昨日のNHKの番組で葉加瀬太郎氏の「ひまわり」を聴いた。実に懐かしい曲だ。
今から13年前、2010年下半期のNHKの朝ドラ「てっぱん」の主題歌である。その年も今年と同じく猛暑で「9月は夏、10月は残暑」と言われた。
当時は翻訳会社に詰めて勤務し始めた頃で、朝から晩まで英訳と向き合う日々を過ごしていた。慣れない技術英語に目、肩、腰を痛めながら整骨院に通いつつ耐えていた時期だった。
ドラマ「てっぱん」は出勤前のひと時の憩いだった。人々が自由に踊る主題歌「ひまわり」を聴くと何故か明るい気持ちになり「今日一日だけ何とか頑張ろう!」と思えるようになった。
当時、土日になるととにかく車で遠くまで走った。見知らぬ街で見知らぬ店に入ったり、見知らぬ人々と会話することが翻訳のストレスを解消してくれた。「ひまわり」を聴くとそんな苦しかった当時を思い出す。
少し古い問題だが、当時の心境が思い起こされる。
ひとはしばしば、日常生活のわずらわしいしきたりや拘束をのがれて一人でふとどこか遠いところへ行ってしまいたくなる。が、実際にそれができる人はきわめて少ない。ほとんどの場合、ただそうしたいと心に思うだけで実行はできず、したがって思いだけがつのるようになる。
(京都大学 1984年)
(拙・和文英訳)
It is often the case that people feel like getting away from burdensome conventions and restrictions of daily life and suddenly going somewhere far away by themselves. However, there are very few people who can actually do such a thing. In most cases, people just want to do it in their heart, but can't do it, and therefore only the feeling for it grows higher and higher.