新・英語の散歩道(その44)- Never Give UP!-麻倉未稀「ヒーロー」 | 流離の翻訳者 青春のノスタルジア

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

古書への旅の一環として、梅棹忠夫(1920-2010)著「知的生産の技術」を読み始めた。まだ「はじめに」を読んだところだが、とても1969年の著書とは思えない未来への深い洞察が感じられた。

 

確か、東京で勤務していた頃、同期の部屋で見かけた本である。いずれは読みたいと思っていたものだ。「知的生産」とは梅棹氏の造語で「頭を働かせて何か新しいこと――情報――を人にわかる形で提出すること」を言う。

 

「知的生産」の対立概念に「知的消費」がある。例えばマージャンや将棋を楽しむこと趣味としての読書もこの「知的消費」に当たるらしい。

 

 

 

以下の問題にはたくさんの諺が隠れている。「転ばぬ先の杖」「見る前に飛べ」「失敗は成功のもと」……などなど。全体としては”Never give up!”という趣旨のようである。

 

そろそろ「サクラサク」の時期になった。受験生諸君!!君こそがヒーローだ!!

 

 

(問題)

Ⅲ.次の文章を英訳しなさい。

言うまでもなく、転ばぬ先の杖は大切である。しかし、たまには結果をあれこれ心配する前に一歩踏み出す勇気が必要だ。痛い目を見るかもしれないが、失敗を重ねることで人としての円熟味が増すこともあるだろう。あきらめずに何度も立ち上がった体験が、とんでもない困難に直面した時に、それを乗り越える大きな武器となるにちがいない。

 

(2021年 京都大学)

 

 

(拙・和文英訳)

Needless to say, it is important to keep it in mind that prevention is better than cure. However, it is occasionally necessary to have the courage to take a step forward before warrying about the results vaguely. Indeed such a step may be painful to you, but repeated failures will sometimes ripen yourself as a person. The experience that you have stood up many times without being discouraged must be a strong weapon to overcome unexpected difficulties you will face in the future.