管理部に異動した2003年の夏、たまたまNOVAの頃の知り合いとバスの中で会った。彼女は今ジオス(GEOS)に通っているらしい。少し興味を持った。
暫くしてGEOSに話を聞きに行った。上級のテキストは RAISE THE ISSUES(問題提起)というものでテキストの最初のテーマが「安楽死(euthanasia)」だった。かなり高度な内容に思えた。NOVAを卒業して2年が経っており気分転換を兼ねてGEOSに入学した。
その当時、現・担当者から業務引継ぎの最中だった。社員が随時受講する社外研修・講習の申込みや管理、秋の社内集合研修の企画、また前回の記事に書いた契約・法務業務の整理・文書化を始めていた。
2003年10月。「管理者研修」を実施した。テーマは「財務諸表の見方と財務分析」というもので講師には西南学院大・経済学部の教授を招聘した。過去3年間の自社の実際の財務諸表(貸借対照表・損益計算書)を材料に財務分析のケース・スタディを行うもので受講者から相当な好評を博した。
私は銀行で財務管理を学んだついでに日商簿記2級を取得していたが、この研修の受講者たちも簿記など会計学に興味を持った者が多かった。
それと前後して「英検準1級」の受験準備を秋口から始めた。2003年11月に受験し合格した。難しいものではなかったが、この「管理者研修」や英検準1級資格の取得が、翌年の「自己啓発支援制度」の構築のきっかけとなった。
ここで少しGEOSに話を戻したい。レッスンは担任制で最初の講師はキャシー(Cathy)というカナダ人女性だった。RAISE THE ISSUES を精読して講師の英語の質問に英語で答えるやや高度なものだった。基本的にグループ・レッスンの形式で生徒は毎回5~6名ほどだった。
レッスンは毎週土曜日の17:30~19:00頃までだったので、レッスン終了後、講師や生徒たちと飲みに行くことが多くなった。NOVAでは禁止されていた講師と生徒のプライベートな交流がGEOSでは黙認されていた。
当時よく行ったのが鍛治町のラッキー・ムーン(Lucky Moon)という居酒屋(バー)で外国人の溜まり場となっており、レッスンが終わってからも英会話を楽しむことができた。
キャシーの熱心なレッスンに慣れてきた頃、残念ながら彼女は帰国した。次に来日したのがボルチモア(Baltimore)出身のアメリカ人女性講師、キャラ(Cara)だった。当時大学を出たての22歳くらいの典型的なアメリカ娘だった。
さらに、2003年の秋に入った頃、ある生徒が我々のクラスに入ってきた。重たそうなリュックを背負っていたが、脚は裸足に革のデッキシューズ(石田純一か!?)靴も着ている服の上下もブランドは全て Polo Ralph Lauren だった。
私と彼(以後JYと呼ぶ)が交わした最初の英会話が以下のものである。
ME: What do you do?
JY: I’m working for a financial institution.
ME: Which financial institution, banks or securities?
JY: Securities.
以後、新しい講師キャラを囲んで私やJYを含むGEOSの上級レベルの生徒たちの間で、テキストを離れた独自のレッスンが展開されることとなった。