「春風」 白居易 ―自作英訳初版- | 流離の翻訳者 青春のノスタルジア

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

昨日の夕方春雷とともに俄か雨が通り過ぎていった。雨の後は少し冷えたがこれも本当の春が来る報せだろう。入社式、入学式など4月は「始まり」(”commencement”の月である。

東大が9月入学を検討し始めたが、それは大学に留まらず、小中、高校の学業年度、また公的機関や会社の事業・会計年度にも少なからぬ影響を与えよう。果たしてどうなることやら。

・・・・


「花粉症」(”hay fever”, “pollinosis”, “pollen allergy”の起源は1960年代とも言われているが正確な時期はわからないらしい。アレルギーは無いが花粉が目に入れば物理的に痒くなる。仕方ないことだ。

フォスターの名曲
「春風」を私が小学校で習った頃(1970年代初め)は花粉症など言葉も無かった「春風」という言葉には単に爽やかさや暖かさのみが感じられた。そんな幼い頃が懐かしい。

・・・・


「春風」  白居易

春風先發苑中梅     春風先ず(ひら)く 苑中の梅
櫻杏桃李次第開     桜杏桃李(おうきょうとうり) 次第に開く
薺花楡莢深村裡     薺花楡莢(せいかゆきょう) 深村の(うち)
亦道春風爲我來     ()()う 春風我が為に来たると


(現代語訳)
春風が吹けば、まず庭の梅の花が開き、それから桜、杏、桃、李の花が次々と開く。
菜の花が咲き、(にれ)の実が実る人里から遠く離れた村落に住む私のためにも、春風はまた吹いてくるのである。

 

(自作英訳初版)

Spring Breeze” by Bai Juyi

 

Spring breeze first makes plum blossoms open in the garden, and then, cherry, apricot, peach and Japanese plum blossoms bloom one after another.

Spring breeze, I dare say, blows for me living in a village deep in the mountains filled with rape blossoms and elm nuts.