今朝のニュースで、大分市の高崎山自然動物園が、今年最初に誕生した赤ちゃんザルに「アマビエ」と命名したという報道を聞いた。
様々なデザインのマスクが売られたり、神社や寺院などで「アマビエ」を模ったお守りなどが販売されたりと、節操なくビジネスに結び付けている感が否めない。
以下は「アマビエ」という言葉流行り出した2020年6月に書いたエッセーからの引用である。
COVID-19の感染拡大を受けて、所謂『疫病退散の神々』が脚光を浴びています。昨今よく耳にするアマビエ(熊本)や、メジャーなところでは須佐之男命(日本神話)、その他神社姫(長崎・佐賀)、クタベ(富山)や岐の神(徳島他)などがあります。
海外では鐘馗(中国・道教)やセクメト女神(エジプト・神話)などがありますが、鐘馗(大臣)は日本でも疱瘡除けや学業成就の神として端午の節句に人形を飾るなどの風習が残っており、能楽の演目や旧日本陸軍の弐式戦闘機の愛称にもなっています。
「アマビエ」を説明した英文を見つけました。若干改訂したものを以下に記載します。
AMABIE is a reportedly auspicious yokai (legendary creature) that first appeared in the archives of the former Higo Province in 1846. The article described in the archives is as follows. A government official was investigating a mysterious green light in the water. When he arrived at the spot of the light, a glowing-green creature with fishy scales, long hair, three fin-like legs and a beak emerged from the sea. The mysterious mermaid-like (or merman-like) creature introduced itself as AMABIE, and made two predictions: a rich harvest would bless the province for the next six years, and a pandemic would devastate the whole country. Further, AMABIE instructed the government official, in order to stave off the spread of the pandemic, to make someone draw an image of AMABIE and to show the image to as many people as possible.
「アマビエは、1846年に初めて旧・肥後藩の古文書に現れる吉兆を呼ぶと伝えられる妖怪です。その古文書に記載された記事は以下の通りです。ある役人が海中から発せられる謎の緑色の光を調べていました。彼がその緑色の光の所に着くと、全身が魚の鱗に覆われ長い髪、3本の鰭のような足、また1本の嘴を持った鮮やかな緑色をした生き物が海中から現れました。その不思議な人魚のような生き物は『私はアマビエという』と名乗ると、2つの予言をしました。1つは『これから6年間は豊作が続いて藩に恵みをもたらすであろう』ということ、もう1つは『ある疫病が流行して国全体を荒廃させるであろう』ということでした。さらに、アマビエは『その疫病の蔓延をくい止めるためには、誰かに自分の絵を描かせてその絵をできるだけ多くの人々に見せなさい』と役人に命じました。」