英語の迷い道(その171)-「童心に帰りたい」という本能と趣味 | 流離の翻訳者 果てしなき旅路

流離の翻訳者 果てしなき旅路

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴16年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

夜は飲むことが多く比較的早く寝る。5時前には目が覚めゴソゴソと書斎に行ってパソコンに向かう。そんな毎日が続いている。

 

久しぶりに翻訳会社の校正のトライアルを受験し昨日提出した。分野は金融・法務で日英、英日の双方向だ。つくづく「自分は翻訳が好きなんだ」と思う。

 

 

気が付けば6月である。5月は何かと忙しかった。こちらの梅雨入りは例年6月4日ごろだが、天気予報によると今年は1週間ほど遅れるらしい。最後の初夏をギリギリまで楽しもう。

 

 

家内は多趣味だ。フラダンス、フラワーアレンジメント、野菜や草花の栽培、料理、英会話。どれにも結構没頭していて、熱中すると時間を忘れるようである。そんな彼女を羨ましく思うこともある。

 

 

以下の、大阪大学/外国語学部の英作文の問題は、「童心に帰りたい」という本能と趣味の関係について述べたものである。「子どものころ、だれでも、ときを忘れるほど夢中になったものがあるだろう。」……。自分にとっては、果たして何だったのか?

 

 

(問題)

次の日本文の下線部(1)~(3)の意味を英語で表しなさい。

 

(1)人はどういうわけか、年齢を重ねれば重ねてゆくほど、「童心に帰りたい」という本能が強まってくるようで、その本能を満足させるために趣味を持つのではないか。そんなふうにも思えてくる。

(2)無心になって没頭できるような趣味を持つ人には、若々しい人が多い。たぶん、そうやって、ちょくちょく童心に帰って遊んでいるから老け込むことがないのではないだろうか。

それはともかく、(3)年をとってから新しいことを始めるよりも、子供の頃に多少なりとも経験していたことを復活させるほうが、抵抗感なく、すーっとその世界に入り込むことができるだろう。また、その趣味を途中で投げだしてしまわないコツになるのではないだろうか。

子どものころ、だれでも、ときを忘れるほど夢中になったものがあるだろう。(いまさら)などと思わずにあのときの心のトキメキを思い出してみよう。

(斎藤茂太『笑うとなぜいいか?』)

(大阪大学/外国語学部・2017年)

 

 

(拙・和文英訳)

(1) For some reason or other, the older people become, the stronger instinct to “go back to childhood” they will have, which would make me think that people may have hobbies to satisfy the instinct.

(2) Many people who have such hobbies that they can devote themselves to look youthful. Maybe, as they often go back to their childhood and play, they don't become old.

In any case, (3) it is better to restore the hobby that you somewhat experienced as a child, rather than to start something new when you become older, which would make you enter the hobby world smoothly without any resistance. Also, it might be a knack not to give up the hobby halfway.

When you are a child, you must have had something that you were so absorbed in as to lose your sense of time. Let's remember the excitement at that time without thinking about it after all these years.