英語遊歩道(その33)-山川出版社「詳説 世界史」-50年ぶりの学び直し | 流離の翻訳者 青春のノスタルジア

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

阪神・淡路大震災からはや30年が経った。震災当時は福岡に住んでおり、ある銀行の本店に勤務していた。1995年1月17日、神戸市をマグニチュード7.3の地震が襲った。地震での死亡者数は約6,500人、この地震で私の銀行の神戸支店も倒壊した。

 

震災の年、年明けの人事異動で本部のある部門の副部長が神戸支店長に異動になった。後に聞いた話だが、その副部長の赴任日が1月17日だった。彼は前日に神戸入りした。その翌朝(赴任日の朝)震災が起きた。「支店に向かうための道が無いどころか、支店自体が無くなっていた(倒壊していた)」状況だったらしい。

 

震災の日の朝、いつも通り自宅でNHKのニュースを見ていた。とくに地震のことは何も報道していなかった。チャンネルを回しているとある映像が目に飛び込んできた。たぶんテレビ東京だ。冷たい灰色の空の下、ある大都市のあちこちから炎と黒煙が上がっていた。また高速道路の一部が破壊されて崩落していた。その映像に目を奪われた。「神戸じゃないか?神戸でとんでもないことが起きている!」と思った。とにかく家を出て駅への道を急いだ。

 

あれから30年、様々な仕事を経験した。翻訳者になって17年になるが今も英語を生業にしている。でも英語の道に進んだのは間違っていなかったと今は思っている。

 

 

ふと、書斎の本棚を眺めると買っただけで読んでいない本が結構ある。そんな中「詳説 世界史B」(山川出版社)が目に留まった。元々は英語版の「英文 詳説 世界史B」を書店で見つけて衝動的に購入、日本語版はついでに購入したものだった。

 

英語版「英文 詳説 世界史B」は、翻訳会社に勤務していた頃に登録翻訳者・通訳者および翻訳・通訳の依頼元(顧客)宛に発信していたメールマガジン(メルマガ)で紹介したものだった。調べると同メルマガの発信が2020年2月、従って約5年、日本語版/英語版ともに書斎で埃を被っていたことになる。

 

今日たまたま手に取って開いたのは日本語版の方だった。巻頭の「世界史をまなぶみなさんへ」を読んでみた。昨今の教科書は随分変わったものである。カラー写真が多いうえに随分読者に優しく(フレンドリー)書かれている

 

私が高校2年に進級した今から50年前の1975年、その年の4月、同じく山川出版社の「詳説 世界史」を初めて読んだ。当時、世界史担当のM先生は思い出に残る教師の一人である。初めて私を勉強の面で褒めてくれた人だったからだ。以後の私の勉強のきっかけを作ってくれた人でもあった。

 

 

今後、時間が許すかぎり高校「世界史」を再勉強してしてみようか、という気持ちになった。「大学入学共通テスト」が終わった今日、そんなことを思った。