続・英語の散歩道(その5)-TOEICスコアと真摯な弁理士 | 流離の翻訳者 青春のノスタルジア

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

私にとって英会話は、まさに「四十の手習い」だった。才能を伸ばすにはやや歳を食っており、無理し過ぎたところもあった。

 

そんな中、レベル4のグループ①内では「前回のTOEICが○○〇点だった」などの話題が出るようになった。何も勉強せずに2000年3月に受験したTOEICのスコアは銀行の頃を僅かに超えた615点だった。人に言えるような得点ではなかった。

 

 

「専門の参考書や問題集で勉強しなきゃダメだ」と思い、TOEIC関連の書籍を買い集めた。リスニングは問題集付属のCDよりNOVAテキストのCDなどをよく聴いた。問題集ではリーディングの出題パターンに慣れたりボキャブラリーを増強することを目的とした。

 

TOEICスコアは2000年9月にランクBの735点を突破し、2001年5月には800点を超えた。しかし以後は800点台前半で長い間横ばいの状態が続いた。結局ランクAの865点を超えることはできなかった。

 

思うに、TOEICは瞬発力や反射神経を要する若者向けの試験であり、やはり年齢的にここが限界なのかと感じた。

 

また、NOVAのレッスンやTOEICの勉強を通じて「自分はリスニングやリーディング(INPUT)よりスピーキングやライティング(OUTPUT)の方が好きだ!」と感じるようになった。即ち「英語を聴くよりは話したい!英語を読むよりは書きたい!」ということだった。この気持ちが将来の日英翻訳者への道へ通じていたように思われる。

 

 

この頃、VOICEレッスンをより楽しみたいと思って読んだのが「英語で話す「日本」Q&A」(講談社バイリンガル・ブックス)というもので、このCDを聴きこなすことで日本の歴史や文化、風俗や習慣などをNOVAの外国人講師に英語でわかり易く説明できるようになった。例えば「征夷大将軍」の英訳は Barbarian Subduing Generalissimo という。

 

 

この頃、VOICEで弁理士のFさんという方と知り合った。私よりかなり年上だったがとにかく真面目でいつも真摯にレッスンを受けられていた。地元小倉高校から阪大・工学部を卒業され電機メーカーに勤務された後、一念発起して弁理士となったらしい。

 

思い出すのは、彼の英語はちょっと昔の受験英語っぽいところがあり、例えば「公務員」の英訳を、私なら government employee と言うところを civil servant (公僕)と表現していたことである。

 

 

 

法務・契約書専門の翻訳者なってから、隣接分野でもある知的財産権(特許権、実用新案権、意匠権、著作権、商標権など)を勉強した。2016年に2級知的財産管理技能士試験に合格した。

 

その年の暮れにFさんの弁理士事務所を訪問した。翻訳の営業を兼ねた訪問だった。久しぶりにお元気なお顔が拝見できたと同時に、以後の営業に関する貴重なアドバイスも戴くことができた。これもNOVAの懐かしい想い出の一つである。