新・英語の散歩道(その24)-旧制・第三高等学校の青春-寮歌「紅萌ゆる」 | 流離の翻訳者 青春のノスタルジア

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

今日は放射冷却で朝方は冷えた。今は風もなく春のような日差しが降り注いでいる。寒さはもう戻らないのか。

 

 

大学一年の頃読んだ「紅萌ゆる」(土屋祝郎著・岩波新書)を復刻版で読んでみた。「本当に一度読んだのだろうか?」と思うほど予想したものとは異なるものだった。

 

旧制・第三高等学校での弊衣破帽の青春を謳歌した内容かと思っていたが、そんな記述はほんの一部だった。

 

昭和初期の日本が初期帝国主義から軍国主義へと進行してゆく中、自由な校風の三高「自由寮」の自由が次第に奪われてゆき、学生運動に飛び込み特高に逮捕され拷問を受け、終には退学へと追い込まれてゆく著者の姿が淡々と描かれていた。

 

大学入学当初の幼い自分にはやや難しすぎたようである。

 

 

 

 

 

現在、早慶など東京の私立大学の入試のピークを迎えている。国公立二次まで残り10日を切った。そんな受験生のために和文英訳にもう一本挑戦する。

 

以下は「京大入試に学ぶ和文英訳の技術」から「旅」に関する問題である。文法的には「比較」に関する表現が書けるかを問うている。大して難しくはない。頑張れ!受験生!!

 

 

 

(問題)

一昨年東欧を旅行した時、ある町の広場とそれを取り巻くもろもろの歴史的建造物が、第二次世界大戦で破壊されたのに、古い写真をもとに完全に復元されたと知って驚きました。私は市民の誇りと情熱に強く心を打たれ、言葉を失いました。この時ほど伝統を守ることの意義を痛切に感じたことはありません。(京都大学・2001年後期日程)

 

(拙・和文英訳)

When I made a trip in East Europe two years ago, I was surprised to know that a square of a city and various historical buildings surrounding it were completely restored to the former state based on old photographs despite the fact that they had been destroyed in the World War II. And, I was impressed so strongly with the citizens’ pride and enthusiasm that I could not know what to say. I never felt the significance of maintaining the tradition more keenly than that time.