続・英語の散歩道(その81)-初めてのロシア語通訳-「山鹿温泉」の夏 | 流離の翻訳者 青春のノスタルジア

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

コロナ禍前の2019年の夏休みについてはあまり思い出がないが、8月の前半、熊本の菩提寺を訪ねて墓参りをして近郊の山鹿温泉で一泊して町を散策した。

 

 

 

山鹿温泉は芝居小屋「八千代座」とレトロな町並みが有名である。残念ながら「八千代座」は週末営業していなかったが、骨董品屋や雑貨屋を物色したり古風なカフェに入ったり、また醸造元で日本酒を試飲したりしながら楽しいひと時を過ごすことができた。

 

 

 

 

 

2019年9月中旬、突然新日鐵関連のE社(東京)からロシア語の通訳の案件が舞い込んできた。通訳はロシアから来日するエンジニアのグループに対するものだった。

 

彼らは夕刻福岡空港に到着し当日は北九州・若松で懇親会を催し翌日朝から技術ミーティングが行われる予定で、ロシア語⇔日本語の通訳を懇親会と技術ミーティングの両方に対応して欲しいという依頼だった。

 

 

 

その当時ロシア語の通訳は抱えておらず、付き合いがある福岡の通訳エージェンシーに相談した。同社は快く広島在住の女性ロシア語通訳者を紹介してくれた。

 

顧客他、ロシアのエンジニア達とおち合う予定のホテルのロビーで、定刻の1時間余り前にロシア人通訳の女性と待合わせ事前打ち合わせを行った。

 

通訳のロシア人女性は日本語が堪能な明るい方で一安心した。まあ、通訳はいつもこんな綱渡りの連続なのだが ……。ご主人は日本人、日本在住20年以上で頼りになれそうな方だった。

 

暫くして、顧客と大きな荷物を抱えたロシア人エンジニアの一群がロビーに到着した。第一印象は「とにかくでかい奴らだ!」で、まるでアイスホッケーのチームみたいだった。通訳の女性は彼らに気軽に話しかけて面倒をみていた。「大丈夫だ!」と確信した。

 

翌日の技術会議にも最初に顔を出したが、通訳は首尾よく通訳業務を遂行していた。

 

 

 

その後も、2019年末から2020年初にかけていくつかの通訳案件の見積り依頼が入ってきた。ビジネスは通訳を中心に順風満帆に進むかに思われた。