大晦日の今日は昨日に比べて少し暖かく穏やかな年の瀬となった。午前中に買い出しを終えて昼食は簡単なもので済ませた。今、家内が台所でお節料理を作っている。
書斎で今年最後の新聞を読みながら、今年最後のブログに何を書こうか考えていた。先日、大学時代の友人から白居易の「香鑪峯下新卜山居草堂初成偶題東壁」を「本歌取り」した漢詩が送られてきた。そこで「これだっ!」と思いついた。
生成AIに「本歌取り」させたらどうなるだろうか?題材でふと思いついたのが柳宗元の「江雪」である。この格調高い詩を生成AIにより現代風にアレンジさせてみよう。
(本歌)
「江雪」 柳宗元
千山鳥飛絶 千山 鳥飛ぶこと絶え
万逕人蹤滅 万逕(ばんけい) 人蹤(じんしょう)滅(めっ)す
孤舟蓑笠翁 孤舟(こしゅう) 蓑笠(さりゅう)の翁
独釣寒江雪 独り 寒江の雪に釣る
(拙・現代語訳)
全ての山々から鳥の飛ぶ姿は消え失せ、あらゆる道から人の足跡も無くなった。雪の降る中、一隻の小舟に蓑笠を着けた老翁が、ただ独り寒々とした川に釣り糸を垂れている。
生成AIのCopilotに「上記の漢詩を本歌取りして現代風にアレンジしなさい。但し、出来上がりは七言絶句とし漢字で韻を踏むこと」と命令してみた。以下が少し手直しを入れた結果である。
(本歌取りの結果)
「デジタル時代の孤独」 Copilot&流離の翻訳者(共作)
千山鳥語声已絶 千山の鳥声語 已(すで)に絶え
城市噪音漸消退 城市の騒音 漸(ようや)く消退す
繁街足音全消失 繁街の足音 全て消失し
独翁静夜釣数据 独翁静夜に 数据(データ)を釣る
(現代語訳)
山々からは鳥の鳴く声が途絶え、都市の騒音も消え去った。また繁華街から人の足音も消え失せた。孤独な老翁が静寂の川辺に佇み、スマホ片手にデジタルの雪を眺めている。独り静寂の中でデータの海に釣り糸を垂れながら。