英語の迷い道(その123)-人間にとっての「死の恐怖」-東大・大意要約英作文 | 流離の翻訳者 青春のノスタルジア

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

先日、旧友が東京から来訪してトラフグのコースを堪能した。二次会はカラオケへ。気がつけば42年ほどの付き合いになる。

 

気心の知れあった友人との語らいは楽しいものだ。お互いの良いところ、悪いところを知り尽くしているからか、昔話にも花が咲いた。

 

 

幼い頃「死の恐怖」というものにとりつかれた時期があった。「自分の存在そのものがなくなってしまう」ことに対する恐怖である。結局「死を恐れて生を楽しまず」とならないように精一杯生きることしかこの恐怖から逃れる道はないのであるが……。

 

最近、死の恐怖を感じることは殆ど無くなった。どちらかと言えば「動物的な死の恐怖」を感じることの方が多いかもしれない。以下はそんな「死の恐怖」をテーマとした東大の英作文問題である。

 

 

次の文章は、死に対して人間の抱く恐怖が動物の場合とどのように異なると論じているか。50~60語程度の英語で述べよ。

 

死の恐怖を知るのは人間だけであると考えられる。もちろん、動物も死を避けようとする。ライオンに追いかけられるシマウマは、殺されて食べられるのを恐れて必死で逃げる。しかし、これと人間の死の恐怖は異なる。動物は目の前に迫った死の危険を恐れるだけだが、人間は、遠い先のことであろうが、いつの日か自分が死ぬと考えただけで怖い。人間は、自分の持ち時間が永遠でないことを恐れるのである。

(東京大学・2001年)

 

(拙・解答例)

There is a fundamental difference between an animal's attempt to avoid death and a human fear of death. Animals try to avoid imminent death that they may be killed, but humans fear the vague danger of death that they may die someday in the future. In other words, human beings are afraid that their time is not eternal.

(58 words)