続・英語の散歩道(その39)-「出雲大社」と「妖怪の町」-休日のもう一つの意味 | 流離の翻訳者 青春のノスタルジア

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

2011年8月に夏休みをとって島根県、鳥取県から中国地方を縦断して広島を経由して北九州に戻るドライブ旅行を企画・決行した。高速は一切使わずすべて一般道をひたすら走るという行程だった。

 

 

初日、朝5:00に北九州を出発、国道9号線を走り益田からは海岸線沿いに東に進み出雲に着いたのが15:00頃だった。出雲大社に参詣した。高校二年時の1975年、父、弟と参詣して以来36年ぶりのことだった。

 

その日は出雲市駅周辺のビジネスホテルに泊まった。ホテルは新しくて清潔だった。夜一人で飲みに出た。居酒屋に入ると不思議と一人で飲んでいる若い女性が多かった。良縁を願っての旅なのか、悪縁を断つための旅なのか。ただ話しかける勇気はなかった。

 

 

翌日は鳥取県境港市の水木しげるの「妖怪の町」へ。こちらがメインの目的地である。島根県松江市から国道431号の「境水道大橋」を渡り鳥取県に入ると「妖怪の町」が見えてきた。夏休みでもあり男女を問わず子どもから大人まで相当な数の観光客で町は溢れていた。

 

 

 

あちこちに水木しげる氏の妖怪を象ったブロンズ像があったが、歩いている観光客が何となく妖怪に見えてくるのが面白い。車を停めて自分も妖怪の仲間に入った。商店街の他、メインの観光スポットは「水木しげる記念館」である。

 

記念館の中で放映されていたプロモーションDVDの中で水木氏が面白いことを言っていた。

 

「…… たしかに妖怪はこの町に富をもたらしたが ……  あと10年もすれば町は妖怪に完全に征服されるだろう ……  おそらく現在の町おこしスタッフの中にも人間のふりをした妖怪が一匹か二匹紛れこんでいるにちがいない ……  云々」

 

 

 

「妖怪の町」を後にして松江市内に入った。松江市内に「水の都」と呼ぶに相応しい色の高層ビルが遠くから見えていた。県庁?市庁舎?と思ったが「山陰合同銀行」の本店だった。

 

 

 

駅の観光案内所で古い商店街の場所を教えてもらい散策してみた。空き店舗が多い中も少しだけ懐かしさを感じた。

 

 

松江を後に国道54号(別名「出雲神話街道」)に入った。中国地方を北から南に縦断しその日は広島県三次市に一泊した。翌日、豪雨の中、広島を経由して山陽線を北九州へと戻った。「妖怪との縁結び」の旅が終わった。

 

 

閑話休題 ……。工業・技術英語の話を少しだけ。

 

以下の英文をどう訳すか?

 

Check holidays in the painting.

 

「塗装の休日をチェックすること!?」

 

何のことやら解らない。実はこの holiday は「休日」ではなく「塗り残し」、「塗り落ち」を意味する。従って正解は「塗装の漏れや落ちをチェックすること」という意味となる。実は名詞 holiday には「し忘れられた仕事」、「中途半端な仕事」の意味がある。