「己亥歳」 曹松 | 流離の翻訳者 青春のノスタルジア

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

三月末決算の会社の殆どの株主総会が来週6/26~28の間に行われる。総務部門の総会担当者は大変だろう。役員に就任する人、退任する人また財務諸表もこの決裁を通過して確定する。

人によってはドキドキ、ハラハラの一週間となろう。

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「己亥歳」   曹松

澤國江山入戰圖      沢国(たっこく)の江山(こうざん)戦図(せんと)に入る

生民何計樂樵蘇      生民何の計(はからい)あってか樵蘇(しょうそ)を楽しまん

憑君莫話封侯事      君に憑(よ)る話すこと莫(な)かれ封侯(ほうこう)の事

一將功成萬骨枯      一将功成りて万骨(ばんこつ)枯る


(現代語訳)
「己亥(きがい)の歳(とし)」

この水郷地帯の山河も、今は戦火に巻き込まれた。
そんな中で人々がどうして薪を拾い草を刈るような穏やかな暮らしを送ることができるだろうか。
君には、誰それが諸侯に封ぜられたなどと話して欲しくない。
一人の将軍が手柄をたてるために多くの名も無き兵卒の血が流されているのだから。