市内の「足立山」は別名「霧ヶ丘」とも呼ばれるらしい。霧の発生が多いからだという。現在の地名にも「霧ヶ丘」というところがある。こちらは足立山の麓だが、昨日高校時代の友人とその辺りを散策した。
そんな中、今朝こちらは名前の由来どおりの濃霧に見舞われた。足立山が見えないほどの濃い霧は随分久しぶりのことだった。
次の問題もややノスタルジックな内容である。自宅のある部屋に残された古いピアノ。娘たちをしっかりと育てあげた初老の紳士(婦人)が、ピアノを眺めながら巣立っていった娘たちを偲んでいる姿が思い浮かぶ。
但し、彼(彼女)はだた黄昏ているだけではない。次の行動を起こそうとしている。そんな静かな決意のようなものが感じられる文面である。
問.次の文を英訳しなさい。
我が家の古いピアノには懐かしい思い出がたくさん詰まっている。5歳からピアノを始めた娘たちもすっかり大人になり、今や誰も弾かなくなった。しかし、なかなか処分する気にはなれない。そういうピアノを買い取って再生させる会社があるらしい。プロの手で修理すれば、また美しい音を奏でることができるという。
(2009年 京都大学・前期)
(流離の翻訳者・拙訳)
The old piano left in our house is filled with a lot of nostalgic memories. Our daughters, who started playing the piano when they were five years old, have fully grown up, so nobody plays it any more. Nevertheless, I cannot easily make up my mind to dispose of the old piano. I’ve heard that there are some companies which buy such pianos and recycle them. Our old piano, if it is repaired by a professional craftsman, is said to become able to produce beautiful sounds again as it used to.
約2か月にわたり「特集・入試英作文への挑戦」と題したシリーズを掲載してきたが、本記事をもって終わりとしたい。
昨今の大学入試の英作文は自由英作文の形式が多くなっており、一部の私大では英作文自体を出題していないところもある。やや残念に思う。
京大を中心とした日本文を指定して英訳させる形式は随分少なくなってきているが、京大がこの形式の英作文を出題し続けることを期待しつつペンを置くこととしたい。