英語の迷い道(その113)-大河ドラマ「光る君へ」-現代語調に想う | 流離の翻訳者 青春のノスタルジア

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

大河ドラマ「光る君へ」を久しぶりに飽きずに観ている。大体2回ほど観ると飽きてしまうことが多いのだが、時代背景が珍しいのか何となく続いている。

 

それにしてもセリフの現代語調がここ数年甚だしい。確かにわかりやすいが真面目さとか格調の高さといったものが損なわれているような気もする。とは言え「おのおの方………」となってしまうと洒落にならない。

 

 

少し調べてみると大河ドラマで初めて現代語調を取り入れたのは「草燃える」(1979年)らしい。北条政子が岩下志麻、源頼朝が石坂浩二という配役だった。私が大学二年時の作品である。

 

 

まあ、実際の古典や中古・近世の日本語(古文)に比べれば、文語調のセリフと言っても全く異なるわけだから、現代語調にしたとしても五十歩百歩だろう。あまり厳密に考える必要はなさそうである。

 

また、今から50年も経てば、昭和の映像も立派な時代劇になるだろうから、我々が話した昭和語も未来の現代人からみれば「古語」になるかも知れない。日本語もどんどん変化してゆくのである。

 

 

回復しつつある胃腸炎をこらえつつ大河ドラマ「光る君へ」を観ていて、そんなことを考えた。