英語の迷い道(その110)-天然温泉の思い出-斜里「カムイワッカ湯の滝」 | 流離の翻訳者 果てしなき旅路

流離の翻訳者 果てしなき旅路

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴16年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

露天風呂ではなく、屋外の天然温泉に一度だけ入ったことがある。北海道・斜里の「カムイワッカ湯の滝」である。時は1980年、季節は夏だった。もう44年にもなるのか。

 

1980年の夏。友人と二人で北海道一周のキャンプ旅行を挙行した。交通手段は友人の車である。とは言え私は当時運転免許を持っておらずナビゲーターに徹した。

 

旅行は7月20日頃から3週間余り。自由気ままな二人旅である。フェリーで京都・舞鶴から小樽へ。札幌を経由して日本海側を北上、稚内、宗谷岬へ。それから太平洋側を南下して知床に向かった。

 

斜里の「カムイワッカ湯の滝」に着いたのは旅を始めて10日目頃だった。駐車場に車を停めて隣の車を見ると……。なんとフロントグラス越しに見覚えのある駐車証を見つけた。京大のものだ。名前を見ると同じクラスの友人だった。「こんな偶然もあるのか……?!」と驚いた。

 

「カムイワッカ湯の滝」は温泉が川になって流れているものだ。流れる温水プールのようなものである。海パンに着替えて川に入った。久しぶりの温水浴(風呂)が心地よかった。

 

北海道旅行を終えて、友人と「20年くらい経ったらもう一度北海道を旅しよう」と約束したが、いまだに実現できないでいる。

 

 

(問題)

世界でただ1つの、猿と一緒に入れる温泉だと聞いて、私は真冬にそこへ出かけた。頭に雪を積もらせながらじっと温泉につかっている1匹の猿は、まるで哲学者のように見えた。人間と猿の違いは、私たちが思っているほど大きくないのでは……という気がふとした。

(京都大学・1997年後期)

 

(拙・和文英訳)

I heard that it was the only hot spring in the world where we can soak with monkeys, so I visited the hot spring in the middle of winter. There was a monkey soaking quietly in the hot spring with snow on his head. Then, he looked like a philosopher. Suddenly, an idea came up to my mind that the difference between humans and monkeys was not so big as we had thought.