今から干支が一回り昔の2011年1月。真冬の海で雄大な景色を見たことがあった。寒空の中、かなり時化た海に夕日が沈んでゆく光景である。場所は福津市津屋崎の海岸。あまりの美しさに車を停めた。
頬に吹きつける風は冷たかったが吹かれるままにして海岸に佇み海を見ていた。何故か心が洗われる気持ちがした。翻訳者としての経験は3年足らず。自分の英文に全く自信が持てずに悩んでいた頃だ。
あれから12年。随分と気持ちも変わったものである。元々英訳に正解など無いのである。原文の日本語の真意を汲みとって適切な名詞や動詞を文法的に正しく使いながら英文を構成すればよい。一つの日本語に対して正しい英訳は複数ある。たったそれだけのことだった。
自分の好きな文体にどれだけ早くたどり着けるか?その一方で、先方(顧客)が指定する文体で英文が書ける能力も必要となる。まあ、ソフトを使えばそんな能力もいらないのかも知れないが、そんな機械的な翻訳に興味はない。
「奇跡の海」
闇の夜空が 二人分かつのは
呼び合う心 裸にするため
飾り脱ぎ捨て すべて失くす時
何かが見える
風よ 私は立ち向かう
行こう 苦しみの海へと
絆 この胸に刻んで
砕ける 波は果てなくとも
何を求めて 誰も争うの?
流した血潮 花を咲かせるの?
尊き明日 この手にするまで
出会える日まで
風よ 私は立ち向かう
行こう 輝きを目指して
祈り この胸に抱きしめ
彷徨う 闇のような未来
風よ 私はおそれない
愛こそ見つけだした奇跡よ
君を 信じてる歓び
嵐は 愛に気づくために吹いてる