先日の日経新聞にこんな記事があった。
レトロ(懐古趣味)とユートピア(理想郷)を組み合わせた「レトロトピア」――。ポーランド出身の社会学者ジグムント・バウマン氏が、2017年の著書「退行の時代を生きる」で世に問うた造語である。
激動の「現在」に強い不安や不満を感じるがゆえに、手探りの「未来」に希望が持てず懐かしい「過去」に楽園を見いだす。
ここ1年半ほど自叙伝らしきものを本ブログで綴っている。内容は小学校時代の1970年代前半から始まりやっと2020年までの50年近くに亙るものになった。
まあ「懐古趣味」と言われればそれまでだが、孔子の「論語」為政扁に「温故知新(故きを温ためて新しきを知る)」という言葉があるように過去を回顧することは決して悪いことではないと感じている。
因みに、バウマン氏の「レトロトピア(Retrotopia)」の定義をネット上で見つけたので拙訳とともに以下に記載しておく。
“Retrotopia” means looking to the past so as to be reassured about an uncertain, troublesome future, where our comfort zones seem threatened by an increasingly diverse world and competing models. A favorable environment in which we can act, secure resources and identify goals in a way that makes us feel safe.
(拙・日本語訳)
「レトロトピア」とは、我々の「安全地帯」(ホッと落ち着ける場所)が、益々多様化する世界や競合するモデルによって脅かされるように感じられる不確実で面倒な未来を再確認するために過去に目を向けることを意味する。我々が安全だと感じる方法で行動でき、資源を確保でき、また目標が確認できる好ましい環境。