何処からともなくブラっとやってくる凄腕のガンマン。決して正義派ではないが、結局そんな風来坊が悪を滅ぼす。だが往々にして風来坊は複雑な事情を抱えている。マカロニ・ウェスタンにはそんなストーリーが多い。
風来坊を英語で vagabond という。定義は以下の通り。
Vagabond:
A vagabond is someone who wanders from place to place and has no home or job.
「町から町へとさすらう住所不定・無職の輩(やから)。放浪者。」
マカロニ・ウェスタン(Macaroni Western)とは1960年代から1970年代前半に作られたイタリア製の西部劇を表す和製英語で、イギリスやアメリカ合衆国、またイタリアではスパゲッティ・ウェスタン(Spaghetti Western)と呼ぶらしい。
このマカロニ・ウェスタン、BGMがとにかくカッコいい。日本の「必殺シリーズ」などはこの影響を受けているように思われる。
主役がフランコ・ネロのものが特に好きだ。「続・荒野の用心棒」(1966年)はあまりにも有名。背景は南北戦争後期の西部か。主人公は北軍の流れ者。愛を失くし黄金しか信じられなくなった男。棺桶に隠した機関銃。墓地での最終決闘。発想も面白い。
また同じ年の「真昼の用心棒」(1966年)。主人公は次男。父親が違う飲んだくれの兄だが実は凄腕。実の父・弟との確執。狂っている実の弟。ちょっと変わった中国人のピアニスト。ネロのアクションとBGMが最高である。
以下は「必殺シリーズ」第一弾の「必殺仕掛人」(1972年)の主題歌「荒野の果てに」と第三弾「助け人走る」(1973年)の主題歌「望郷の旅」である。何となくイメージが似ている。