盆休みが終わり「処暑」も過ぎた。高校野球も終わり夏が終わりに近づいているが、今年の暑さはまだまだ続くらしい。あまり「晩夏」という雰囲気ではないが、祭りの後のような一抹の寂しさを感じる今日この頃である。
「平家物語」-巻第一・祇園精舎・冒頭部(原文)
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理(ことわり)をあらわす。おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者もつひには滅びぬ、ひとえに風の前の塵に同じ。
(現代語拙訳)
祇園精舎の鐘の音は諸行無常(万物が常に変化して少しの間もとどまらないということ)を示す響きがある。釈迦入滅の時に白変した娑羅双樹の花の色は盛んな者も必ず衰えるという道理を示している。栄耀栄華に驕れる者も長くは続かず春の夜の夢のように儚いものである。勇猛な者も結局は滅びてしまう、まさに風の前の塵と同じである。
このような人生・運命などの移り変り(栄枯盛衰)を意味する英単語にvicissitude(s)というやや格式の高い語がある。
Vicissitudes:
You use vicissitudes to refer to changes, especially unpleasant ones, that happen to someone or something at different times in their life and development.
栄枯盛衰とは、誰かや何かの人生や発展において、その時々に起こる変化、特に不快な変化を指す。
Life is subject (or liable) to vicissitudes.
= Life has its ups and downs.
「栄枯盛衰は世の習い」
以下はSad Summerと題する楽曲である。Marat MCはロシアのミュージック・グループである。