこも心配ですが。


LED光源を動かして状態を確認しました。



とりあえずここまで。


次は円形のガラススクリーンをメンテします。

擦りガラスなんですが、養生テープかガムテープのノリが付着していて、除去に難儀しそうです。



では。

 さてオーバーホールを開始します。


まずはデジタルマイクロメーターヘッドのカウンター表示器。

とにかく本体から何からドロドロなんでアルコールと脱脂剤で拭き拭きします。


カウンターですが、Y軸のリセットボタンの頭が有りません。


カバーを外して中から押し出してスイッチの仕様を調べます。


MULONと書いてあり、これは今のサンミューロン社のです。


PH-M1SK1というモーメンタリの12㎜角形スイッチです。

黒の頭のがweb通販で無かったので本社に電話して商社を紹介してもらい、お見積もり依頼中。


こちらは本体のメインスイッチです。

商品説明で電源が入らない、と書かれていましたが、ロッカースイッチの部分が欠損していますので電源が入らないのは当たり前です。(これらを承知で購入しましたので)


パネルサイズとオリジナルの写真を見比べながら検索。

オムロンのA8A-213-1Gがほぼ同型です。

(回路数は同じですが、端子数が違いますが、機能的には同じ)

パネル穴高さが30.5㎜


パネル穴横幅が22㎜


ただ、IOと書かれている電源スイッチの表示の向きが微妙に違うA8A-213-1Aが安かったので、モノタロウで発注。


フロントパネルごと外します。

M5の六角穴付ボルト4本で止まってます。

(左手は切り欠き穴、右手は丸穴です)


手前に伸びるシャフトはズームシャフト、右手に伸びているのはフォーカスシャフトです。

フォーカスシャフトの先にはヘリカルギアがついており、上下に移動させるスクリューを垂直に回転させ、載物台を上下させてフォーカス調整します。フォーカス調整ダイヤルはスプリングピンでシャフトに打ち込まれてました。


機構部全体の写真。

上の蛇腹はラバーで出来ていて遮光用ですが、油や泥や埃で酷いことになってます。


蛇腹部を外します。前後のM4ネジ2本で止まってます。

蛇腹下部は本体に4本のM4ネジで止まってます。


蛇腹を外したところ。

ごっついアリミゾのテーブル支持部が出てきました。


透過光用の下方からの光路。レンズがドロッドロです。


蛇腹は板金のパネルとリングで固定されています。



続きます…

長らく悩んでいました万能投影機をとうとう買ってしまいました。
Nikon V-12 万能投影機です。
当然中古です。当時価格は200万円オーバーだったようです。

こんなブツです。




やっとwebで見つけた当時のカタログ



重量75kg…

いや実物はもっとありそうです。


測定物を載せる載物台には微動テーブルと回転テーブルもフルスペックで付属。デジタルマイクロメーターヘッドも0.001㎜のがXY軸に搭載。表示器も付属。

レンズが×10と×20の2本で、本当は×50が付いていればなお良かったのですが、まぁそこは中古ですから。


そして引き取り限定ですので取りにいかないとダメです。高さ108cm 約75kg越え…簡単ではありません。


ウチのエブリィで運ぶため、後部座席を外せるように準備、ラッシングベルトやレバーブロック、台車、現地で精密部分やガラススクリーンを外す為の工具を満載して、早朝6:30に出発。途中で助けてくれる同僚と合流しいざ倉庫へ。


いました!


突起部品が多いのでさっそく分解です。


ガラススクリーンを外したところ。

気にしていた内部ミラーに曇りや破損はありませんでした。


構造見ればお分かりになると思いますが、全部が鋳物です。そりゃ光学測定器ですから変形が有ってはなりません。ガチガチの鋳物。

だから超重いんです。


どんどんバラして、車載。結局立てずに寝かしました。後ろのミラーカバー部は分厚い鉄板で出来ていましたのでそのままです。

重かったですが垂直に持ち上げるより滑らしたので遥かに楽に車載できました。



体力使ったので途中で山田うどんへ。

もうよるとしなみなのにこんなメニューを頼んでしまい、翌日まで消化不良に。



後日、オーバーホールを始めます。


では。


今日は安全弁(リリーフバルブ)のレストアです。タンクから取り外し分解したら…

酷い錆び。


バルブシートも結構跡がついています。


分解しました。


錆び取り剤で処理し錆びを剥がしたら、明らかにバネ線の肉が減っています。


こちらなんてもっと酷い。


採寸1


採寸2


バネの腰は多少は残っていますがまともな動作をするとは思えず、危険なのでバネその物を交換する事にしました。

そんなピッタリのバネなんてなかなか無くミスミでオリジナルで作ろうもんなら高額必至。ホムセンで近しいステンレスバネを見つけました。

線径やバネレートはなかなか良かったのですが、自然長が合いません。


なので旋盤で真鍮製のカラーを作成しました。


新しいバネとカラー


バルブ点検の為に手動でバルブを引き上げるためのリングが無かったので、ステムに穴を開けてリングを通します。


これで、安全弁のレストアは完了です。



※安全弁はその名のとおりタンクの破裂を防ぐ為の重要な保安部品です。正しい構造とその動作とリスクを理解しない限り、絶対にマネしないでください。いかなる理由でも当方は責任は負いません。

※新品の安全弁も別に手配しており、今回レストアした安全弁の動作が正しく確認出来ない場合は新品に交換する予定です。でもキチンと圧に対して解放してくれました。


ではまた。


おそらく次回はガスケットシートの作成です。


今日はモータの仮組みと動作確認。

というのもコイルの絶縁がダメだったり、クランクケースやピストンがダメかもしれません。今日の確認作業がキモです。


モータを組み立てる前に起動用コイルのガバナースイッチの接点を確認し、酸化膜を取り除きます。いきなりヤスリで磨いてはいけません。酸化を進めてしまいます。番手の高い細かいサンドペーパーで軽くすります。


接点の溶着跡はありませんでした。


こちらも綺麗。


始動用コイルスイッチは、モータハウジングにこのようなスペーサを介して組まれています。

(M4首下10mm)


開閉器を接続して、軽くテスト。

しかし、ヴーンと唸って起動しません。

起動用コイルに通電されていないような…。



起動用コイルスイッチのアームを少し修正します。


無事、モータがまわりました。

大きな異音もありません。


ここまで来ればまぁ機構的には折り返しでしょうか。手間はこれからの方がかかります。


次に圧力スイッチを確認します。

圧がまだ掛けられないのですが、中身が朽ちていたり錆びていないか、開腹します。

お!綺麗!


こちらが圧力スイッチの接点です。


次にガスケットの採寸。寸法が分かれば良いのでラフに図に起こします。



写真の順番が違いますが、こんな感じで出来るだけ崩さずに剥離。


でも当たり前ですがシリンダ側にものこります。


丁寧に薄刃カッターでガスケットをこそぎます。

油を塗るとガスケットの貼り付いた残りかすが浮き上がるので、丁寧に削ぎ落とします。

綺麗に取れました。あとでリューターで軽く磨きます。



こんなところでしょうか。

錆びて朽ちている部品にそろそろ取り掛かります。これは復元をどうするか考えます。


では。

サビサビのモータ内部。
コイルの絶縁が心配なので、ちょっと作業。

出力軸とは反対のハウジング側から見たコイルです。


なんか汚れが詰まっているような…


錆びの粉もありそうです。


なので、絶縁、固定用ワニスをタップリ目に塗布します。(秋葉原のあのオヤイデさんのです)


事前にブラシやハケで汚れを除き、竹串にワニスを絡ませて、たっぷりと落としていきます。


ハケでも良いのですが塗布する量が拭うと減ったり乾いて硬くなると塗布しずらくハケの後処理も手間なので、私は、小物は爪楊枝、大物は竹串でいつもやっています。


たっぷりと。



ではこのワニスが乾くまでの間に、シリンダーヘッド側ガスケットの剥離作業をおこないます。



結構がっつり張り付いています。張り付くというより接着レベルです。

ガスケット厚みは圧縮して0.65mmほど。

元の厚みは0.8mmではないでしょうか。



ちまちまと薄刃カッターで削ぎ落とし、リュータにラバー研磨を取り付け磨きました。

ほぼツライチです。綺麗に反射しています。


これくらい磨けばガスケットさえしっかりすればガスケット抜けは起きないと思います。



あとは本体のシリンダー側のガスケット剥離ですが、モータと一体なのでちょっと考えます。


では。

このコンプレッサは昔ながらのオイル式。現代はオイルレスタイプもこのサイズくらいから有ります。

そのオイルを抜くのですがドレンプラグがありません。オイルレベルゲージがプラグを兼ねています。
ただかなりな年月が経っているので取り除く時に割れはしないか心配していましたが、ウォータープライヤーに介物をして回したところあっさりとほどけました。


これが出てきたオイルです。もう何がなんだか。まるで麻婆豆腐です。


ここがプラグ兼レベル窓があったところ。


レベルゲージの内側。不純物でびっちりです。


ポンプのクランクがかき回しても波が直接、ゲージ窓に当たらない様にする白い部品はこの黒いケースに押し込めてあります。黒いケースは硬いラバー製ですので、ヒビが入らない様に丁寧にめくって白い部品を外します。親指でエッジ部を擦るようにしながら窓部を押します。


取れました。


ティッシュを押し込みクリーニング。ほんの少しブレーキクリーナーを付けて拭きましたが、赤い丸線が溶けていきます。気をつけて。


綺麗にして組み直しました。


コンプレッサオイルの在庫が有ったはずなのですが見つからず。新しく買いますが、給油してからいきなり回すのではなく、クランクケースの中を新しいオイルで流し出すため、何回か入れ直そうかと。エンジンフラッシングオイルを入れても良いかもしれません。


あとは通販で頼んでいる開閉器(いわゆるスイッチ)などが来ましたら、モータコイルの汚れを取り、場合によってはエナメル絶縁を追加で塗って、コイルの絶縁抵抗を測定したうえで組み上げていきます。


あ、ガスケットを忘れていました。調達します。



では。

つづいてモータ部の確認です。


残念なことにここで作業ストップ。

モータ内部の下方が朽ちています。モータハウジングを外す為にはロングボルトを4本緩めなければなりませんが、元々モータの塗装でネジ頭も塗装されていますが、内部錆びでびくともしません。やり方はありますが暗くなって寒くなってきたので今日はここまで。


作業できる時まで、雨水やゴミが入らない様に封止します。



では、また。

こんどはピストン側です。

ピストンの中央に溝が掘ってありますがこれはリードバルブの逃げです。
幸いシリンダー内面もピストンヘッドも錆びていません。


ドライバの柄でピストンを軽くトントンさせて下げてみます。その前にオイルは壁面に染み込ませておく事です。

たいして酷くは固着もしていませんでした。でもピストンリングの跡が付いています。


モータのローターをドライバで突きながらピストンを上死点へ。

下死点あたりの動きが少し渋かったです。



次に電気関連です。

開閉器はもう完全に錆まみれです。


開けてみました。崩れてきます。


開閉器の中。

右側が給電側(コンセント側)

左側が圧力スイッチとモータとデコンプ駆動バルブに繋がります。

錆びだらけというより朽ちていますので、開閉器は新品に交換予定です。(ケース内部の下方にあるのは錆びて剥がれたケースの屑ですw)


接続の備忘録です。


接続の備忘録2


開閉器の中身。ターミナルのネジなんて錆びてプラスの溝も見えません。



続きます。