新総理、石破茂氏の座右の銘は「鷙鳥不群(しちょうふぐん)」(鷙鳥は群れず)だという。その意味は「鷲や鷹などの猛禽類(鷙鳥)は、雀などの小鳥や渡り鳥のように多数で群れることはせずに単独で行動する」というもので、第二次伊藤博文内閣の外務大臣、陸奥宗光(むつ・むねみつ)が自らの著書の中で用いた言葉らしい。
よく知られた故事成句「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」に近いものがある。これは、燕や雀のような小さな鳥には、鴻(おおとり)や鵠(こうのとり)のような大きな鳥の志すところは理解できない、すなわち小人物には大人物の考えや志はわからない、という意味である。
毎日ウォーキングをするにしても、コツコツと英会話の勉強をするにしても、周りが何と言おうが、ただ直向き(ひたむき)に淡々と自分のために実行していきたいものだが、なかなかそれが難しい。
上記「鷙鳥不群」に通じるところがあるかも知れないが、随分昔にベストセラーになった『極上の孤独』(下重暁子著・幻冬舎新書)に以下の文面があった。著者のアナウンサーやキャスターの経験からか、非常に読みやすい日本語で書かれていて、とくに山口百恵と安室奈美恵を対比させた件など「なるほど…!」と感心させられるところもあった。
一人の時間を孤独だと捉えず、自分と対面する時間だと思えば、汲めども尽きぬ、ほんとうの自分を知ることになる。自分はどう考えているのか、何がしたくて何をすべきか、何を選べばいいか、生き方が自ずと見えてくる。孤独ほど贅沢な愉悦はない。誰にも邪魔されない自由もある。群れず、媚びず、自分の姿勢を貫く。すると、内側から品も滲み出てくる。そんな成熟した人間だけが到達出来る境地が「孤独」である。
(拙・和文英訳)
If you don't think of your time alone as loneliness, but as a time to face yourself, you will come to know your true self, which is never-ending. You will naturally find out how you think, what you want to do, what you should do, what choices you should make, and how to live your life. There is no more luxurious pleasure than solitude. There is also the freedom to not be disturbed by anyone. Don't join the crowd, don't flatter, and stick to your own attitude. Then, elegance will begin to exude from within. “Solitude” is a state that only such mature people can reach.