今日の日経新聞の【春秋】欄に「恬淡」(てんたん)という熟語がでていた。「心がやすらかで無欲なこと。あっさりしていて物事に執着しないさま。」のことを言う。
「恬」という漢字を漢和辞典で引くと「やすらか。平然として落ち着いている。平気でいる。」とあり、ここに「やすらか」という意味があるようだ。
この「恬」で思い出した人名がある。中国・秦帝国の「蒙恬」(もうてん)という武将である。「世界史用語集」(山川出版社)を引くと「?~前210年 秦の将軍。前215年30万の軍を率いてオルドスに匈奴を討つ。万里の長城修築にも協力。」とあった。
蒙恬は、弟の蒙毅とともに匈奴討伐などに功績を挙げ始皇帝に重用されたが、趙高たちの陰謀によって扶蘇と共に自殺させられた。悲劇の名将と言われている。
昔はこんな人名も楽しみながらよく頭に入ったものだ。
因みに「恬淡」を和英辞典で引いてみると、Unselfish; disinterested; indifferent (to fame) などの形容詞が訳語として挙げられていた。英文例は以下の通り。
She is that rarity among politicians today: a person who is indifferent to power.
彼女は昨今の政治家には珍しく権力に恬淡とした人だ
先日から「京都の歴史を歩く」(小林丈広・高木博志・三枝暁子著/岩波新書)を読んでいる。帯に自宅でめぐる「本当の京都」とあった。自分に馴染みが深い地域を選んで読んでいるが、当地を歩いているような心地になる。
今年はもう無理だが、来年こそは京都を訪れたい。最後に行ってからもう15年になる。