公開されている今年の大学入試問題を眺めていて、以下の問題を見つけた。
(問題)2 (A)
下の絵に描かれた状況を簡単に説明したうえで、それについてあなたが思ったことを述べよ。全体で60~80語の英語で答えること。
(東京大学 2015年前期)
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「鏡」を見ていて以前ブログに書いた以下の詩を思い出した。だが、上の絵とは状況はかなり異なる。でもこのような問題は、不合格だった受験生にとっては忘れ得ないものとなろう。今の受験生は大変だ。
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「照鏡見白髪」 「鏡に照らして白髪を見る」 張九齢
宿昔青雲志 宿昔(しゅくせき)青雲の志(こころざし)
蹉跎白髪年 蹉跎(さだ)たり白髪の年
誰知明鏡裏 誰か知らん明鏡の裏(うち)
形影自相憐 形影自ら相憐れまんとは
(現代語訳)
若い頃は青雲の志を抱いて立身出世を夢見ていた。夢破れ躓きいつの間にか白髪の歳になってしまった。いったい誰が知っていただろう、自分と鏡の中の自分とがお互いに憐れみ合うことになろうとは。
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「蹉跎(さだ)」とは「躓(つまず)くこと。足をとられて倒れること。」の意味である。なお張九齢(678-740)は盛唐の詩人・政治家である。