旧友たちと話していてよく指摘されるのが「○○!よくそんなこと覚えているなぁ~」である。
高校時代、大学時代、社会人になってからの友人たち皆が言うので、たぶん私は記憶力が良いのであろう。とは言っても、昨日食べたものすら思い出せないこともあるので、あくまで過去の印象的な事柄についてのみのことだと思われる。
何となく、そのときの映像(静止画と動画の中間的なもの=夢のようなもの)が脳裏に浮かぶのである。そんな映像をここ12年ほどブログに書きとめてきたため、記憶がより鮮明になったようである。
ただ、そんな回想の手助けをしてくれているのがネットによる検索である。ネットは思い出を蘇らせてくれる。
以下は、以前に読んだ五木 寛之の「回想のすすめ 豊潤な記憶の海へ」(中公新書ラクレ)からの一節である。やはり回想は楽しいものだ。
回想の引き出しは、ほおっておくとさび付いて開かなくなる。繰り返し、繰り返し、あの引き出し、この引き出しと出し入れしておくことで、時に応じて自然にそのときに必要な思い出が出てくるようになるのだ。
昔のことを考えるのは後ろ向きな行為だからやめよう、などと決めて引き出しにカギを掛けてしまうと、引き出しはさび付いてまったく開かなくなる。そんなことになると、その人はせっかくの貴重な財産を手にすることができなくなり、精神的に貧しい状態に置かれてしまうのではないか。
年を取ればどうしても筋力は衰えるし、反射神経も鈍くなる。回想力も同じで、トレーニングをして鍛えていないと、年々、失われていくことになりかねない。絶えず回想し、それを磨いていくことが大事なのだ。
(五木 寛之「回想のすすめ」より引用)
(拙・和文英訳)
The drawers of reminiscence will be rusted and won’t open if you leave them for a long time. If you use the drawers this and that repeatedly, the memories will naturally be drawn out as needed basis.
If you decide to stop thinking about the past because it's a negative act, and you keep the drawers locked, the drawers will be rusted and won't open at all. In such a case, I think, you would not be able to access your precious properties and would be left in a state of being spiritually poor.
As you get older, your muscular power will inevitably be weakened and your reflexes will become slow. The same is applied to reminiscence, therefore unless you train reminiscence power, you may lose it year by year. It is important for you to practice reminiscence constantly and improve your reminiscence power.