英語遊歩道(その35)-「砂の器」(2004年版)-父子逃亡の旅に想うこと | 流離の翻訳者 青春のノスタルジア

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

随分前になるが。英会話のGEOS(2010年経営破綻)に通った時期があった。2003年の半ば頃から2年間ほどである。当時GEOSは小倉駅前の井筒屋コレットビルの10階にあった。

 

NOVAを辞めてブラブラしていた頃、NOVA時代の知り合いから紹介されて入学した。アメリカ人のCという個性的な若い女性教師が今も印象に残っている。

 

先日久しぶりに、そんなGEOS時代の友人と飲んでカラオケを楽しんだ。2年ぶりくらいだっただろうか。同い年だけあって共通の話題も多く思い出話に花が咲いた。また1970~80年代の青春ソングで懐かしく楽しいひと時を過ごした。

 

 

私がGEOSに通っていた2004年、年明けからテレビドラマ(TBS系)で「砂の器」が放映された。今は時の人となっている中居正弘氏が主役の和賀英良を演じていた「彼にもこんなシリアスな演技ができるんだ!」と随分感心させられたものだった。

 

このドラマ「砂の器」はその後DVD化されて何度か借りて観た。やはり種明かしがされる最後の2話(全11話)が印象深い本浦千代吉・秀夫父子の春夏秋冬の逃亡の旅の映像がとても感動的だった。春は桜、夏は海、秋は紅葉に冬は雪、美しい景色のバックで流れる千住明氏のピアノ協奏曲「宿命」が哀しくもあり素晴らしかった。

 

この飲まず食わずの父子逃亡の旅は、秀夫にとっては相当に辛いものであったはずだが、彼は後にそれをとても楽しかったことのように振り返るシーンがある。その部分がずっと私の記憶の中に残っている。

 

 

2010年の秋から約2年間、毎週のように独りドライブに明け暮れた時期があった。車を走らせながら見知らぬ街や景色を眺めていると何となく心が解き放たれていった。その頃の様々な出来事は本ブログで何度も取り上げている。

 

目的地の無いドライブの目的は、一人暮らしの孤独や仕事の辛さ(ストレス)を発散させることだったが、後になって考えてみると、実は「辛かったからこそ楽しかったのだ」と思える部分が結構あった。自分なりに一生懸命生きていた時期だった。

 

テレビドラマ「砂の器」(2004年版)は、そんな一生懸命な頃の自分を思い出させてくれる。