英語遊歩道(その15)-「断捨離」(Decluttering)-「黒革のブーツ」の思い出 | 流離の翻訳者 青春のノスタルジア

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

最近下駄箱の戸の閉まりが悪く、中を確認したら古い靴が山ほど詰まっていた。とは言っても大半は家内のもので私のものは数足なのだが。不要な靴を処分する中、東京で働いていた頃に買った黒革のショートブーツが出てきた。

 

今から40年ほど前、1984年頃に買ったものだ。靴の裏に“Pedala”という商標名が記載されていた。ネットで調べるとアシックス製のようである。当時の私の給与からすれば、かなり高かった記憶がある。

 

何故そんなに覚えているかというと、この靴、当時気になっていた女性との最初のデートに履いていったからである。あれからはや40年、今頃彼女は何処でどうしているのやら。

 

今回もこの靴を捨てることはできなかった。東京⇒福岡(博多)⇒北九州と40年間も私の人生に付き添ってきた一足の靴。それもまだまだ履けるものを、無下に「断捨離」というわけにもいかなかった。

 

 

「断捨離」とは、不要な物を「断ち」、「捨て」、物への執着から「離れる」ことにより、生活に調和をもたらそうとするヨーガの思想をいう。断捨離のそれぞれの文字には、断行(だんぎょう)・捨行(しゃぎょう)・離行(りぎょう)の意味がある。

 

・断行: 新たに入ってくる不要な物を

・捨行: 家にずっとある不要な物をてる

・離行: 物への執着心かられる

 

昨今のミニマリスト(モノを減らして必要最低限のもので暮らすライフスタイル)志向や、高齢化が進む中で遺品処分で家族に迷惑をかけたくないなどの考え方とも一致することから、幅広い世代でよく知られた言葉となっている。

 

では「断捨離」を英語ではどう表現するか?「モノを片づける」を意味する動詞を挙げてみる。Put ~ in order, clear away, clean up, tidy up, neaten, spruce up, declutter, ……。ネットで調べると「断捨離」にはdeclutterを使うことが多いようである。これを名詞形にしてdecluttering

 

∴断捨離=Decluttering

 

他にもminimalismdownsizingが使われる場合もあるようである。

 

I found a pair of black leather short boots while I was decluttering my shoe cupboard. I bought them when I was in my twenties and working in Tokyo. They brought back bittersweet memories from 40 years ago.

 

下駄箱を整理していたら、黒革のショートブーツが見つかった。20代の頃、東京で働いていた時に買ったものだ。40年前のほろ苦い思い出が甦ってきた。