続・英語の散歩道(その57)-「折尾堀川」ノスタルジア-嵐の前の静けさ | 流離の翻訳者 青春のノスタルジア

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

以前のJR折尾駅は実にわかりにくい構造だった。

 

JR鹿児島本線、福博ゆたか線、筑豊線、若松線のジャンクションになっており、乗り換えのために一旦駅改札を抜けて再度駅構内に入らなければならないケースもあった。

 

折尾駅の鹿児島線下りホームに以前は「東筑軒」があり名物の「かしわうどん」を何度か食べたことがあった。

 

 

 

 

この折尾駅の近くに門司港レトロに次ぐ北九州のもう一つのレトロ地区がある。折尾堀川沿いの飲み屋街だ。昭和のノスタルジックな風情が漂っている。

 

ベテラン翻訳者のKTさんに誘われて堀川沿いに行くようになったのは2015年の秋頃からだった。角打ち、居酒屋、そば屋、ラーメン屋、餃子専門店などいずれも安くて美味い。

 

但し居酒屋のママさん等の平均年齢は70歳に近い。こんな店を別名「おばけ屋敷」という。

 

居酒屋に入ると何故か英語圏の外国人が多いのも不思議な話だ。店内で英語が飛び交っていたりする。結構飲んで食って1,500円くらいの店もある。果たして採算は取れているのか?

 

 

歴史を紐解くと、堀川沿いの飲食店街は筑豊の炭鉱の隆盛ともに発展したそうで、最盛期は昭和30から40年代。当時は40軒ほどの店があったらしい。

 

折尾駅周辺の再開発に伴い飲食店街を含む区画は閉店や移転されることになったが、昨今の状況は知らない。「門司港は残されて何故堀川沿いは撤去なのか!?」と長年愛されたノスタルジックな街並みを残したいと願う声も多い。

 

 

 

 

2015年12月、そんな堀川沿いで翻訳者有志による忘年会を挙行した。一次会はKTさんお勧めの堀川にしては綺麗な店だった。二次会はカラオケ・スナック「てんとう虫」(果たして今もあるのだろうか?)

 

忘年会のときでは無かったが、俳句を嗜むKTさんが「てんとう虫」前の路上で夕空を眺めながら以下の句を詠んだ。

 

「飛び立ちて空色になるてんとう虫」

 

 

 

そんな穏やかな2015年の暮れだったが実は「嵐の前の静けさ」だった。その後年末にかけて新日鐵関連の顧客から環境関連の超大型案件が入ってくることは、このとき知る由も無かった。