昨日の日経新聞の1面に、ソニーグループがKADOKAWAの買収に向けた協議に入ったという記事が出ていた。これを受けてKADOKAWAの株価は昨日ストップ高となったようである。
KADOKAWAと言えば、私が高校のころの角川文庫/角川映画を思い出す。角川書店が文芸路線から大衆路線に転換したのは1975年で、私が高校2年の時である。
当時の代表的な作家は横溝正史(1902-1981)、森村誠一(1933-2023)、高木彬光(1920-1995)などである。横溝正史の「犬神家の一族」や森村誠一の「野生の証明」など映画化されて一世を風靡したものもあった。
そんな中、私が愛してやまないものが高木彬光の「白昼の死角」という作品である。原作が1960年で映画化が1979年、同年テレビドラマ化もされている。
舞台は、第二次大戦直後の東京。戦争帰りの東大法学部の学生らを中心とする学生金融会社「太陽クラブ」の残党である天才的詐欺師、鶴岡七郎が、当時整備されていなかった法律の盲点(死角)を突いて手形詐欺などを働き、企業から大金を巻き上げていく実に痛快なストーリーである。
キャッチフレーズは「狼は生きろ。豚は死ね!」。映画版の主役は夏八木勲(1939-2013)、テレビドラマ版の主役は渡瀬恒彦(1944-2017)。BGMはダウン・タウン・ブギウギ・バンド(宇崎竜童)の「欲望の街」。
映画版のDVDは10年以上前に購入して何度も観ている。実に素晴らしい作品である。待ちに待ったテレビドラマ版DVDが昨今発売された。取るものも取りあえず注文し、今は到着を心待ちにしているところである。