新緑が目に眩しい初夏となった。暖房器具を片づけ衣替えも殆ど終えた。今年は暑くなるのが早いかも知れない。
以下のあまりに有名な漢詩、実はこの季節にピッタリなことに気がついた。
新緑の中の送別は考えにくいが、4月に入社した新入社員が、正式な配属が決まってこの時期全国に散ってゆくケースもあるだろう。人生は一期一会である。
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「送元二使安西」 「元二の安西に使(つかい)するを送る」 王維
渭城朝雨浥輕塵 渭城(いじょう)の朝雨軽塵を潤す
客舎青青柳色新 客舎青青(かくしゃせいせい)柳色新たなり
勧君更盡一杯酒 君に勧む更に尽くせ一杯の酒
西出陽關無故人 西のかた陽関(ようかん)を出ずれば故人無からん
(現代語訳)
渭城の朝の雨は軽い砂埃をしっとりと濡らし、旅館の前の柳も雨に洗われて青々と清々しい。
今旅立つ君よ!さあここでもう一杯飲んでくれ。この先、西域との境の陽関を出たら、もう友人は誰一人居ないのだから。