秋月は、筑前の小京都とも呼ばれる静かな城下町である。
「三連水車の里あさくら」で果物や野菜を買い込んだ帰りに短い時間立ち寄ってからもう3年になる。武家屋敷の佇まいの中、少しだけ色づいた紅葉と清流のせせらぎ、石畳に響く寺の鐘の音が消えたとき、暫し時が止まったような錯覚を覚えた。
「秋月レトロ市」と称する骨董・アンティークモールが常設されており20店ほどが出店している。これらを巡るのも楽しい。骨董店で値切って買った火鉢は、庭で植木鉢となって今も活躍している。
レトロな玩具やガラス細工、子連れの若い夫婦などを見ていると幼い頃の記憶が蘇ってくる。
「八丁峠道路(八丁トンネル)」が開通してアクセスが良くなった。紅葉もこれからが見頃だ。夕方5時のヴェルナーの「野ばら」のメロディが暮れてゆく小京都を優しく包んでいた。