英語の迷い道(その183)-杏里「夏の月」 | 流離の翻訳者 果てしなき旅路

流離の翻訳者 果てしなき旅路

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴16年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

最近、ある曲のメロディが繰り返し頭の中で流れている。この曲をよく口ずさんだ頃から6年ほどになる。まだ母が健在で施設に居た頃だった。

 

花が好きだった母が亡くなったのは紫陽花の咲く時期だった。もう5年余りになる。母の日のプレゼントや家内がケーキを焼いて施設に持っていったことを思い出す。はや来年は七回忌か。

 

 

「夏の月」 杏里

 

本を読んでも眠れない夜 あなたの背中を見てた

重い硝子の窓を開けたら 気持ちいい風が吹いた

 

いつからか気がつけば 頬づえついて ぼんやりしている

古い灯台 白い波 光る海 何かを探すように

 

月だけが知っていた 私達のこの恋は

いま小さな花火みたいに ひっそりと終わるの

 

ふたりよく来た葉山の砂に 足跡残し歩いた

ボトルのままの冷えたミネラル おでこにつけて思った

 

優しさも 我が儘も 弱さも全部 わかって私は

あなたを愛し なにひとつ怖くない そんな自分怖くて

 

体の温もりに 変わらないこの暮らしに

甘えあってお互いが だめになってしまうのなら

別々に生きていく だれも知らない明日を

まだ私も知らない私 見つけだしてみたい

 

ふたりきりこのままで 黙ったままで あの星祈ろう

旅路のような長い夜 明けたとき 微笑みあえるように

 

時計を戻しても 悪いところ直しても

きっとふたり同じこと 繰り返してしまうのでしょう

夏の月が見ていた 私達のこの愛は

いま小さな花火みたいに 美しく心に

 

...月だけが見ていた ふたりのこの恋を...。