ブログを更新しないまま、卒業のシーズンが終わり、桜が咲いて年度が替わり、桜が散って入学のシーズンも終わった。
先週は「寒の戻り」のような寒さになったが週末は一気に暖かくなった。いよいよ春も本番である。そしてまた今年の春も過ぎてゆく。
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杜甫の「絶句」は元々二連首構成である。「其の二」は有名だが、「其の一」はあまり知られていない。
麗らかではあるが憂鬱で気怠い春の日は、何故か人に悔恨の念を感じさせてしまうのである。
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「絶句」 杜甫
「絶句二首其一」
遅日江山麗 遅日(ちじつ) 江山(こうざん)麗し
春風花草香 春風 花草(かそう)香(かん)ばし
泥融飛燕子 泥融けて燕子飛び
沙暖睡鴛鴦 沙(すな)暖かにして鴛鴦(えんおう)睡(ねむ)る
「絶句二首其二」
江碧鳥逾白 江碧にして鳥逾(いよいよ)白く
山青花欲然 山青くして花燃えんと欲す
今春看又過 今春看(みすみす)又過ぐ
何日是帰年 何れの日か是れ帰年(きねん)ならん
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(現代語訳)
「其の一」
春の日は長く山河がいつまでも美しく見え、春風が吹けば草花の芳しい香りが漂ってくる。
泥が解ける頃には燕が飛び始め、砂も暖かくなるとその上で鴛鴦(おしどり)も眠るようになる。
「其の二」
碧(みどり)に流れる大河を背に鳥の白さが一層引き立ち、山の青さの中で花が燃えるように紅い。
そんな今年の春もあっという間に過ぎようとしている。果たして何時になったら故郷に帰れるのだろうか。