「牡丹」 皮日休 | 流離の翻訳者 青春のノスタルジア

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

「立てば芍薬(しゃくやく)座れば牡丹(ぼたん)歩く姿は百合の花」とは美人の姿を形容した言葉であるが、この「芍薬」「牡丹」は実は同じもので英語では"(tree) peony"という単語を使う。

牡丹の開花・見頃はちょうど今の時期のようである。

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「牡丹」  皮日休

落尽残紅始吐芳     残紅(ざんこう)落ち尽して始めて芳(はな)を吐く
佳名喚作百花王     佳名(かめい)喚(よ)びて百花の王と作(な)す
競誇天下無双艶     競い誇る天下無双の艶(えん)
独占人間第一香     独り占(し)む人間(じんかん)第一の香り


(現代語訳)
牡丹は春の花が全て散った後に咲き始め、その素晴らしい名は「百花の王」と称される。
牡丹は天下に並ぶものの無い艶やかさを誇り、この世で最も芳しい花たる地位を独り占めにする。


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「立てば芍薬・・・」の起源はこの詩にあるように思われる。

$流離の翻訳者 果てしない旅路はどこまでも