一週間ほど前、山口方面に独りドライブを楽しんだ。高速で下関まで行って国道191号線沿いに山陰線を走った。
豊浦町の「福徳稲荷神社」に立ち寄って今年二社目の初詣を終え、近くの「稲荷茶屋」で昼食をとった。「ちゃんぽんセット」が素朴な味で美味かった。
191号線を右折して内陸部に入り菊川町の「道の駅きくかわ」まで走った。何度も走ったコースである。「道の駅きくかわ」の隣には「小日本ふるさと市」があり産地直送の野菜などが販売されている。
ちょっと覗いてみたが時間が遅かったのか商品がほとんど残っておらず、家内から頼まれた白菜は買えずじまいだった。
「道の駅きくかわ」の近くにはお食事処「ふじ」がある。ここのかつ丼は安くて美味く何度が食べたことがあったが、残念ながら閉店したようで看板も暖簾も外されていた。思い出の店がまた一つ無くなった。何とも寂しいものである。
昨日は昼食を食べようと家内と外出したが「少しドライブしたい」というので、国道322号線沿いを香春町まで車を走らせた。テレビ番組「うどんマップ」で紹介されたうどん店「ドライブインかわら」に立ち寄った。看板には立食いと書かれていたが座席もあった。
少し甘みのある薄い出汁が美味しかった。柔らかくてやさしい味のうどんが印象に残った。昼時は過ぎていたが結構混んでおり、ごぼう天うどんやおにぎりなども売り切れになっていた。朝6:30から営業しているので、次回は平日早めに来てみようと思った。
その帰り道、以前あったラーメン店「珍竜軒」のそばを走ると店の名前が変わっていた。老夫婦がやっていた豚骨ラーメンの老舗で結構美味しく、ドライブの途中に何度か立ち寄ったことがあった。「ここも閉店したのか!」とまた寂しい気持ちになった。
街を走れば走るたびに町並みも建物や店も変わってゆく。そこに住む人々もまた移り変わってゆく。でもそれはどうしようもないことである。
県内、および近隣の県(山口・大分)のあちこちを車で走るようになったのが2010年だから、もう15年になる。色んな道も覚えたし色々な景色にも出会った。好きになった町や場所もたくさんある。立ち寄った店のひとつひとつが思い出になっている。
50代初めから60代半ばまでの私の人生の後半は、翻訳の仕事とそんな思い出の欠片に満ち溢れている。果たしてそれが自分の望んだ結果だったのか?答えは誰にもわからないがそんなことを今も時々考える。