「南楼望」 盧僎 | 流離の翻訳者 青春のノスタルジア

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

昨日の朝は寒くて再びマフラーが必要になった。これが最後の寒さだろう。春が近い。

 

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最近テレビCM“Serendipity”という語をよく聞くようになった。この語については、以前ブログ にも書いているが「思わぬ発見をする才能」という意味で、何かしら春らしい響きを感じる。

 

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「南楼望」        盧僎(ろせん)

 

去国三巴遠       国去りて三巴(さんぱ)遠く

登楼万里春       楼に登れば万里春なり

傷心江上客       心を傷(いた)ましむ江上の客

不是故郷人       是れ故郷の人にあらず

 

(現代語訳)

故郷を離れ遠く三巴の地に辿り着いた。楼閣に登れば見渡す限りの春景色が素晴らしい。

長江の辺(ほとり)に佇めば行き交うのは皆異邦の人々。孤独感が胸に溢れてくる。