続・英語の散歩道(その73)-「釣瓶落とし」と「逢魔時」-労働需給と金利・株価 | 流離の翻訳者 青春のノスタルジア

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

一雨ごとに秋が深まっているが今週末には最後の残暑が戻ってくるらしい。そろそろ衣替えをする時期だがタイミングが難しい。

 

 

「秋の日は釣瓶落とし」とは秋の日が急速に暮れる様子を井戸に落とす釣瓶に喩えたものである。なお、近畿・東海地方の一部には「釣瓶落とし」という名の妖怪の伝説があり、大入道の生首然とした姿で、人が木の下を通ると急に落ちてきて人を襲う、人を食べると言われている。アニメ映画「千と千尋の神隠し」にもチラッと出てくる。

 

 

 

日が沈んだばかりの薄暗い頃を「逢魔時」と呼ぶ。「大禍時」とか前漢末の王莽(おうもう)(45B.C.~23A.D.)の災禍に擬えて「王莽時(おうもうがとき)」と書かれることもある。一般的には酉(とり)の刻(17時~19時、正刻18時、暮6つ)を指すが、いかにも魔物に遭遇しそうな時刻、大きな災禍が起こりそうな不吉な時刻を意味する。

 

「逢魔時」は英語で eventide, gloaming, spooky dusk, twilight などと訳す。Eventide は evening の《古・詩》(古語・詩的表現)のことである。秋分を越えて、「逢魔時」が日々長くなってゆく。

 

 

 

 

先週末の日経新聞にこんな記事(一部改訂)があった。今回は米国の労働需給と金利の関係である。

 

「9月の雇用統計で失業率が3.5%に低下し米労働市場の過熱感がまだ強いことが示され、企業が求人を減らしても失業率が上昇しないという米連邦準備理事会(FRB)の見方を裏付ける内容となった。このためインフレ抑制を優先するFRBは11月の米連邦公開市場操作委員会(FOMC)で大幅利上げを継続する見通しとなった。」

 

(拙訳)

In the US employment statistics in September, the unemployment rate down to 3.5% revealed a still overheated US labor market, which confirmed the Federal Reserve Bank’s (FRB’s) view that the unemployment rate would not increase even if companies reduced their job recruitments. For this reason, the FRB giving priority to curbing of inflation was forecast to continue its policy of substantially raising interest rates at the Federal Open Market Committee (FOMC) in November.

 

 

失業率が低下したことは、引き続き人手不足の状態が続いており、賃金の上昇通じてインフレの長期化につながると判断されたためである。米・ダウ工業株30種平均は、失業率の低下を受けて急落した。

 

失業率の低下⇒賃金の上昇⇒インフレの長期化⇒利上げの継続⇒景気の減速⇒株価の下落

というロジックだろうか?よくわからないしややこしい!

 

 

一からマクロ経済学のテキストを読み直すことにした。