特集・入試英作文への挑戦(その16) | 流離の翻訳者 青春のノスタルジア

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

「海事」は広辞苑によると「海上の事柄に関すること」とある。英語では maritime affairs という。

 

形容詞 maritime を英英辞典で引いてみると、

Maritime is used to describe things relating to the sea and ships.

「海や船に関するものを表すときに(形容詞) maritime を使う」

 

 

英文契約書で時々貨物海上保険に関するものを翻訳したが、海事関連の英単語はちょっと変わった語が多い、という印象がある。

 

例えば、barge(はしけ), pier, quay, berth(埠頭), wharf(波止場), hull(船体), bow, stem(船首), stern(船尾), port side(左舷), starboard(右舷), charter(傭船・用船), moor(停泊する), berth, come alongside(接岸する) ……。

 

 

高校時代よく星を観察した。星図なども見れるようになり北半球の星座は殆どわかるようになった。これがきっかけで親友ができたことは以前の記事自叙伝(その5)-オリオン座ベータ星リゲルに書いた。

 

だが、南半球の星座となると実に奇妙な名前の星座が多かった。「羅針盤座」、「六分儀(ろくぶんぎ)座」、「八分儀(はちぶんぎ)座」、「竜骨(りゅうこつ)座」、「望遠鏡座」など航海用道具の名前や、「水蛇(みずへび)座」、「海蛇(うみへび)座」、「巨嘴鳥(きょしちょう)座」、「カメレオン座」などちょっと不気味な動物の名前など。

 

南半球には一度も行ったことがないが、明るい星が少ないことや星座の名前から「暗くてちょっと神秘的な星空かな?」などと推測していた。

 

次の問題は、そんな南半球の星座をテーマにした内容である。星座の名前から全く別の発想をする人もいるものである。

 

 

問.次の文を英訳しなさい。

南半球を旅行していた時に、見慣れない星々が奇妙な形を夜空に描いているのを目にした。こうした星座のなかには、航海に必要な器具や熱帯に住む動物の名前が付けられたものがある。星座の名前の由来について、私には正確な知識がないが、何百年か前の船乗りたちが何を大切にし、何に驚いていたのか、その一端がうかがわれる。

2013年 京都大学)

 

(流離の翻訳者・拙訳)

When I went on a trip in the southern hemisphere, I found unfamiliar stars form a strange figure in the night sky. Some of those constellations were named as an instrument for navigation or a tropical animal. I don’t have correct knowledge about the origin of the constellations; however, in view of such constellation names, I can understand some of what the sailors hundreds of years ago regarded as important, or what they were surprised at.